花残月に贈る、小さな種を
4月、花残月(はなのこりづき)。桜が散り始め、残りわずかな淡い色をまとった花と新緑の小さな芽が宿り始める季節。枝に残る花たちは、私たちの新しい日々への不安から、過去を名残惜しむ気持ちの表れなのかもしれません。
それでも、人は美しい景色を心の中に焼き付けながら、前に進むものです。ニュースを見ていると、慣れない余所行きの服を着こみ、麗らかな春の陽射しを反射させたランドセルを背負って、嬉しそうに入学を迎える子どもたちの姿がありました。
中学校も高校も大学も、そして社会人(は一