見出し画像

ヒマワリへ 行った帰りに 弁当を 気軽に買えて 財布に優し

ヒマワリへ行った帰り道、空腹を感じつつ寺池竜泉は自転車をこいでいた。ヒマワリは石川を渡った東側にあった。急にネットで評判になっていたので思わず暑い中を見に行ったのだ。

財布にお金が入っていないことを知ったのはヒマワリを見た後、近くのクロスモールあたりでお昼を食べて帰ろうと思ったが、財布に入っているのは五百円玉が1枚だけなのだ。「なんとしたことだ、キャッシュカードもクレカも全部忘れてやがる」

今日は休日だった寺池は目が覚めて、スマホをいじっている時にこのヒマワリの話題を知った。思わず飛び起きてそのまま見に行ったから、持ってきたのはたまたまズボンのポケットに入っていた小銭入れだけという。行きは自転車で走ってきたから全くそのことに気づかずに現場に来たわけだ。

「まあいい、無駄遣いはするなという事で」こうして寺池は石川を渡る。近鉄川西駅近くから北上し、富田林西口駅方面に向かう。寺池の住んでいるところは西口駅と富田林駅の中間に位置していた。

「あ、でもお腹空いたなあ」寺池は自転車をこぎながら時折聞こえるお腹からの音を聞きながら、美味しいものがふと食べたくなった。
「家に戻ってお金を取ってからだ」そう自分に言い聞かせて黙々と家に向かって自転車を走らせたが、西口駅の前に来た時にオレンジ色した弁当屋の屋根を見ると、無性に弁当が欲しくなった。

「確かここの弁当は安かったぞ、行けるかな」寺池は500円玉を握りしめて恐る恐る店に中に入る。おにぎりが売っているので、それは間違いなく買えそうだ。だが寺池はおかずのついた弁当に興味が引かれた。

「あ、のり弁が450円なのか。よしこれだ」寺池は、のり弁を手にするとレジに行き、握りしめていた500円玉を手渡した。

「良かった。これで、返ってすぐにご飯食べられる」そう思って前かごに海苔弁当を乗せると最後の日と頑張りと自転車をこぐ、そして家に戻るわずかな時間、思わず短歌が頭に浮かんだ。

ヒマワリへ 行った帰りに 弁当を 気軽に買えて 財布に優し
(ひまわりへ いったかえりに べんとうを きがるにかえて さいふにやさし)

ーーーーーーーー
今日は、こちら小牧幸助さんのシロクマ文芸部という企画に参加しました。

こちらの本日の記事をモチーフに創作しています。

#短歌
#今日の短歌
#小説
#おいしいお店
#シロクマ文芸部
#おれんち
#のり弁
#富田林西口駅前
#富田林
#南河内
#奥河内




この記事が参加している募集

#おいしいお店

17,576件

#今日の短歌

39,568件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?