教室なんて、なくなっちゃえばいいのに。
十何年も前に「死にたい」と思ってから、ずるずる生き続けて20歳を超えました。白草優です。
その「死にたい」は、幸いなことに、「買ってしまった舞台のチケットがあるからそのあとにしよう」とか、「見られたら恥ずかしい同人誌の数々を処分してからにしよう」とか、くだらないことで先延ばしになっています。今のところは、その程度のものです。なんとかやってます。
人生、なんとかなるものです。
てか、なんとかやってきました。
なんとかやるしか、なかったから。
黙って、
俯いて、
舌を噛んで、
適当に笑って、
ごまかして、
聞き流して、
耐えて、
耐えて、
耐えて。
電車が来る前のホームで、「今ここを降りれば」とかは、頻繁に考えます。考えているだけだから、こうして書いているけれども。
***
10代とは教室という閉鎖空間に、がんじがらめにされる時間だ。
8時に登校して、授業が終わるのが16時くらい。そこから部活に行って、18時下校。8~10時間もの時間を、学校に取られる。大半を過ごすのは教室であり、クラスであり、担任。
一度居場所を失くせば、逃げる道はどこにもない。
習い事をすればいいとか、家に帰ったら家族が待ってるとか、そういう次元の問題ではないのである。
一日たった24時間しかないのに、その1/3以上を費やしている学校が毎日ある。てか6時間寝たら半日終わったわ。登下校時間とか含めたらそんなに時間は残らないわ。地獄か。
教室が全てで、クラスの空気が全てで、友達関係が全てだった10代。
「授業に集中しろ」じゃなくて、さ。
授業中内職する生徒は多いし、手紙は回ってくるし、アイコンタクトはするし。常に誰かしらと関わっている。
「相談しろ」って、したよ。
何も解決しなかった。チクったと言われた。勘違いと言われた。頑張れと言われた。
誰も、「逃げろ」なんて、言ってくれなかった。逃げる術を教えてくれなかったし、逃げるお金も無かった。どこに逃げたらいいかもわからなかった。
教室は閉鎖空間。出れない。出られない。逃げ道はどこにもない。誰も教えてくれない。
ヘラヘラ笑ってその場を凌ぐしか、方法がもう、無かった。
***
大学生になった今、なんて楽なんだろうと思います。
気の合う人とだけ話していればいいし、最低限の付き合いさえしていれば授業を休んだときも何とかなるし、先生といくら仲良くなっても誰からも恨まれません。
悪口を言われていても、気付かないし聞こえない。
教室の席は決められていないので、好きに座れる。
無理になかよしこよししなくても結構。
教室に囚われていた自分にとって、本当に、本当に幸せな場所です。世界は広い。もっとほかの場所がある。
なんて10代を過ごしてきたんでしょうか。
先日、Twitterで友人がこんなことを言っていました。
いじめは「いじめ」という概念さえなくせば、簡単に消える。「いじめ」というあやふやな概念さえなくせば、そこに残るのは犯罪だ。
教室なんて、なくなっちゃえばいいのに。
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