【読書メモ】ラフカディオ・ハーンの怪談。耳無し芳一の「耳を取られる」って、聴覚を奪われること?
ラフカディオ・ハーンの「怪談・奇談」を読み始めました。
日本中の妖怪やら土地に伝わる話を集めた42篇。
最初にあったのが耳無し芳一。
だいたい自分の知ってる、皆様も知ってるであろう筋書きだったけど、改めて読むと耳をとられる前に、芳一って視力がない超絶技巧のストリート琵琶シンガーソングライターなんですね。その時点で物語を感じた。
現在でも盲目のピアニストがいる。視力がないかわりに他のスキルを常人以上に高めたひとたちがいるのを知ってるから、まず芳一に視力がないことで、実在のモデルがいたのかな、と実体感がほんのり濃く読めた。
芳一は平家の怨霊をなぐさめる唄をうたって、やがて死霊の元へ連れていかれそうになるのだが、全身にお経を書かれて怨霊からは不視になる。
怨霊は、芳一を探したということを皆に伝えるためにお経を書き忘れた耳を持って帰るんだけど、それは合戦のときに討ち取った相手の体の一部を持って帰る習性?みたいなものから来てるのか。
いやそもそも、耳を取るって単にピアスができなくなるようにされるだけなのか?
僕ははっと気づいた。
耳無し芳一って、視力のない歌い手が技巧を高めた結果、聴覚も奪われる話なのか?耳を取られたってそういう意味か!
と思ったら、べつに聴覚は大丈夫で、怨霊にやられて痛かったけど我慢したからその後も活動は続けました、って話なの。ぼんやり知ってる話だし、ひとつ4ページほどで読めるからいろんな解釈ができてすごく面白い。
「のっぺらぼう」が人を脅かして、脅かして助けを求めた先の人も顔がないって話があるけど、この一瞬ふつうの人と見せかけて出るのは口裂け女のパターンと同じだからどっかで混じったんだ!とか想像したり。「ろくろ首」は胴体と首が完全に分離してて顔だけが袖にかみついて離れない。ろくろ首は女のイメージだけど、これには男女いる。どこでイメチェンしたんだろう。
円城塔さんの翻訳で出たばっかりなのを今知った。ためし読みではそこまで違わないようだけど。。。表紙がいいやつがいちばんいい。僕の持ってるのはファイナルファンタジーの天野喜孝さんの雪女?が描かれているやつ。
読んでくれてありがとうございます。 これを書いている2020年6月13日の南光裕からお礼を言います。