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久しぶりの砂漠 エジプト #1

「みなみさんエジプト行きますか?」
 
一時帰国中、おばさんの車で首都高を走っていた時、友人?から連絡がきた。一つ返事で「行きたい!」と答えた。答えてしまった。のだ。いつもその繰り返し。旅の前には必ず後悔して、旅の終わりはいつも来て良かったと感じて帰る。
 
その時、横で運転してくれていたおばさんもエジプトに行ったことがあって「すごくよかったよ」って言うじゃない。
 
最近、日本とプラハを行き来しすぎていて、心が悲鳴を上げている。
外に目を向けすぎていて、プラハでの暮らしがいつも一時的なものになってしまっている。これでプラハを離れるのは最後・・・と言いつつも、また同じことを繰り返し続けそうだ。
 
話は戻し、エジプト。そう明日からエジプトなのだ。1週間。2年前映画祭であった人と旅。よく分からない旅。一瞬準備にエネルギーがかかり、面倒になっていたが、今はワクワクが戻ってきている。
 
一年前、生まれた時から旅をしている親愛なる友人のテクラが、エジプトやモロッコの話をしていて「あれ?なんで私、旅してないんだろう」と思ったのだ。彼女の話を、他人事のように、ワクワクしながら聞いていた自分に気がついたのだ。

昔は色々なところに飛び出していたのに、気がついたら、あまり冒険しなくなっていた。テクラに出会ってから、私もまた冒険することを胸に決めていた。長く付き合っていた、旅嫌いの恋人とも別れたし、私の人生は知らぬ間に刻々と変化している。チェコに住み続けることも冒険のひとつか。
 
さて、プラハで私の心の拠り所となっている友人がいる。ファテマ。大好きな友達でカイロ出身。いつか彼女が生まれ育った場所を見てみたいと思っていた。数ヶ月前ファテマがエジプト料理を振舞ってくれて、これまでに食べたことのない食べ物で、驚いた。そしてそれがとっても私好みだったのだ。
パスタ、お豆、お米、チーズ、ヨーグルトがのっている、夢のようなご飯。ファテマが作ってくれた一つのお皿の中は、私の知らない世界だった。全部、知っている材料なのに。
 
みんなその国のことって、なんとなくイメージがある。その国のわかりやすくて、強く表層的な部分の文化が、遠くの国までたどり着く。ここまで辿り着かないものを見てみたい。
 
エジプトに行って、何をみるのか、感じるのか、楽しみだ。正直どうなるかあまり想像できない。楽しみだ。

p.s.
なんで久しぶりの砂漠かって?
 
高校時代、アタカマ砂漠に住んでいたのだ。チリ。
 
砂漠と海に挟まれた街に住んでいた。朝は波の音で目を覚ましていた。今でも住んでいた部屋を思い出す。ベッドに寝転び、スペイン語の単語を一人で覚えていた。考えてみると、今とあまり変わらない。そんなことを色々な場所で繰り返している。
 
もう10年チリに帰っていない。帰りたい。帰ろうと思えば、いつでも帰れるけど、帰っていない。うまい巡り合わせがやって来なかった。だから今回のエジプトも、誘われたんだからふらふらと行っておこうと。

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