なぜ子供が言うことを聞かないと怒りが生じるのか?
マインドフルネスの瞑想は、自分の心の動きに気づき、自分自身を観る実践です。
この「自分を観る」とはどういうことなのか?
自分の中に生じている思考や感情を観察することはもちろん、生じた思考や感情がどこから来るのか?を深堀していくことも観るに含まれます。
例えば、子供が言うことを聞かないから怒りが生じたとします。
この怒りはどこから来たのか?
「子供は親の言う事を聞くべき」という思い込みがあるから怒りが生じたのか?
「言うことを聞かないとロクな大人にならない」という心配から怒りが生じたのか?
仕事のストレスでイライラしていたから、怒りが生じたのか?
怒ることがクセになっているのか?
子供が言う事を聞かない→怒りが生じるという条件反射なのか?
など人によって怒りが生じる原因は様々ですが、この怒りが生じる根本原因を具体的に探っていくことが「観る」の第一歩になります。
可能であれば怒りが生じたその瞬間に、自分自身を観るのが良いでしょう。
怒りが収まって冷静になってから、怒りの根本原因を観ていくのも悪いわけではありませんが、怒りが生じた瞬間に観る方が怒りの種を小さくすることが出来ます。
怒りが生じた瞬間に観るを繰り返していると、怒りがあまり顔を出さなくなってきます。
怒りの色がどんどん薄くなるのです。終いには怒り自体が生じなくなります。
大事なのは「今ここ」「今この瞬間」の自分を観ること。
これがマインドフルネスの実践です。
多くの人は「自分を観る」ことが理屈では大事とわかっているはずですが、それを続けることが出来ません。
なぜなら自分を観ることで、嫌な気持ちになったり、モヤモヤしたり、葛藤することになるからです。
自分の心をクリアにするために、心を成長させるためには必要なプロセスです。自分を観ることで一時的にメンタルが落ちるのは普通と考えてください。
現代人は「嫌な気持ちになってはいけない」「ネガティブな感情はダメ」という価値観に洗脳されています。
一時的にでも嫌な気持ちになったり、モヤモヤすることを無意識に避けようとします。
「リラックスするのが良い」という価値観にも洗脳されているため、心地良くなることを重視します。
だから嫌な気持ちに蓋をして現実逃避をする人が後を絶ちません。
あなたのことを想って、面と向かってダメなところを指摘してくれる人よりも、耳障りが良く都合の良い言葉を投げかけてくれる胡散臭い精神科医やスピリチュアルカウンセラーにすがるのです。
やみくもに自分を観ればいいというわけではありません。自分を観ることにはリスクもあります。
自分を観ると、嫌な部分ばかりがクローズアップされる傾向にあります。
なぜなら嫌な自分、卑しい自分、いじわるな自分、自己中な自分、愚かな自分、優しくない自分、嘘つきな自分、口だけの自分がそこに居るからです。
だから自分を観ると嫌な気持ちになるのは当たり前。
しかしそれは必要なプロセスでもあり、正しく自分を観ることが出来ている証拠でもあります。
ただ嫌な自分を受け入れるキャパ(心の筋肉)が育っていないと、そこで生じたネガティブな気持ちに囚われることになります。
その結果、自分を物凄く嫌いになったり、自責の心が大きくなったり、自己否定が強くなったりすることがあります。
自分を観るときは慎重に丁寧に取り組むことが必要です。マインドフルネスの瞑想のように、呼吸や身体を通して行うのがベターです。
特に思春期の子供や精神的に不安定な人は注意が必要です。絶対に独学や自己流で取り組んではダメです。
うつ病が悪化する事例も少なくありません。
本気で実践するマインドフルネスのような自分を観る瞑想より「リラックス」や「現実逃避」を目的とする「瞑想もどき」が人気です。
世間で広がっているマインドフルネスの9割以上が「瞑想もどき」です。
「瞑想もどき」は心地良さしか残りません。やり方も簡単で心が変わった感も得ることが出来ます。
もちろん「瞑想もどき」で心が変わることはありません。その場しのぎです。リラックスするだけ。
精神性が向上することも、悩みや問題が解決することもありません。
逆に悩みが問題が深くなることがあります。「現実逃避」に依存することがクセにもなります。
そんなことはどうでもよく、現代人はとにかく目の前の心地良さを求めるのです。それが悩みや問題をより深くすることであっても。
麻薬みたいなものですね。
心地良さ中毒、現実逃避中毒です。
そういうことを理解した上で「瞑想もどき」に取り組むのはアリです。
時には「リラックス」や「現実逃避」が必要な時もあるでしょう。「瞑想もどき」を全否定するつもりはありません。
しかし自分自身を本当に変えたいと望むのであれば、自分自身と真剣に向き合う必要があります。そのためには本気でマインドフルネスの瞑想に取り組まないといけません。
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