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「時をかけるな、恋人たち」 もはや遠距離恋愛は時空間越えでしか成立しないのかもしれない

タイムトラベルものが好き。
というか、時間軸がずれていることで、気持ちがすれ違っていく、というようなお話が好き。

例えば、新海誠監督の短編映画「ほしのこえ」
がっつりSF設定を、宇宙と地球の超遠距離恋愛に仕立てるという斬新さ。
宇宙と地球…、ここでいう遠距離は物理的な距離の遠さだけではない。
ワープを繰り返すことで時空を移動する少女と、地球に残り地球の時間軸で成長して(老いて)いく少年との、時間の遠距離恋愛です。

この時間軸のズレによって起こる、気持ちのすれ違いと交差…の部分の切なさがエモの極みでたまらない。



同じ新海監督の「君の名は。」も、主人公の二人が生きている時間が3年ズレている。
そのおかげで、隕石の衝突が阻止されるわけなのですが、私にとってそこはサイドストーリー。
ラストシーン階段ですれ違う二人。
あのシーンこそメインにしてクライマックス。
まさに、時空を超えた恋愛ものなのだな、と思います。

* * *

と、言うわけで、誠つながりってわけじゃなかったんだけれど、
「時をかけるな、恋人たち」

前半戦は、まさにその時間軸上の遠距離恋愛の切なさを定石通り見せてくれました。

からの〜、恋の超展開!後半戦。
廻と翔は、力づくで定石崩しをやってます。
すごい!

一役買っているのは、スクーターのようなキックボードのようなタイムトラベルマシーン「タイムボード」
お手軽に時空間移動できちゃうことで、時間の距離ももはや遠距離ではないのではないかと思わせる。
そういえば、新幹線や格安航空機、はたまたweb通信が出てきたことで、遠距離恋愛という言葉も死語になっていたような…

逆にいえば、今、切ない遠距離恋愛のストーリーを作るとしたら、時空間遠距離設定しかないのかもしれないですね。

それにしても、今の自分がいるのは、ちょっと先の自分の行動によるものだったりして、こうなってくると歴史は歪めちゃいけないのか歪んでるから正しいのか分からんねw

時をかけろ、恋人たち

廻と翔には結ばれてほしいけれど、
「私たちだけが幸せになっても意味ないから」
に矛盾しない、辻褄合わせって何だろう。
だって、隊長や5話のおじさんの奥さんも、亡くならないようにするってことは、しちゃいけないわけだし…

歴史を変えないために、歴史を変える。
この無茶苦茶なミッションの先にある未来に、果たしてどんな辻褄合わせが待っているのか。
最終話の大回収が楽しみです。


シナリオブックがクリスマスに発売
脚本の上田誠さんによる、”ドラマ中のタイムトラベル解説” ”上田誠が選ぶタイムトラベル作品おすすめベスト5”が、めっちゃ読みたい!!


前半戦感想はこちら


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