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そうかい、徘徊?、はいそうですかい

気分転換に散歩でもしようかなぁ。
でも、どっこも行くとこないし。
と、近所の公園を一人でうろうろ歩くことがある。
私にとっては「散歩」だけど、認知症グループホームではこれを「徘徊」という。

一人で外出できないから

施設に入所すると、一人では建物の外にすら出ることができない。
誰か介護職員と一緒でないと、外を歩くこともできない。
個室とリビングとトイレ。たまにベランダ。
この空間が1日、いや毎日の全て。

だから、食事とレクリエーションなどの時間以外は、じ~~っと座ってるか、部屋に入るか、廊下とリビングをウロウロ歩くか。

会話できる人も中にはいるけど。
「お茶しておしゃべり♡」なんて、けっこうハードル高い。
そんな環境、誰でもウロウロしたくなるんと違うんかな、て。

掃除してるんですけど

「あ~、あかん!」
「そんなことしたら、ダメですよ。」
大きなソファをギーって引きずってみたり、椅子の背を持ってギシギシ音をたてながら廊下を往復していたり。
杖を上下反対に持って、床をクルクルしながら廊下を何往復もしていたり。

「掃除してるんですけど、何か?」という表情をする。
だから、「掃除してくれてるの、有り難う。
こっちのモップでお願いしていい?」とフローリング用のワイパーを手渡す。

そうすると、ワイパーで廊下や床を掃除しながら歩いてる。
そして他の人からも「ありがとう!」って言われるの。
同じことをしてても、持ちの物を変えるだけで、見方が変わる。
不思議( *´艸`)

とにかく、落ち着かないんです

中には、就寝時間帯に部屋から出てきて廊下を歩く人もいます。

部屋に一人で居ることが落ち着かない。
何か嫌なことを思い出したりして、不安やイライラを解消している。
ここがどこか分からない。
とにかく外に出たい。
かまって欲しい。
トイレを探している。

理由はそれぞれ。
そんな時は、とりあえずその人が好きな飲み物を100~200ccくらい飲んでもらいます。
そうすると、部屋に戻ってゴロンって眠りに入る人が多いです。
夜間に歩く人の多くは、水分不足からくる脱水症状みたいです。

あ、トイレを探している人にはトイレを案内するだけでOK( *´艸`)

大阪市では「徘徊」は使いません!

私は「散歩」って呼んでるけど、大阪市は「ひとり歩き」という表現を使うみたいです。
「徘徊」の意味を探している時に見つけたの。
ちょっと嬉しかったりする( *´艸`)

#未来のためにできること