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まちを盛り上げるエンジンに。ふるさと納税がきっかけの、ファンづくり<前編>

みんなとチョイス」のnoteでは、ふるさと納税を通じて、地域をもっと元気にするために頑張るヒトの声を、ふるさとチョイススタッフとの対話を通して、お伝えします。


3月26日(日)、山形県上山(かみのやま)市と「みんなとチョイス」のファンミーティングを開催しました。

今回のファンミーティングは、上山市が、ふるさと納税を基点にして取り組んでいるかみのやまファンクラブ〜縁人の、これからの活動について、みんなと考えることがテーマ。

そして、ファンミーティング終了後、上山市のふるさと納税担当職員とふるさとチョイススタッフが、当日の様子を振り返りながら、これからのまちの未来について話しました。

その様子を、<前編><後編>の2回に分けて、お届け!

このnoteは、前編。上山市が、ふるさと納税事業として、これまで取り組んできた活動や、それに対する想いを中心に紹介していきたいと思います。

川島 啓太さん
山形県上山市役所 観光・ブランド推進課シティプロモーション推進係
北海道函館市出身。2013年4月に上山市役所に入職。2018年4月にふるさと納税担当職員となる。現在は、ふるさと納税業務全般、及び、ファンクラブ関連業務を行う。

堀 匡俊
ふるさとチョイス事業本部/地域ソリューション部
島根県大田市出身。2020年にトラストバンクに入社。主に、ふるさと納税業務に携わる自治体のサポート業務などを担当。

山形県上山市のこれまでの取り組み

ふるさと納税を通して、まちが描く未来を目指す

堀:川島さんとは、長いお付き合いになりますが、このような距離感で話すことはなかったので、なんだか緊張しますね!

川島:そうですね。でも今日のファンミーティング、本当にアツかった!まだ余韻に浸っています。

堀:僕もです。さっそくですが、川島さんは、ふるさと納税担当になり、今年度で5年目(3月26日時点)を迎えますよね。これまで様々な取り組みをされてきたと思いますが、ふるさと納税事業に取り組む上で、意識していることはありますか?

川島:私は、必ず「循環」というキーワードを念頭におきながら、ふるさと納税業務を担当しています。上山市では、地域の特産品をPRし、上山市の認知度向上に繋げることを目的として、ふるさと納税に取り組んでいます。まちのことを知ってもらった先の関係性づくりや、まちへの貢献度まで見据えて取り組むことが重要なのかなって、感じています。

堀:上山市の振興計画の中で、『また来たくなるまち ずっと居たいまち ~クアオルト かみのやま~』という“将来都市像”も掲げていますよね。

川島:はい。“将来都市像”とは、「様々なミッションをクリアしていき、最終的にはこんなゴールを目指そう」という、まちが掲げる未来の目標を、一言で表したものです。「何度でも遊びに来たくなる、まちづくり」、「住んでいる人が、自分のまちに魅力とプライドを持って暮らし続けたいと思える、まちづくり」を目指して、まち全体として様々な取り組みをしています。

堀:そういうゴールを掲げると、ふるさと納税事業や、他事業の取り組みを推進する上でも、まちの取り組みの中に軸があるから、ブレないですよね。あと、この『クアオルト かみのやま』というのが、上山市のキーワードになりつつあると感じます。

「かみのやま温泉」

川島:「クアオルト」とは、ドイツ語で「健康保養地・療養地」を意味する言葉です。もともと、現在の上山市長が、ドイツを訪れた際に、「上山市にも、里山や温泉、食などの魅力あふれる地域資源が豊富にある!それらを活かして同じことをやろう!」と考えたことがきっかけで、上山型温泉クアオルト事業がはじまりました。

堀:先日、上山市へ伺った際、クアオルトウォーキングの様子を拝見しました。旅行者も、地元の方も一緒になって歩くので、自然と関係性が育まれ、地元のディープなところまで教えていただけるのは、いい経験ですよね。

