いつまでも雨が降り続いてくれればいいのに。
なんてことはない雨の日の夜。
窓の外に目を向けると、しとしとと雨が降り続いていた。
窓ガラスに当たる雨粒が、小さな音を奏でながら流れていく。
その音は、少なくともあたしには、心地よいリズムに感じる。
ベッドの中で本を読んでいたのに、いつのまにか雨音に耳を傾けていた。
薄暗い部屋の中、暖かな毛布に包まれながら、
雨音に身を委ねていた。
外の世界が雨一色に染まり、
自分だけの時間がゆっくりと流れるその瞬間は、騒々しくて生きていくのがツライ現代社会を生きるあたしに、安らぎをもたらしてくれる。
小説のページにシオリを挟んで、そのまま目を閉じる。
屋根に落ちる雨音を聞きながら、何も考えない瞬間を過ごす。
雨音は、日々の喧騒から解放されたあたしの心を優しく包み込んでくれる。
都会の喧騒や仕事のストレスが、まるで遠い昔の出来事のように感じられる。本当は全然違うし、なんならすぐそこにあるのにね。
雨音に耳を傾けていると、
自分の心の中に静寂を見つることができる気がする。
窓の外では、雨が絶え間なく降り続いている。
目を閉じて、雨音に集中していると
なぜだか雨が心地よい眠りへと誘ってくれるのを感じた。
その夜、あたしは雨音に包まれながら、深い眠りに落ちていった気がする。
気が付いたら朝になっていたから、多分そうだろう。
朝には雨がやんでいて、いつもよりも心なしかキレイな風景が、窓の外に広がっていた気がする。
窓の外の世界……
雨に洗われた街……
見た目だけで、多分中身は何も変わってないんだろうな。
今日もまた新しい1日が始まってしまう。
雨音に包まれた一夜の安らぎが懐かしい。
いっそのこと、いつまでも雨が降り続いてくれればいいのに。
いつまでも、雨が降り続ける中、
ぬくもりを感じていたい。
※画像はみんなのフォトギャラリーからお借りしました
ステキな画像をありがとうございます。
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