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冬の色 白と決めずに 感性で まもなく消える バス色ありかな

冬の色、この質問に対して、ほとんどの人が「白」と答えるだろう。なぜならば、ホワイトクリスマスという言葉もあるし、地面を白色に染める雪があるからだ。「白の他だっていいのに」そう思った俺は、自分の感性だけで冬の色を見つけようと外に出た。

「冬であと思い出すとすれば、火の色だろう」そんなことが頭に浮かんだ。だとすれば赤色になるか、もしくは柿色がそうなるだろう。だがそれもつまらないと俺は思う。「白よりはましだ」としてもだ。

町の中に他の色はないか見る。見たら紅葉の名残が残っている木を見つけた。「紅葉は火と同じ色、あっそっか」ふと思ったこと。火の色を冬の色にしたくない理由がわかった。晩秋の色といえる色と同じだったからだ。

「もっと、ないかな」空を見る。雲がほとんどない青空。太陽が照り付けているが、冬だからそれでも寒い。
「青はないな」澄んだ空、青でもよかったが、青なら夏のほうが似合っている。だが俺の性格だ。もし今が夏であれば、夏の色として青以外の色を探すだろう。

「あれ、こんなところに?」歩いているとバスが多く止まっている場所に出くわした。「でもこれって」そのバスの色は薄い緑色をしている。確か今年中に営業が終わるバス会社のものであった。
「こんなところに車庫が」と言って車庫と書かれていた看板を見る。「よし、この色を冬の色にしてもいいかな、今年だけ」と定義づけた。

そして、俺だけの冬の色が決まったところで、短歌を詠んでみたのだ。

冬の色 白と決めずに 感性で まもなく消える バス色ありかな
(ふゆのいろ しろときめずに かんせいで まもなくきえる ばすいろありかな)

今日は、こちら小牧幸助さんのシロクマ文芸部という企画に参加しました。

こちらの本日の記事、「富田林の金剛バスの歴史と中野町の車庫」というの内容を参考にしました。

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