クアオルトウォーキングの様子

川島:クアオルトウォーキングは、誰でも気軽に参加できるのが、一番の魅力。歩いて、温泉に入って、美味しいものを食べる。上山市にある資源で、健康になることを目指し、市外の方は何度でも上山市に来たくなるし、市民の方は、住み続けたいと思う。まさに、将来都市像を実現するためにも、大切な取り組みです。

堀:この “上山型温泉クアオルト事業” の活性化は、ふるさと納税による寄付金の使い道として、選択することができますよね。

川島:はい。この他にも、『産業振興』のために寄付金を活用させてもらっています。例えば、まちの事業者に対してアドバイスを行い、いまあるものをブラッシュアップしたり、特産品を活かして、新しい商品を作る事業に活用しています。実際に、現時点で3つの事業者から新しい品が生まれ、令和5年度から、順次販売が予定されています。

堀:ふるさと納税を資源として、上山市の事業に投資し、その成果として、事業者にも新しい品が生まれているんですね。

川島:はい。それがゆくゆくは、ふるさと納税のお礼の品になると、私たちのキーワードである、「循環」につながるのかなと考えています。

堀:寄付金の使い道それぞれに、「循環」というキーワードを意識されているんですね。やはり上山市といえば、ワインやフルーツのイメージも強いですが、ワイン事業にまつわる使い道もありますか?

川島:はい。『産業振興』の一つとして、“かみのやまワインの郷プロジェクト”に、寄付金を活用させてもらっています。上山市を、ワインで盛り上げていこうと、様々な機関がタッグを組んで進めています。

堀:ワインでまちを盛り上げる!市内外の方も、みんなが参加したくなるようなプロジェクトですね。

川島:上山市には、大手飲料メーカーに卸しているような、高品質のワインぶどうを生産する農家さんもいますし、創業から100年を超える全国的にも有名なワイナリーがあります。その産業を守るために、高品質なワインぶどうを作れる土壌を大切にしつつ、ワイナリー創業への支援を行ったり、ワインの消費拡大に繋がるイベントを開催したりしています。

堀:今日のファンミーティングの参加者にも、“かみのやまワインバル”に参加されたという人も、いらっしゃいましたよね!

川島:嬉しいですよね。この、“かみのやまワインの郷プロジェクト”の、創業支援を通じて、市内3か所目のワイナリーとして誕生したのが、今日のファンミーティングで、皆さんに味わっていただいたワインを造る、ベルウッドヴィンヤード さんです。

堀:参加者にも、大人気でした!

川島:今日は、その他にも、タケダワイナリーさんや、ふぁーすと・すてっぷさんのワインも試飲していただきました。ワイン好きの方も多かったと思いますが、「このワインは知らなかった」というお声もいただいて、ふるさと納税をきっかけに、知ってもらえてよかったです。

堀:ワインやフルーツ、温泉、自然を生かした事業など、上山市全体はもちろん、それぞれの資源に、ファンがいる印象を受けました。

自然災害から生まれた、あたたかい循環

堀:上山市の取り組みはどれも尊敬できるものばかりですが、昨年6月に起きた、ひょう被害による取り組みが、印象に新しいです。

川島:昨年6月に市内で降雹被害が発生し、多くの生産者が大切に育てていた、ラ・フランスに傷がついてしまいました。その後、農林夢づくり課の職員から「販路を失うかもしれないので、ふるさと納税をどうにか活用できないか?」と、相談があったんです。そこで、農協さんとも話をして、緊急支援という形で、ひょう被害にあったラ・フランスを、ふるさと納税で選べる、訳ありのお礼の品として出すことに決めました。

ひょう被害を受けた、ラ・フランス

堀:すぐに農林課と横連携ができたのが、よかったですよね。

川島:本当に大切に育ててきた、美味しいラ・フランスだったので、ストーリーもしっかり伝えたいと思って、ネーミングをすごく考えました。

堀:それで行き着いたのが、『ミダグナシ』という名前。

川島:はい。もともと農家さんの間では、ラ・フランスの形を揶揄して、「みだぐなし(方言:カッコ悪い)」と言っていたんです。

堀:方言なんですね!それは印象に残ります。

川島:そう。だから、ひょう被害で、本当に『みだぐなし』になってしまったけど、味は高級品と変わらずおいしいんだよ!という想いを込めて、『ミダグナシ』という名前をつけました。

堀:ネガティブなことを、ポジティブに変えるのはすごく大事ですよね。実際に、この『ミダグナシ』への反応はいかがでしたか?

