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その場にて 歴史変われど 石の橋 バレンタインは デジタル化だが 

「貰えるだけましなんだ」今年もバレンタインデーにもらったもの。周りのみんなは嬉しそうにしているのに、ひとりだけそうではなかった。なぜならば、誰も信じないけど、3年ほど前にSLチックに未来にタイムトリップしてしまったから。

「未来に来て便利になったのはいいけど、デジタルバレンタインはちょっと」今の時代に来て3年になるが、バレンタインがデジタルなのは正直馴れない。かつての時代にいた時には、たとえ義理チョコのようなものであってもリアルなチョコレートがもらえたのだ。

それが、あの時代から遠未来に転送されてしまい、デジタル化が進みすぎてしまった。バレンタインデーもデジタルでもらう時代となってしまったのだ。忙しい人にとってショップに行く手間がなくなったたと、ある時から急速に広まった風習である。いまではデジタルバレンタインのほうが主流だ。

「リアルでもらえる時代が懐かしい」そう思うと毎年あるスポットに行く。そこは古い街並みを残しているエリアだから、時代が未来になっていても残っている。その場所はかつていた過去の時代よりもはるかに過去に建てられた建造物が並んでいる歴史的な価値の高い場所。

「ここで水の流れがあるのかなと確認したばかりに」道路上にある石の橋や欄干を見てため息をつく。ちょうど3年前バレンタインでリアルなチョコをもらえたことで有頂天となり、ずっと気になっていた橋の下を覗いた。その時に突然何かに吸い寄せられ、気が付いたら未来にたどりついたというわけだ。

「過去に戻りたいなぁ」と思って橋を見る。何度も試みたが無理だった。あれから3年、もうこの時代に対応しているから、再び過去に戻っても逆に不便に感じるだろう。手に持っていたデジタルの機器から見える、「ハッピーバレンタイン」の文字を見ながらもう一度ため息をついた。

 その場にて 歴史変われど 石の橋 バレンタインは デジタル化だが  
(そのばにて れきしかわれど いしのはし ばれんたいんは でじたるかだが)

今回は、毎週ショートショートnoteの企画に参加して短編小説を書きました。(お題:【デジタルバレンタイン】のお題で、【SFチックな】ショートショート)
今日の記事「富田林の谷川橋」を参考にしました。

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