見出し画像

食と健康、の魅せ方に頭を抱える。

こんばんは!
最近、あらゆるお店で『ご飯少なめでお願いします』と言っているのに1.3人前くらいにお茶碗に盛られてしまうので、『ご飯、ふつうの半分の量つまり超少なめでお願いします』と言うべきかと悩んでいます。中窪です。

前回の記事で、発酵建築に関しての科学的エビデンスもやもやについて書きましたが、今回は「食と健康」というテーマに関してのエビデンスもやもやです。

本日もお付き合いいただければ幸いです。


"発酵"でこの地域を健康にする?

発酵建築からの方向転換を迫れられた私たちは、ヒアリングを重ねていった結果、自分たちの想いをただ伝えるだけじゃ駄目だということで、「発酵stock」というサービスを作る方へと舵を切りました。
その内容は、浜通りの単身者向けに発酵常備菜の定期便のサービスで、この地域で食生活由来の健康不安を抱える人の課題を解決する、というもの。

発酵惣菜の定期便という点では現在の地域世帯kitchenにだいぶ近づいてはいるのですが、「発酵stock」のポイントとしては、

◆「発酵→健康」というポイントをメインに置いている
◆  課題 = 不健康な食生活(例:毎日コンビニ飯)

というように、"発酵による健康への影響" をサービスのウリとしていました。
この浜通りという地域での健康問題に関しては、ヒアリングによる情報だけではなく、論文などでもある程度確かめる(糖尿病や高血圧等の生活習慣病リスク等)ことは出来たのですが…

「"健康"って何をもってして言うんだ?どう定義すれば良いんだ?」
「発酵食品が体に良い、って言うけど…それってホント?体に良いって具体的にどういうこと?

と、発酵建築のときと同じように再び「科学的エビデンス」への知識不足の壁にぶち当たってモヤモヤ。

"ほんとうに"求められているもの

"いや!!でも!!!とりあえず付け焼き刃でもゼロよりは!!"と重たい腰を上げ、生活習慣病と食生活、栄養、発酵、などなどについて論文を読んだり、ゼミで勧められて買ったのに読んでいないまま放置されていた栄養データについての本を実家から送ってもらったりする日々。
(真面目なカオして意外と単位を落としてしまうタイプのそこそこ怠惰な学生だったので、もっとちゃんと勉強してくればよかったと本当に後悔した)

そんな手探りの状態でとりあえず勉強してみる一方で、ヒアリングの回数を重ねていくと、「ん?」と思うことが増えていきました。
それは、"買いたくなるポイント"。

"結の料理が家でも食べられるなら買うなあ"

様々なニーズがあるものの、一番みなさんが声を揃えて言うのがこの言葉であり、それは「(勿論、野菜いっぱいで・発酵で健康に良い、とかも嬉しいし欲しいけど、)」という言葉が前にありました。
つまり、本当に求められていたのは発酵による健康作用ではなく、「親しい人が作ってくれているという安心感や喜び」。

この点に気がついたことがヒントとなり、地域世帯kitchenのサービスのコンセプトの一つ「20人世帯」に繋がるに至りました。

提供者側の"魅せ方"とその責任


上記の気付きを経て、定期便サービスの一番のウリを「発酵による健康作用」から「顔の見える範囲だからこそ出来る半オーダーメイド献立」へ切り替え、名前も地域世帯kitchenとしました。
それは、単にニーズに合わせた見せ方を選んだ、ということだけではありません。

例えサービス内容は同じで、お客さんの殆どが科学的エビデンスの審議なんか気にも留めないしても、提供する側の見せ方には責任が伴う。
だから、発酵惣菜という形で、そしてその献立の意図をきちんとお届けするという形で、本来の目的を叶えながらも、お客さんにとって堂々と胸を張れる最善の魅せ方でサービスを提供することを選んだ、と言うことになります。

あれ?じゃあまた、科学的エビデンス問題は先送り?となったかというと、そうでもなさそうです。
一番のウリではないにせよ、コンセプトの一つには「体に良い発酵惣菜の提供」も含まれているので、それらの栄養バランスの組み方・効果(≒科学的エビデンス)についても学んで取り入れ、研究を続けていく必要があるからです。

ただ、今回のことを通して、食と健康における科学的エビデンスの必要性って、「提供者が、消費者に向かってそれをどのように表現するのか、どう責任を持つか」と密接に関わっていることを強く感じました。
これまでずっとモヤモヤしてきた、あらゆる「健康食品」に対する見方もちょっと変わってきそうです。


以上、ひー、めちゃくちゃ長くなってしまいました、すみません…不勉強の身なので、もうちょっと知識つけていきたい所存です。
本日もここまで読んでくださりありがとうございました!


【本日のいちまい】

画像1

町内でいっちばん大好きなお店、和漢膳『陽なたぼっこ』。
十種類以上乗った前菜がメインのお店なんですが、撮り忘れたのでデザートの写真。
もうね、ほんとに、好きなんです。








浜通りの魚をいただきます