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振り返る 過去のことなど 忘れたく けど思い出は しばらく残り

振り返る。やっぱり違うと思った。まだ数日前までの記憶が残る駅前広場。今までは同じ色をしたバスが並んでいたが、今は違う。いろんな色をしたバスが止まっている。このような光景はバスまつりのようなイベントでしか見たことがない。

時計を見る。駅を出る電車の時間までは10分近くあった。ICカードで改札目の前のホームの電車に乗るから、ぎりぎりまで改札に入る必要はない。

もう一度振り返る。周りの様子はいたって冷静でいつものようにバスに乗り込む人がいるだけ、バスもいつものように時間が車で止まっている。けれどやはり違う、違うのだ。

「過去の思い出なのかあ」少し前の事だが、当たり前のことが変わっていることに強い違和感があるだろう。いずれ過去のことは忘れ、そのうちこの光景に馴れると思うがそれでも過去の記憶は残しておきたいと思った。「そろそろか」電車の時間が迫ったので改札に入る。ホームに来た時にちょうど電車が滑り込んできた。

そのまま電車に乗る。駅からそれまでとは違った風景をもう一度眺める。それが視界から消えた時、ふと短歌を誰にも聞こえない小さな声でつぶやいた。

振り返る 過去のことなど 忘れたく けど思い出は しばらく残り
(ふりかえる かこのことなど わすれたく けどおもいでは しばらくのこり)

今日は、こちら小牧幸助さんのシロクマ文芸部という企画に参加しました。

こちらの本日の記事、「富田林駅前南口がまるでバスまつり」というの内容を参考にしました。

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