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センスは自分で磨くもの

オシャレは難しいと思っていた。

学生の時はお金がなかったから、いつもパーカーとジーンズを着ていた。
ユニクロやGUで買えるやつだ。

知人に「その服似あってない」「もっと服買いなよ」と言われたこともあった。

そういう経験からか、自分の持っている服とか、センスに、自信が持てずにいた。

いい服を着たいという気持ちはあった。
だけど、金銭的にきつくて当時は買えなかった。

もっと、一生懸命働けばよかったのかもしれないけど、そんな体力もなかったし、あの時はあの時なりに、少ないお金をどう使うか考えていた。

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今年もボアのフリースを買った。
たぶん、もう流行っていない。

一時期、すごく流行っていたと思う。
大学2年生くらいの時に、教室の3割くらいの人は来ていた気がする。
自分もその時の流行に乗じて、これでみんなと一緒になれるだなんて思って、奮発して買ったのを憶えている。
すごく気に入っていて、ボロボロになるまで着込んだ。

もう大人だし、学生の時の服は少しずつ処分して、新しいものを取り入れていこうと思った。
持っていた服のほとんどは、売ったり、処分した。

お気に入りだったボアのフリースは、なぜか妹がもらってくれた。

今年は何が流行っているのかよくわからなかった。
本屋でファッション誌に目を通してみたり、町の歩いている人を観察してみて思ったのは、「ただ、自分の着たいものを着ればいい」ということだ。

みんながファッションに興味があるわけではないし、ボロボロの服で外を歩いている人もいる。

細身やジャストサイズが好きな人もいれば、オーバーサイズを好む人もいる。
自分もゆったりめが好きだから、近年はワイドパンツを穿いている。

結局、今年もボアのアウターを買ったのは、単純に好きなのだと思う。
流行り云々より、自分がいいと思ったものを身に着けるのは気持ちがいい。

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昔から人の目を気にする子だった。

それは自分が帰国子女ということや、クラスの人たちからはぶられたりしたことがあったからであろう。
だけど、もうその人たちはいないわけで、今の自分は全然違うコミュニティに属している。

それに、自分が他人についてどうこう思わないように、他人もまた案外自分のことを見ていない。
それを寂しいと思う人もいれば、気楽だと思う人もいる。

自分は後者だと思う。
自分なりの価値観やセンスがあって、それは自分で磨いていくものだ。
他人が決めるものではない。

たまに失敗することはあっても、本来オシャレは楽しいものだ。

自分が好きな装いをしていると、他人の装いにもおおらかでいられる。
誰かが素敵だったら素敵だと伝え、好きじゃなかったら何も言わない。

それでいいと今は思う。





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