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銀河売り 梅雨雲の上 同じかな 城人たちも 夜空を眺め
銀河売り、空を見ていたある旅人が、ふと頭によぎった言葉である。旅人は観心寺道と呼ばれていた道を歩いていた。現在は富田林駅から、富田林の南端甘南備方面までバスが走っている道が、古の昔から存在していたのだという。道は甘南備からさらに南側、河内長野市にある観心寺まで続いていたそうだ。旅人は古い道、街道を歩くのが好きである。
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「雲の上は、晴れている、その上は宇宙空間、その先にあるのは銀河か」空を見上げると雲が増えている。今は梅雨の最中、先ほどまで青い晴れ間があったように思ったが、もう雲が覆われて晴れ間が隠れ始めた。
「雨が降る、天気予報ではもつと言ってたが」
旅人は中佐備という交差点の前に来た。この交差点は別の瀧谷道と呼ばれていた街道と交差していたらしい。らしいというのはあくまでそういう情報があるだけで、本当のところはこの旅人の知る由もない。
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「この近くに城跡があるそうだけど」旅人は中世のころに佐備城と呼ばれる城跡が近くにあると知ったので見たいと思ったが、空の雲が気になって仕方がなかったので躊躇した。
「今は何もないのだろう、やはり先を急ごう」旅人は断念した。もう一度空を見る。雲は確実に空を覆いつくしていた。
「もし城があったとしたら、城の人たちもこの雲、いやその先の銀河を見ていたのだろう」ここで旅人は思わず短歌を口ずさむ。
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銀河売り 梅雨雲の上 同じかな 城人たちも 夜空を眺め
(ぎんがうり つゆぐものうえ おなじかな しろびとたちも よぞらをながめ)
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今日は、こちら小牧幸助さんのシロクマ文芸部という企画に参加しました。
こちらの本日の記事をモチーフに創作しています。
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