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「負」の経験

これは、私が前職で鬱になりかけた時の話。
(病院とかに行ってなかったけど、症状的には鬱)
このことが、きっかけで転職した。

その時は、新卒で入った会社(IT系)で2年目の冬だった。それまでも、21時過ぎまで働くこともあったし、この働き方がいいわけではなかったけど、なんとかやってこれてた。

きっかけは、その時期に大型案件がスタートしたこと。前回約1年かけてやっていた規模の案件を9ヶ月で行うというハードなもの。もちろん、21時、22時まで仕事をすることが多くなっていった。3月には友人と旅行に行ったり、GWには地元に帰ったり息抜きがあったのでギリギリそのころまでは大丈夫だった。

私は例年GWのあたりに風邪をひいてしまうのだが、この年もそうだった。いつもと少し違ったのは、熱は下がったが声が出なくなってしまったのだ。(ちなみに、声が出なくなるのは数年に1回ある。だいたいストレスが多いときとか)

もちろん、声が出なくても仕事にはいかなければいけない。幸いにも、かすかな声が出てたのとたくさん話す必要はなかったので、手と頭さえ働けば、仕事はできるので何とかなった。電話には出れなかった。


確か、このころからだったかな、夜寝れなくなってきたのは。毎日、9時前に家をでて(職場が遠かったので出社は遅め)22時過ぎに仕事を終えて、家に帰るのは24時前の生活。(やってられないので週1くらい、21時くらいに帰って終電まで飲んでた)

たまに飲んでるならいいじゃん。って思うかもだけど、それくらいストレス発散しないと無理だった。24時前くらいに帰った日も、スーパーによって9%のチューハイと値下がりしたお惣菜買って帰る日々だった。寝るのが怖かったのか、次の日が来るのが怖かったのか、9%飲んでるのに2時とか3時とかまで寝れない日も多かった。

しかも、アルコール関係なしに朝起きるとめまいが止まらなくなっていった。一回目が覚めても、起き上がるとめまい。10分くらい寝て、もう一回起き上がるとまためまい。いつもどのタイミングでよくなるのかもわからなかったし、ダメな日は1時間以上それが続いてた。それが収まったら、仕事に向かってた。

土日も平日の分を回復するかのように昼過ぎまで寝てるし、家のことやって、ってしてるとほぼ終わっちゃうし、たまに友達と飲みに行ったらいいほうで、ずっと引きこもってた。


確か、案件が終わるちょっと前かな。
ある日、仕事に行くのが怖すぎて涙が止まらなかった。いったん、午前休の連絡をしたけどお昼になっても怖かった。結局、その日は休んだ。やっと、もう無理なんだって思った。職場の人も好きだったし、仕事が嫌いなわけでもなかったけど
私が、わたしのこころが拒絶した。
この時、転職するって決めたのかな。たぶん。

このころ、お酒を飲むときは浴びるように飲んでたし、タバコは1日10本くらい吸ってたし、ニキビもすごい量できてて、1個治ったら2個できるような状態だった。

なんとか、この案件が終わってびっくりするくらい暇になった。あれ気になってたんだけど、時間なくて放置してた資料とかの改修してた。
ある日、18時半くらいに仕事が終わって、ビルから出るとまだ空が明るかった。なんか感動した。あ、わたし、空が明るいうちに帰れるんだって。

これがもう少し長かったら、もう仕事いけませんって、人事に言うところだった。ほんとにギリギリだった。帰りの電車で泣いた日もあったっけ。

それから、仕事終わりとかに転職活動して、なんでタバコ吸ってるんだろうって思って、5年くらい吸い続けたタバコをやめて、ニキビもほとんどなくなった。


今は、転職してまたIT企業で働いてる。

いつも一緒にランチに行ってた先輩はもっと忙しい時期があって、その先輩がやってこれたんだから、それに比べたら私のなんてかわいいもんだ、って思ってた。でも、転職するってマネージャーに言ったとき「限界は、人によって違うからね」って言われて、ハッとした。もう限界超えてたんだって。直属の上司も、結構な間病んでてとてもじゃないけど言える状況でもなかった。


どうやってうまくまとめたらいいのかわからないけど、人によって限界は違うってこと、自分の弱さを認めることは逃げることじゃないってこと、自分の弱さを認めることは一歩踏み出すきっかけになるってこと、同じような状況になっている人に届いてくれるといいな。

いろいろあったけど、今は仕事以外のことも考える余裕ができたし、あの時は今しか見えてなかったけど、将来についても考えれるようになった。
環境を変えるのはすごく勇気がいるけど、一歩踏み出して振り返ってみればきっといつかはよかったって、思える日が来るようになるから。

もうこのことから、半年以上たってるけど、思い出すと涙が出てくるし、完全に克服できたわけじゃない。でも、このことがあったからこそ、こういう自分ともうまく付き合っていかないといけないって気付けたし、無いに越したことはないのだろうけど、この経験も今の自分を作ってくれた一つと思ってる。
なにより見える世界が広がった。

「若いころには苦労を買ってでもしろ」って言うけど
そういうことじゃないなって思う。

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