マインドフルネスとは

2021年5月より、Institute for Mindfulness-Based Approches(IMA本拠地ドイツ)と提携し、日本国内で初となるマインドフルネスストレス低減法の講師養成プログラムを実施いたします。今回は、IMAの創始者、リンダ氏による「マインドフルネスとは」についてのインタビューです。

(翻訳)

【マインドフルネスとは】

マインドフルネスという言葉には、 さまざまな新しい定義があるのですが、私はすでに定義されているものについて お話ししたいと思います。
ジョン・カバット・ジンによる定義が非常にわかりやすいと思います。

そのまま正確に引用すると、彼は、「マインドフルネスとは、意図的に、今の瞬間に、判断を加えずに注意を向ける力である」と言いました。
そして、少し後に、ここに 「やさしさを伴って」と付け加えました。
その定義を分解すると非常に 興味深いことがわかります。

まず「マインドフルネスは力である」 ということについてですがここでいう力とは、誰もが持つ、 マインドフルネスを体験する内なる力または機会、を意味します。 そして、実は、その力は誰にでも生まれつき備わって いるものであると思います。しかし、成長して人生が複雑になると、 私達の注意は散漫になり、様々な欲求が生じてきて、 自らの持つその力から遠ざかってしまうのです。
子供を見ているとよくわかるのですが、 彼ら/彼女たちは、起きている事がらに対して 自分の全てで向き合っています。ですから、その力とは、 再び育てることができ、また、つながることのできる力です。

ここで、一つ重要な側面に 触れておきたいと思います。
「注意を向ける」力についてです。
「注意を向ける」とはどういう 意味でしょうか。
実は、多くの研究や毎日の生活の 観察を通じて、私たちが今この瞬間にあることは、非常に まれなことであることがわかります。
あるときは未来にいます。
あるときは過去にいます。
しかし、まさにこの場所、 この時にあるということは、考えるほど当たり前のことではありません。
本当にここにあって、 起きている物事に接しているということであれば、 そのような態度は、私達に生きる力を与え、命を救うことになる といっても過言ではありません。
それはなぜでしょうか?
私たちは、本当は、今この瞬間を 生きることしかできないからです。
私達は行動し、人や物事に接し、 そして自分や他者を助けるための強固な土台を形成します。
しかし、物事との接点がなければ 何が起きているかはわかりません。
自分たちの中で何が起きて いるかがわかりません。
そして、他の人に何が起きているかを 明確に知ることもできません。

いまの瞬間に「意図的に」注意を 向ける力、つまりマインドフルネスは、何があるかを忘れたり全ての困難を 忘れようとしたりして、ユートピアにいるような、 呆けているような状態をさすのではありません。
実際のところは物事に対する気付きがなく、 意識がさまよっていることに気づくことです。 そのことに気づくことが、自分を観察し、より明確に物事を 洞察することができる
能力を育てることになります。
そしてそのことが、 意味や目的を持つ人生、他者の役に立つ人生を送るために 非常に重要なツールとなります。

「判断を下さずに」
これは最後の部分にあたります。
マインドフルネスは、いまの瞬間に、 判断を加えずに、意図的に注意を向ける力です。
とても複雑な言葉で、 様々な意味を持ちえます。
その中で、私が強調したいことは、 判断というものは私たちの注意の焦点を狭めてしまうので、判断を下さないことにより 実際に起きていることを広い目線で見ることが できるようになるということです。
もし、自分を幸せにするか不幸に するかを基準にして物事を判断するならば、ものの見方が とても狭いものになります。
そうなると、自分が好むものに 近づき、好まないものを向こうへ押しやるようになります。 そうして、存在の豊かさとその可能性を非常に 限定的なものにします。
マインドフルネスは私たちが判断をする助けとなります。私たちの他者との関係性において助けになります。マインドフルネスは仕事生活の中で 私たちの助けになります。
なぜならいま話してきたような 方法で私たちはマインドフルでいることができるからです。
「判断をしない」ということが どういうことであるかについて他の定義の仕方もありますが私がいま話してきたことは とても実践的で、多くの人が理解できることだと 思います。
ですからマインドフルネスは 判断を加えず、やさしさを伴って、今の瞬間に意図的に注意を 向ける力なのです。

26年以上、私はマインドフルネス ストレス低減法(MBSR)を教えてきました。ほとんどの参加者が、 プログラムを通じて、以下のような感想を述べています。
それは、受講者たちが、 自分の人生の中で最も重要な人、すなわち自分自身に対して、 どれだけ厳しい態度を取り、判断を加え、不親切であったか ということがわかった、ということです。
そして、親切さや、 やさしくサポートする気持ちで自分とともにあろうとする態度に 再びつながることにより、その態度は自分自身に対して のみならず、他の人に対しても波及していくものです。 そのことが育っていくのを見ることはとても すばらしいことです。

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01_マインドフルネスとは
02_マインドフルネスの講師になるということとは?
03_IMAによるマインドフルネスストレス低減法(MBSR)のトレーニングの特長
04_Institute for Mindfulness-Based Approachについて

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International Mindfulness Center Japan ウェブサイト

2020年6月30日(予定)よりOnline MBSR 8 weekコースを開講します。お問合せ、詳細はこちらからご覧ください。

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