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広報ってメディアアプローチが大事なんでしょう?という幻想

広報活動というと、メディアリレーション・メディアアプローチが大事なんでしょう?とよく聞かれます。

「メディアとのコネクションを持っている人を探してるんですが...」というご相談もとても多いです。

つまり、企業の広報活動は、とにかくマスメディアに取り上げてもらうために動く!という印象を抱かれているんだと思います。

これは、もちろん大事な業務の一部ではありますが、世間様が思っているほどそこだけが重要じゃなかったりするな。というのが私が広報をやってきて思うことです。

なぜなら、ネタやタイミングがよくなければ、どんなにガッツを出してアプローチしても、結果はでません。

逆に、ネタが良い場合はすんなりニュースになりますし、取り上げられるタイミングはニュースを出したその時ではなく、半年後に来るということもあります。

プレスリリースは力を抜いてもいい!

自社でニュースネタがあるときの基本セットは、
・プレスリリースを書く
・プレスリリース配信サービス(PRtimesやValuePress!)で配信
・自社のホームページに載せる
・SNSで拡散
・もしメディアリストがあれば、ネタに合わせて直接メールでプレスリリースを送信

このあたりが基本なので、まずここまではやってほしいと思います。

そして、ネタの大きさや状態を判断して、電話でのメディアアプローチや直接記者さんにお話に行くなど、基本セットの先にあるもっと積極的なアプローチを取り入れます。

ここでいう「ネタの大きさや状態を判断する」とは、ネタの新規性や社会的インパクト、時流などを加味した上で「ニュースバリューを見極める」ということです。

日本の99%を占める普通の中小企業であれば、そうそう頻繁にニュースバリューの高いネタはでてきません。なので、毎回全力投球していても徒労に終わることが多く、消耗してきてしまいます。

なので、広報活動をするときには、ひとつひとつのネタを常に全力で投げるのではなく、力を抜いていったらどうかなと思います。

毎回全力投球をして、すぐにニュースや取材につながらないと、、「広報活動って意味ないのかな・・・」「うまくいかないな・・・」「自分のやり方が悪いのかな・・・」など、しょんぼりした思いが頭を過ります。

もしあなたが一人で広報業務を行っていたら、こういったしょんぼりな思いを共有する相手がいないので、余計にしんどく感じると思います。

それはあまりにも不健全なので、割りきりと肩の力を抜くことを覚えていただきたいなと思います。

メディアアプローチをやめてみた

私は前にお手伝いしていた会社さんで、基本セットだけをひたすらやって、それ以上のアプローチをやめた時期がありました。

これはちょっとした実験でもありました。

基本セットだけにしたら、効果は下がるのか、下がるとしたらどのくらい下がるのか。もしくは変わらないのか。そのあたりを見極めたかったのです

結論からいうと変わらなかったというのが実感です。
むしろ、良いことがたくさんありました。

1. 消耗しないので、ひとつひとつのリリースを出すことが大変ではなくなり、するするとタイミングよく発信ができるようになる。

2. その結果時間も出来るので、ニュースネタを作り出す機会が増えた。

3. 発信タイミングを逃さなくなったので、それを元にしたインバウンド(相手からコンタクトが来る)取材が増えた。

このときは、たまたま時流に乗れたこともあり、朝や夜のニュースなどテレビ取材も多数獲得できました。

これって効率良いと思いませんか?

もし、毎回プレスリリースを出すのが気が重い。
なかなかプレスリリースを書こうと思っても筆が進まない。
こんな場合には、何が原因でそうなっているのか、一度考えてみてください。

もしかしたら、真面目に広報活動をやろうとしすぎて、がんじがらめになってしまっているのかも。

そんなときは、一息ついて。

とりあえず大体のネタは基本セットやっておけばニジュウマル!です。

あまり毎回頑張りすぎないで、たまにある大きいネタのために鋭気を養っておきましょう。

そうすることで、視野が広がりむしろ社内でネタが見つけやすくなって、そこで見つけたネタが化けるということもありますよ!


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