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何にもなくてもいいのです

気づいたら、もう2月。
忙しなく過ぎる日々に心と身体が追い付かなくなる。

そういえば、雪が降りましたね。
自分の使っている電車は、特に遅れることなく、無事に運行してくれてよかった。
この歳になると、もう雪ではしゃいだりしなくなる。
昔はあんなに好きで、指が真っ赤っかになっても雪をいじって遊んでいたのに…

大学入試のニュースを見て、自分が受験生の頃を思い出す。
昔から神経質だったから、あの頃も夜に眠れないとか、些細な生活音でいつもイライラしていた。
その時はその時なりにきつい時期があって、それを乗り越えて今がある。
そんなことを思うが、どれだけ壁を乗り越えても、また新たな壁が眼前に現れるのだから、どうしようもない。

いっそのこと、もう乗り越えることを諦めてしまおうかとよく考える。
でも、それはそれで怖くて自分にはできやしない。
他の人と違う道を歩むということは、
自分の人生はすべて自分で責任を取るということになる。
そんな勇気もないから、やっぱり壁を乗り越える努力は、これからもしていかなくてはいけない。

***

この前初めて地元にあるレトロな喫茶店に行ってきた。
初めて入るお店はいつもドキドキする。
いつか行ってみたいと前から思っていて、だけどチェーンに比べたら値段が少し高いのでなかなか行けていなかった。

それになんだか敷居が高く感じられた。
こういうお店って常連さんがいて、その人たちにしかわからないような暗黙の了解が、あるのではないかと思ってしまう。
珈琲の飲み方ひとつにも、いろいろこだわりのある人がいる。

前にテイクアウト専門の珈琲のお店で、
見たことない包装のされたチョコレートがあった。
珈琲と一緒に注文したら、後ろに並んでいた人から小声で「ふつうチョコは買わないでしょ」と言われてちょっぴりショックだった。
でも、そのチョコすごくおいしかったけどね。

まあ、過ぎ去った話だしどうってことないのだけれど…

入った喫茶店ではカフェモカを注文した。
本日のおすすめになっていたからね。
よくわからないときは、とりあえずおすすめを選ぶようにしている。

とてもおいしかった。
インスタントやボトルの珈琲も好きだけれど、やっぱりお店で飲む珈琲はすごくおいしい。
それに、人も少なくてとても落ち着いていた。
スタバやコメダだと、どうしても人が多くて落ち着かない。
珈琲の味やお店の雰囲気をゆっくり楽しむことができてよかったと思う。

常連さんらしき人がいて、
マスターから「最近なにか変わったことあった?」と聞かれていた。
「なにもないよ」という返答に”なにもないことが一番だね”と言っていた。

なにもないことが一番。
つい刺激的な生活を求めてしまうけど、なにもない日々にもいいことはある。
仕事で時間を埋めて、休日も何かと誰かに会ったり、どこかにいったりするのもいいけれど、たまには何も考えずにぼーっとするのもいい。
むしろ、そっちのほうが生き物らしい。

現代人は暇さえあると、なんでも埋めようとしてしまうけれど、
歯車はギチギチではうまく回らないように、何事も少しの”すき間”や”余白”が必要だと思う。

それに人生は長い。
すべてが重要なイベントなわけがないし、そうでなければ疲れてしまう。
ダラダラと過ごした時間にだってきっと意味はあって、そういう時間があったからこそ、新しい気づきや発見があったかもしれない。

どの時間も大切で、いずれも欠けてしまっては、今の自分にはならなかったと思う。

ちなみに私は、
最近あだち充の『タッチ』がすごくおもしろいことに気づいた。
最寄りの図書館に置いてあって、ちょっとずつ読み進めている。

またあの喫茶店に珈琲を飲みに行こうと思う。












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