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読書感想文に正解はない

誰もが小学校や中学校で読書感想文を書いた
経験があると思います

そもそも読書感想文って読書をしてその感想を書くこと

ですが、いつの間にか読書感想文にも
正解の書き方があるように感じています

子どもが読書をして自分の感じたままに
感想文を書くことに正解はないはずなのですが
読書感想文コンクールで入賞したものを見ていると
構成がある程度決まっているな、と

読書感想文は

「子どもが描きたいように描く」

それに尽きると思っています
読書は、子どもの感性を育てるとても良いツールです

文字を読んで自分の頭の中で
それぞれが描く世界があり
色があり
登場人物がいて

同じ本を読んでも、それぞれにそれぞれの違った
世界観が生まれています

そんな自由な発想を、感性を大事にしてほしくて
9年前に「わくわく文庫読書感想文コンクール」という企画を
1年に1度実施してきました。
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000030999.html

毎年600名ほどの応募があります

コンクールでは
子どもが描きたいように描かせてあげてください、と
先生や保護者の方にお願いしています
大人が手を加えたりするとすぐわかります(笑)

子どもの感性が炸裂して色々なものが出てきて
こんなことがあってよかったんだと、思ってもらいたいのです

1次審査は弊社のスタッフが
子どもが自由に書いているものを選び
大賞、金賞などの受賞作品は志茂田景樹先生など作家の方に選んでいただいています

どんな観点で選んでいるかというと

例えば

機関車が出てくる本を読んだ子どもが
機関車を見たことがなく、それをおじいちゃんに聞きにいき
おじいちゃんから機関車のことを聞いて興味を持ち
おじいちゃんから聞いた機関車のことを感想文に書いていたんです

本を読むことでおじいちゃんとの会話が生まれ
わからないことを聞こうとする姿勢が面白い、と評価

また、物語の続きを自分で想像して書いてくれる子どももいたんです

本当にユニークで感性が炸裂しているな、と
それこそが読書感想文だと感じる作品が本当にたくさんあります

いろんな感想文を読んでもらっていると
お母さん方が、毎月やってほしいと私におっしゃるんです

「今まで私たちが知っていた優秀な感想文とは違う!」
「こんな風に書いていいんだ!」
「うちの子にもなんでも思うこと書いていいよって
 言ったら何を書くか見てみたい、知りたい!」

そんな声をたくさんいただきます

子どもの感性を伸ばすだけではなく
大人も読書感想文に対する既成概念をとっぱらい
自由な発想で子どもとコミュニケーションをとれる機会が生まれます

また課題図書というものを決めず
最初の本選びから自分で選ぶ
そこから始めます

子どもたちに「選んで」っていうと
「選べない」という状況が起こるんです
ここで諦めず子どもたちと会話すると
そこでちゃんと自分の意思を出してきてくれます

この子にこれが必要だから大人が与えるのではなく
子どもの意思を一番に

「自分で選べた!」

の経験を積み重ねることがとても大事だと思います

主体的な学びは
「自分で選んで自分でやる」
これが学びの基本です

与えられることに慣れると不安になります
最初は何もできない子どももたくさんいますが

自分とよく会話すると出てくるんです、意思が。

何が好きか
何が嫌いか
自分でしっかり把握できている、理解できている

それが子どもの時期から本当に大事なことなんです

読書には正解はない、
100人100通りの世界が生まれる
それこそが読書の醍醐味だと思います

2020.6.30
下向峰子

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