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映画『或る夜の出来事』で、ラブコメの楽しさを知る。

私の恋愛映画の好みは偏っています。とにかく悲恋が好きなのです。
『哀愁』『アンナ・カレーニナ』『嵐が丘』など、イケメン&美女が主人公ならば、悲恋ものに魅力を感じます。

そうじゃなければ、ラブコメを見たいですね。ラブコメならばイケメン&美女がくっついても見ていられます。
「愛」と「笑い」は、人生においても欠かせない要素ですよね。

ラブコメの元祖というべき映画『或る夜の出来事』(1934)には、現代のラブコメ映画に多用されているシチュエーションがたくさん登場します。

身分の違う恋
二人で旅をしていくロード・ムービー
ジェリコの壁(同じ部屋に泊まるとき、毛布で部屋を仕切る)
男性が朝食を作ってくれる
ヒッチハイク 足を見せて車を止める
ウェディングドレスのまま式から逃げ出す

など、ここから始まったであろうロマンティックな描写が愉快で、

映画ってアイデアから生まれるものなんだ

と改めて感じさせてくれます。

主演のクラーク・ゲーブルは、この頃から大スターですが、33歳の若さなのでダンディというよりは、軽やかな若者という感じが新鮮です。

「まずは靴下を脱いで……」と、服を一枚一枚脱ぐシーンがあるのですが、ワイシャツの下に肌着を着用していなくて、素肌なんですよ。
当時の男性はみんなオヤジシャツ的な肌着を着用していたので、肌みせスタイルが「カッコイイ!」と流行したそうです。
肌着の売り上げが落ちてしまったという逸話があるくらいの人気者でした。

ヒロインのクローデット・コルベールは、ビジュアルだけを見たときに、正直、あまりかわいくないかも?と思ってしまったのですが、映画を見始めると、一気に可愛らしくなってくるのが不思議です。

特に、ドーナツを珈琲に浸して食べるシーンがあるのですが、上品&大胆に指をなめる姿が、めちゃくちゃキュートでした。声も魅力的です。

この映画で一番好きなシーンは、バスのなかで乗客たちがみんなで

「空中ブランコ乗りの歌」
the man on the flying trapeze

を歌う場面。主演の俳優二人も楽しそう。
3番目の歌詞を歌う乗客が、監督のフランク・キャプラです(若い)。

イタリア系のキャプラ監督らしい楽しいシーンです。

ラブコメが見たいな、と思ったときには、『或る夜の出来事』を思い出してみてください!
Amazonプライムビデオなどで鑑賞できます。

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