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アドビのコミュニティマーケターの2023年は「ユーザーコミュニティ活動で企業の成長をリードする」【前編】

※このブログは、コミュニティマーケティングAdvent Calendar 2023 の12/25分のエントリーです。

こんにちは、アドビの松井真理子(まつい・まりこ)です。
私がAdobe Experience Cloud 製品のデマンドジェネレーション担当マーケターとしてアドビに入社したのが2020年の3月。Experience Makers Liveという多くのユーザーにご登壇いただくオンラインイベントの実施から、アドビでのコミュニティマーケティングのキャリアが始まりました。

全員遠隔で実施したオンラインイベント

イベントとなるとスピーカー選定に苦労するところですが、アドビに入る前からアドビのコミュニティにユーザーとして携わっていて、また入社直後からアワードプログラムも走らせていたため、スピーカー選定にはさほど苦労した記憶はありません。各ユーザーの強み、どのようなコンテンツをお持ちなのか、これからお客様となるマーケターへ届けたいメッセージは何なのか? が、そもそも頭に入っていたからです。

あの頃は、これがコミュニティマーケティングだと理解していなかったし、このディレクションとユーザーへのスピーカー依頼を自らできることが、私のコミュニティマーケティングの強みだとも全く思っていませんでした。

アドビの2023年は2022年12月から始まりました。本ブログは、同月5日に対面ユーザー会(以下、User Group)を4年ぶりに開催したことから始まり、駆け抜けた私のコミュニティマーケティング2023を振り返ります。


ユーザーコミュニティを通じてファンを創出する大きな戦略変更

2023年度の私たちマーケティングチームは「Community-Led Growth」という戦略を掲げてスタートしました。

これまで実施してきた、新しいリードを獲得するためのマーケティング施策への投資は最小限にし、Adobe Experience Cloud製品を導入しているユーザーをコミュニティを通じて成功に導き、継続的に活用していただく。そしてアドビのファンユーザーを創出し、プラスアルファの製品を導入していただく。

そして、そんな成功しているユーザーとコミュニティを通じて出会った別のユーザーが「それって良いものなの?」と、新たな商談につなげていくことを想定しています。

これは大きな大きな戦略変更で、私たちのチャレンジでした。しかし限られたリソースをどこに投下するべきか、2022年後半にチームで話し合って決めスタートしたのです。

大きな戦略変更をしたと思っていたのですが、実際に動き始めようとすると私自身は入社以来、一貫してCommunity-Led Growthを実施していたんだと気が付きました。

ユーザーにとって有益な価値体験とは何なのか? 成功しているユーザー事例をターゲット層に届けるにはどうしたら良いか? というユーザー中心の考え方。

コミュニティへの投資がサブで日の目を浴びていなかったこの考え方が、今年度は主業務になったのです。『もしかしたら私がずっと実施してきたことが、ユーザーをはじめ、営業、カスタマーサクセス、マーケティング部門の役に立てるのかもしれない。』そう感じたFY2023のスタートでした。

MUG Dayやユーザー分科会など、対面でのイベントが次々に復活

2022年12月5日、4年ぶりに対面でのAdobe Marketo Engage User Group Day(通称MUG Day)を開催。2019年までは年2回対面で実施してきたMUG Dayというユーザー総会が帰ってきました(2020〜2022年はオンライン実施)。私が試してみたかったことと思いを詰め込んで。結果、約300名のユーザーに参加いただき、刺激を受けたユーザーから多くのポジティブなフィードバックを得ることができました。

この日は、『ビジネスも人生もグロースさせる コミュニティマーケティング』という書籍の内容を盛り込み、2022年9月に初めて参加した「【リアル開催】CMC_Meetup Tokyo」で刺激を受けた仕掛けである、ハッシュタグ(#アドビMUG)を作って皆さんがアウトプットできる状態をつくることも取り入れました。

対面のMUG Dayで価値体験を提供できたことで、ユーザーから『こんなユーザー分科会やりたい!』の声を多くいただけました。
既存のユーザー分科会6つに加えて、新たに3つのユーザー分科会(Adobe Marketo Engage User Group 通称MUG)が立ち上がり、さらにスポットでさまざまなMUGが実施されました。