川島:廃棄されるかもしれなかった5,000ケースを、ありがたいことに、ふるさと納税のお礼の品として選んでいただき、寄付者様にお届けすることができました。

堀:訳あり品をそのまま出すのではなく、上山市が何を大事にしたいのか?という背景までお伝えできたのが、皆さんの心に響いたんだと思います。

川島:あと、昨年11月にふるさとチョイスさんが主催のふるさとチョイス大感謝祭でブースに持っていった際も、直接このストーリーを伝える機会をいただいて。「全然味も悪くないのに、勿体無い。農家さんが気の毒です…。」と涙ぐむ方もいらっしゃって、本当に感謝の気持ちでいっぱいでした。

『ふるさとチョイス大感謝祭』上山市のブース

堀:寄付者の皆さんからのエール、励みになりますよね。

川島:このことがきっかけで、農協さんや支援を受けた生産者たちと、寄付者の方に恩返しをしたいね!という話が出たりもしています。あとは、自然災害による被害リスクを少しでも下げようと、山形大学と連携して、果樹栽培支援システムを開発しました。この活動にも、ふるさと納税の寄付金を活用させていただいております。

堀:上山市の取り組みに共感し、応援してくださる寄付者さん。そして、その想いに、恩返しをしたい上山市。ここでも「循環」が生まれているんですね。

『ふるさとチョイス大感謝祭』来場者からのメッセージ

”一番の目標は、何度でも訪れたくなるまち、市民が誇れるまちづくり”

『また来たくなるまち ずっと居たいまち ~クアオルト かみのやま~』という将来都市像を、まち全体で掲げる上山市。

そのような目指すべきゴールがあるからこそ、川島さんが語る、上山市のふるさと納税の取り組みには、一つの軸が通っているように感じました。

<後編>では、上山市が運営している『かみのやまファンクラブ』の取り組みに触れながら、東京都内で開催した、ファンミーティング当日の内容を振り返ります。また、これから上山市が目指していきたい “まちの未来” について話す様子もお届けしますので、おたのしみに!

※<後編>を公開しました(2023.05.01)


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「みんなとチョイス」とは?

私たちは、ふるさと納税ポータルサイトを運営している「ふるさとチョイス」です。私たちは、寄付者の想いを地域に届け、地域の変化を寄付者に発信しています。

その活動の一つである「みんなとチョイス」では、地域で活動するヒトの想いに触れ、地域の魅力や課題についてみんなと一緒に考えるファンミーティングなどを行いながら、持続可能な地域の未来をいっしょに考える場をつくっています。

そして、ふるさと納税を通じて地域をもっと元気にするために頑張るヒトの声を、もっとたくさんの方と共有したいと思い、このnoteで、ふるさとチョイススタッフとの対話を通してお伝えしています。

そして5月は、奈良県吉野町と「吉野町の魅力が伝わるアイデアを考えよう!」というテーマで開催が決定!

3つの酒蔵が協力してつくった日本酒の試飲や、柿の葉寿司の食べ比べ、吉野杉でつくった製品に触れるなど、吉野町の魅力をたっぷり体感できます。

また、吉野町は、事業者の熱意を寄付者に届けるために、ふるさと納税公式SNSの運用にも力を入れています。そうした吉野町の魅力を伝えていく取り組みを、もっと強化していくために、みんなと意見交換するワークショップもおこないます。

下記から、ご参加をお待ちしております。



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