カンボジア日系商社_やってよかったこと

ナショナルスタッフの採用要件を3つに絞ったら劇的に生産性が上がった

当社の、カンボジア人の採用活動における過去の課題を共有し、それをどのように改善していったかについて数回に分けて書きます。

カンボジア日系商社S.E.A.T.S Inc.の峯島です。

当社は現在、S.E.A.T.S Inc.のヘッドオフィスとしてはカンボジアメンバーが25人程度と、日本人は自分を入れて4人で運営しています。

カンボジアで事業を始めて7年目になりますが、企業はヒトが全てだということを痛感した幾つかの経験を経て、バスに乗っているヒトをどうにかするよりも、誰をバスに乗せるか、が本質的に重要だと気付きました。要は、組織に合わないヒトに注力するのではなく、最初の採用段階でしっかりと見極める、ということです。


それまでの採用フローは、

1.  Job announcement作成
2.  求人: 求人サイトや人材会社からの紹介でCV(履歴書)を獲得
3. 書類審査: CVを一枚づつ確認して職歴、学歴、cover letter等を総合的にみて面接したい候補者を選択
4. 一次面接:基本的な受け答えや英語力、勤務条件確認及び質疑応答
5. 二次(最終)面接:意思確認
6. 試用期間開始(3ヶ月)

というものでした。

この方法での問題は主に工程の3以降にあり、

<従前の採用プロセスにおける課題>
1. 最初から時間を割くべきではない候補者(アポイントメントを無断欠席する、マスト要件に満たない)に手間取られる
2.
 面接の工数がかかりすぎる
3. 試用期間で期待通りのパフォーマンスを出せるヒトが少ない

ということが挙げられました。

時に時間を割いて、日に5人6人と面接することも有りましたが、良さそうに思える方でも、試用期間開始後に期待通りのパフォーマンスを発揮できる方の割合は、感覚的に50人面接して1、2人いればよい、というものだったと記憶しています。


当社は、カンボジアの若い英語人材にこの国の潜在力を見出しており、中長期的な事業展開を前提としています。

そう考えると、中途採用の即戦力人材(この国にはそもそも少ない)を採用するよりも、新卒レベルの人材母集団の中からポテンシャルの高い人材を見極めて、数年かけて育て上げることが重要です。そしてそれは、将来的な当社の競争力の源泉になると考えています。

そこで、以下のような求める人材要件を設定しました。

<求める人材要件>
1.基礎的な算数の演算能力と地頭力を備えていること
2.
英語でのコミュニケーションが十分に取れること
3.
行動指針を理解し実践できること

逆に、上記以外の要件は基本的に一切不問とし、基本的には専門的スキルが必要な人材を採用したい場合にも一旦は間口をひとつにしました。ビジネスパーソンとしての基礎体力>専門的スキルという認識で、必要な人材は自社で育て上げるという、急がば回れというべき方針で人材採用を進めることにしました。

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この記事では、従前の採用方針から現在の採用方針への変更とその背景について書きました。次回は、どうしてカンボジアではこの方法がワークするのかについて、より詳しく書きたいと思います。



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