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開業資金の融資は地銀で決まり。

 日本政策金融公庫(以下、国金)の金利は低いし、商工会議所の紹介や、事業計画書を提出したら大きな金額でなければ比較的借りやすいでしょう。

 それに対して、地方銀行(以下、地銀)は国金に比べると多少だが金利も高くなってしまうし、個人の生き方が見られると言っても過言ではない。

 A,金利は低いし借りやすい国金。
 B,金利は高いし借りにくい地銀。

 普通ならAですよね。


 実際、僕も現在は国金と地銀両方に融資を受けている。しかし、過去の僕に戻っても僕は地銀を選択する。絶対に。


国金で融資を受ける意味

 まず誤解しないでほしいが国金が必ずしもダメではない。むしろ都会なら国金の方がいい可能性も十分にある。簡単に国金のメリットは以下のとおり。

メリット

・金利が多少だが低い
・商工会議所で相談すると詳しく教えてくれる
・申込用紙に合わせて事業計画書を作成できる

 いいですよねぇ。借りやすいし、金利は低いし、もう国金で申し込みしちゃおうかなって思いそうですけどちょっと待ってください。やっぱり国金にもデメリットもあります。

デメリット

・融資を受けるまで比較的時間がかかる
・融資が実行されたらあとは返済するのみ
・返済が滞る次からはどんな理由であれ、非常に借りにくい

 どうですか?これでも国金を選択しますか??
ん?ピンとこないですかね?では、1つずつ説明しましょう。

 融資までのレスポンスの速さはそこまで気にしない人も多いかもしれませんが、初期資金が本当にない人にとっては死活問題ですよね。もう不動産契約も済ませてるのに融資の実行は2カ月後です。とか言われたら家賃はどうしましょう??改装資金は後払いでいい場合が多いですが機材の購入や仕入れは基本先払いです。そこで、
「融資がまだおりていないので待ってください」なんてほとんど通用しないですよね。

 次に融資を受けた後の問題です。融資実行までに担当者が付くのですが、基本的にやり取りはあまりありません。会うのも融資の相談をしてから面接を含み、1度か2度です。ここが非常にポイントです。のちの地銀のメリットで比較しながら詳しく説明します。

 最後の返済が滞った場合ですが、一度遅れたぐらいではそこまで問題ではないです。(すぐに滞った分の返済を済ませたら)
 しかし、2度3度、滞った場合は一発退場です。


地銀は借りづらい??

 では逆に地銀の場合を見ていきましょう。まずは地銀のデメリットから紹介します。

デメリット

・金利が国金に比べると多少高い場合がある
・借りるのに多少ハードルが高い

 やはりちょっと難しそうに感じますね。まずは金利の話です。意外と知らない人が多いけど500万の融資を受けてどうなるか簡単に元利均等返済で計算してみると

金利が1.6%で7年返済した場合に金利の総支払額は288,577円。

金利が1.8%で7年返済した場合に金利の総支払額は325,356円。

 0.2%でおよそ36,000円の差です。1年で見ると5,000円ほど、月では400円ほどです。これが高いと感じるか安いと感じるかです。たしかに、飲食店で400円の利益を出そうと思えばそれ以上の売り上げが必要になります。(詳しくは別記事で)

 この問題に関してはメリットで深掘りします。

 次にハードルが高いかどうか。まず担当者にメチャクチャ色々聞かれます。そして、誰の紹介とかも関係なく無理な場合はあっさりと断られます。さらに、今までの経歴や金融情報、現在の金融情報も全て見られます。他に借り入れがないか。支払いが滞ったことがないか。携帯等の公共料金にも厳しいです。
 それでも、しっかりと考えていることや普通に支払いをしている方であれば十分に借りられます。


やっぱり地銀

 そして気になるメリットです。

メリット

・担当者がついてサポートしてくれる
・融資実行後も銀行とも担当者とも話ができる
・支払いに困ったときは追加融資も可能

 どうですか?説明する前から何だか良さそうな気がしますね。では1つずつ見ていきますが、同じような内容です。

 担当者がつくことが結局一番のメリットであり重要なポイント。銀行に融資の相談に行くと必ず融資担当者が話を聞いてくれます。そして、その担当者は転勤がない限り継続して担当してくれます。
 つまり、金融のプロがずっと相談に乗ってくれる。これ以上のメリットがありますか?

 事業計画を根掘り葉掘り聞かれる事もありますが、それぐらいは答えられる準備はしとかないとなんとなくでお店なんて成立しません。根拠となる理由も大事ですが一番は想いです。相手も人間です。臆することなく、隠すことなく全て話して信頼を勝ち取って下さい。

 融資実行後、必ずしも事業がうまくいくとは限りません。経営の仕方が悪い場合もあります。天災や人災で一時的に経営不振に陥る場合もあります。そんなときは担当者に相談(説明)したら必ず力になってくれます。追加融資がいいのか、借りなおして支払い額を抑えるのがいいかなどアドバイスがもらえます。

 さらに、信頼を築くことでその人やその銀行の人たちがお店に食べに来てくれます。ここがまたポイントですね。

 金利が国金より少し高いので月々の支払いが少し増えるけど銀行員さんが食べに来てくれたらそれ以上の価値があります。

 インターネットで食材を安く仕入れることもいいですが、近所の市場や八百屋さんで仕入れて絆を結べば一緒に頑張ってくれる仲間となり、応援してくれるファンになります。

まとめ

 地銀で開業の融資を受けて自分のファンになってもらい応援してもらう。近くの卸業者にも同じでファンになってもらう。一度ファンになってもらえば簡単には離れません。
 そうやって、自分のファン、お店のファン、信頼を築くことがこれからの世の中に必要なことなのです。

 IT化が進み、機械が進出してきても人と人の信頼はなくなりません。

1人で開業して、ずっと独身生活を送ってきたので全て1人でできると思っていました。しかし、従業員、嫁に支えられ、今では子供にも支えられている気がします。1人の力には限りがある。1人でも応援してくれる人がいればずっと頑張れるんだと自覚しました。よかったらサポートしてもらえませんか。