新設:DKETO MUG – Adobe Marketo Engage × Dynamics 365
新設:Healthcare MUG – 製薬系 
新設:Tokai MUG – 東海エリア 分科会
スポット: B2B女性マーケター MUG
スポット:採用マーケティング MUG
スポット:HR MUG 
スポット:分科会共同企画 – デザイン思考ワークショップ
オンラインの活動も完全にオフラインにシフトし、オンラインよりも多いペースで開催していた1年でした(2023年の開催実績は50回、毎週実施のペース)。

アドビの目指す方向性を改めて考えた「Adobe Summit」

2023年3月、4年ぶりにラスベガスで対面のAdobe Summitを開催しました。
Adobe Summitとはアドビが年1回開催しているフラッグシップイベント。最先端のデジタルマーケティングテクノロジーに関する情報を発信しており、毎年Adobe Experience Cloudユーザーを中心に世界中のマーケターが集まります。

2019年までの規模感には戻りませんでしたが、ご一緒したユーザーから「アドビさんってこんなソリューションもあるんですね」というお言葉をいただきました。

確かに、ユーザーの方にはご利用いただいているソリューションの話をすることはあっても、アドビの全体感やそれぞれのソリューションが融合したアドビが目指す方向性、ほかのソリューションを使っている事例などをきちんとお届けしていなかったかも……。
Adobe Summitで多くの新しい案件が生まれるのはそういうことか、と納得と反省のきっかけになりました。

コミュニティを通じて実施したイベントに手応え 

Adobe Summitから帰国直後、既存顧客からのクロスセルを目的としたクローズドなUser Groupを屋形船で実施しました。


その名も『Adobe User Group Summit Insiders OEDO B2Bマーケティングの最前線』

屋形船の名前が“大江戸”だったのでこんなタイトルになりました。屋形船で実施するというアイディアは、2023年1月に参加したCMC_Meetup Vol.25貸切屋形船でコミュニティマーケティングを語る夜を参考にしています。

具体的な企業や団体をターゲットに対して戦略的にアプローチするABM(アカウントベースドマーケティング)の必要性はずいぶん前から言われていますが、私たちのようなエンタープライズ向けのソリューションは、ABMの考えからさらにもう一歩踏み込んだBuying Group(購買グループ)の把握が必須です。

例えば、マーケティングオートメーション検討部隊がマーケティング部門といった事業部であったとしても、CMS(コンテンツマネジメントシステム)検討部隊はコーポレートPR統括部のような全く別部門だったりします。
今年度は、現在何かしらの製品を導入している企業の別検討部隊の把握と、そこからの案件創出が急務でした。そのため、私たちはコミュニティを通じて何ができるか、かなり頭を悩ませていたのです。

そうして開催を決めた屋形船でのUser Groupでは、テーマを「B2Bマーケティングの最前線」とし、現在MA(マーケティングオートメーション)をご活用いただいていているユーザーに、「Adobe Summitに参加したユーザーからの最新情報が聞けるのでぜひ参加しませんか」と、CMS検討の責任者を一緒に連れてきていただけるよう呼びかけました。

屋形船の中は座敷になっていて、ユーザー同士の距離が近く、カラオケ用のディスプレイとマイクがあるのでプレゼンの場も作れます。乗船中の2時間半の中でネットワーキングもでき、かつ食事がコースで出る&水上から眺める夜景という特別感。

おかげで当日は、各社のネットワーキングが非常に活発でした。営業担当者も同席してもらうことで、これまでタッチポイントがなかったユーザー企業の他部署の方ともつながりができ、案件創出に寄与できたのではないかと思っています。

乗船したマーケティング&営業メンバー

そんな充実した夜の約1週間後、今度は100名招待制のAdobe User Group Dayを開催。プロダクトの枠を超えたアドビソリューションを導入しているユーザーを中心に招待し、ビルボード東京で実施しました。

ここでも『アドビさんってこんなソリューションあるんですね』との声があり、新たな案件創出につながっています。

なお、なぜビルボード東京で開催したかというと、せっかく対面で実施するなら記憶に残る体験をお届けしたいという思いから、スピーカー登場を生バンドのアタック演奏で演出し、音を体で感じていただく演出にしたかったからです。


Adobe User Group の詳細はこちら

<後編に続く>


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