見出し画像

二つの洗濯機

認知症グループホームには、洗濯機が2つあります。
入居している人が9人やしなぁ。
使う人が多いからかなぁ。
と思いきや、
「こっちが汚染。
こっちが違うやつ。」と説明を受けます。

汚染って?

「汚染」
なんか嫌な表現やなぁ、と未だになじめない言葉。
認知症グループホームでは、尿や便がついた衣類やシーツ、靴などのことを「汚染(物)」という。

洗濯のやり方

尿がついている方は、大きなバケツに入れて衣類用ハイターでつけておく。
2時間ほどしたら洗う。
便がついている方は、爪ブラシのようなもので汚物を取り除く。
あとは尿の時と同じ。

注意する点は、ポケットやパンツに紙が入ってたら取り除くこと。
尿とりパッドやリハビリ用パンツを一緒に洗ってしまわないこと。

ピコの日

高齢になると便秘がちになりやすく、下剤を服用してる人も多いです。
私が働いている施設では「モビコール」や「ピコスルファートナトリウム(通称ピコ)」を服用しています。

排便の状況をみて「ピコ」を服薬します。
夜勤で入るとき「今日ピコいったでぇ」と言われたら覚悟します。
夜中に排便あるで、という意味です。

3人はキツイでぇ

夜勤は1人なので、入居している人の排便の日が夜に重ならないように介護職員同士で「ピコ」を調整するのですが、そこは人の体。
どうしても重なる日もあります。

ベッド上でゆるゆる便がシーツまで。
トイレ誘導している時に間に合わず、パンツもズボンも廊下まで。
トイレは間に合ったけど、「なんじゃこりゃ~!」と言って便を掴んだり。

夜間帯、排便が衣類などについたら、更衣、体を拭くか洗う、洗濯、掃除のフルコースを1人でします。

なので、3人当たった夜勤の人は、朝くる介護職員にとっても労われます。「3人はキツイで。」
「まじでぇ!当たりやったなぁ。」
「宝くじでも買おか。」
「ウンついとるもんなぁ。
あと、洗濯しとくしおいときやぁ。」

朝来た職員は、たくさんのバケツに入った衣類なんかを洗濯します。
仲間がいるっていい( *´艸`)

ウンチはなかなか落ちません

「わ~、やってしもたぁ。」
洗濯機がワカメやコーンなんかのカスだらけ。
しっかり便を落としたツモリ、でもどこかについたまま洗濯してしまった。
そんな時は洗濯物についたゴミを払って、ネットに入れてもう一度洗います。

すぐ洗わないとシミになってしまう。
頑張って1日中ハイターにつけることもあるけど、手ごわい。




#未来のためにできること