カンボジア日系商社_やってよかったこと

試用期間の最初の3分の1の考え方を変えるだけでこれだけ採用が上手く行くようになった

カンボジア日系商社S.E.A.T.S Inc.の峯島です。

本記事では、カンボジア人メンバーの採用に関する記事の最後に、研修期間の最初の一ヶ月間に設定しているトライアル期間について書きたいと思います。

<要点>
・正規雇用の前の、試用期間の前、に「トライアル期間」を設けている
・面接段階から事前に口頭と書面で説明して候補者と認識をすり合わせる
・トライアルメンバーの頻繁な出入りは "当たり前" という社内理解も大事

 
前回の記事では、ペーパーテストが採用フローにおいていかに効果的だったかについて書きました。

▼前回の記事


ペーパーテストを受ける候補者の数さえ確保できていれば、「実際に働いてみる」というステップに進む候補者の数も同時に増えていきました。

すると、試行回数が増えたので当然なのですが実際に、試用期間の3ヶ月を待たずして辞めていくケースも増えました。

理由の例としては、マネージャーの期待値に満たなかったり、より志望度の高い会社に内定したり、中には学業と両立できる前提で入社(カンボジアは4年生大学でも夜間のみのコースで一般同様に卒業できる)したものの実際には難しかった等、様々です。

辞めていくこと自体はやむを得ないことなので基本的に尊重姿勢ですが、たとえ新人だとしても「同僚が辞める」ということが頻繁に起こると、同年代の既存社員のモチベーションにも一定の影響を与えていました。つられて辞めたいと言い出す社員や、露骨にマネージャーを批判して志気が乱れることも有りました。

私は「メンバー全員が自分の意志で楽しく働く」ことが何よりの前提であり、それができないならば候補者と会社の双方にとって不利益なので関係解消した方がよいと考えています。それ自体は、双方がより良い方向に向かうという意味でネガティブどころかむしろポジティブな行為だと思います。

ただ、試用期間内で関係解消となる理由も個々人に異なり、事前に予測することも難しいです。そこで最初から、「 "楽しんで働けるか" を候補者と会社の双方で確認する期間」が必要だと考え、「トライアル期間」を設けました。

<トライアル期間>
・勤務開始から最初の1ヶ月間
・双方の確認のための期間
    ∟候補者側: "期待していた環境と乖離がないか" 
    ∟採用側:"候補者への事前の期待値と大きな乖離がないか"
・ルール「候補者/会社の双方共に期間中はいつでも申告し、最短で当日から関係解消できる」
・1ヶ月が過ぎたら自動的に試用期間(2ヶ月間)に入る
・給料は
試用期間給与として採用時に合意の内容で通常通り支給


トライアル期間はあくまでもトライアルであり、試用期間よりもよりライトな位置づけです。"入社" というほどでもない確認期間なので、関係解消になったとしても想定の範囲内で、"辞める" というほどの大事ではありません。

このことを、候補者に対してはあくまでも「採用フローの一部」という認識で、ある種のインターンシップのようなものと捉えてもらえるよう、事前に説明しています。

また社内の既存メンバーに対しても同様に説明しました。社内に関しては、同期間の導入当初こそ少しざわつきました。が、回数を重ねるうちにやりたきことへの理解が浸透し、今ではトライアル期間の候補者が突然不在になっても、特に疑問を持つメンバーはいなくなりました(はず)。

※仮に候補者が定着しないケースが続くとすれば社内の別の問題です。

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このようにして、CV(職務経歴書)受領からトライアル期間を経て試用期間に入るまでの候補者数を増やせるよう実行しています。新卒レベルの英語人材をできる限り多く採用していけるよう引き続き改善していきます。

また、トライアル期間においては、実際に将来会社に成果をもたらすような「自力で生産性を上げていけるヒトかどうか」という観点で実施しているシンプルなトレーニングがあります。それは当社の行動指針にも関連することなので、また別の機会に書きたいと思います。





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