9人プラスαのマンパワー
認知症グループホームは、1フロアに9名まで入居できる。
介護職員の人数は、日中は2~3名、夜間帯は1名。
入居している人9名、それぞれできること、得意だったりすることがある。
だから私は9名のマンパワーがあって、そこにサポートする介護職員がいるって、思ってる。
ま、2~3名の職員が9名を介護する、って考え方が多分一般的なんだろうけど。
料理が得意
料理が好きで、得意。
そんな人が多い。
でも施設では料理をする機会がほとんど皆無。
火傷するから、手を切るから、食べ物とわからないからなど。
色んな理由をつけて、キッチンに入れないように工夫してる。
だったら、リビングでやっちゃえ!と。
調理器具と材料を机の上に持っていく。
「おやつにホットケーキを作ろうと思ってるんやけど、手伝ってくれる?」と。
卵を割って混ぜる。
粉に卵と牛乳を入れて混ぜる。
「もうちょっとゆるい方がええんちゃうか?」
「卵こんだけでええんか?」
とか言いながら。
「硬いわぁ。」
と言って、缶切りでフルーツ缶をゴリゴリ開ける。
「こんな感じでいいかなぁ。」
「もうちょっと小さい方がええか?」
などと言いながら、まな板にフルーツを乗せて包丁切る。
で、ちょっとつまみ食いしたり。
「あ~、○○さんつまみ食いしてるぅ!」
普段ほとんど食べない人も「パクっ」てつまみ食い。
ホットプレートを温めて、人数分を焼いていく。
料理に参加しない人も、出来上がりを楽しそうに眺めてる。
世話好き
焼きあがるとお皿に盛り付け。
「こっちが少ない。」
「こっちのお皿まだやで。」
「これできたで。持ってってあげて。」
「あの人まだやで。」
と声をかけあいながら、配っていく。
多めにできた時は、大皿にのせて机の上に置いておく。
「もう少しいるか?」
「じゃぁ、1つだけもらうわ。」
「美味しいわぁ。」
その声に、作った人も誇らしげ。
片付け上手
食べ終わると、やっぱり机や床が汚れてしまう。
で、机を拭くのが好きな人に布巾を渡す。
「こうやって拭いて欲しいねん。」と。
そうすると、何度も何度も磨くように机を拭いてくれる。
中には自発的に床に落ちてしまったものを拾ってくれる人も。
「ゴミ箱あっちにあるで。」
と声をかけると、ニコっとして「ここか?」と言って捨ててくれる。
私は道具と材料を用意して、手順を伝えるだけ。
あとは、お茶の準備と洗い物と、おしゃべりして見てただけ。
マンパワーが9人あるって、すごくない?