見出し画像

コンパスとコンセプト

こんにちは。いよいよ新年度がスタートしましたね。
花粉もやっと収まってきましたような気がしますが
みなさまいかがでしょう!?

寒くもなく、暑くもなく、虫も少なく、
日が長いこの時期がいちばん好きです。
この時期に大型連休あるのはいいですよね!
(僕は連休は関係ありませんが・・・)


さて、そんな4月の最終日、今回は何を書こうかなと思ったのですが、
デザインの考え方や感覚のことを少し書いてみようかなと思います。


デザインする上でのポイント

ってなんですか?ってよく聞かれます。

僕がものづくりで大事にしているのは「礼節と反骨」なのですが、それはクリエイティブのアイデアや形にする時に考えていることが主でして、デザインのポイントを一般的(全般的)に考えると、「何を伝えるか」っていうのを1番大事にしているかもしれないです。

身近なところだと、写真もそうですよね。何を撮りたいかが明確になるとそれに沿って撮影して、何を見せるかが「何を伝えるか」ということになります。
例えば花を見せたいなら花の近くに寄って周りをボカすとか。
そのためにこういうレンズにしようとか、こういう設定にしようと考えて撮影してその仕上がりが1つの「伝えたい」作品となります。


グラフィックデザインも同じで、ポスターやロゴマークも、その人やその団体が「何を伝えたいか」を見てわかってもらえるようにデザインをします。

そこで、制作のヒアリングでは、何が1番大事にしているかを聞いたりしますが、何が1番好きですかと聞かれても、なかなかとっさにこれと1つで絞れることも少ないのではないのでしょうか。
例えば、好きな音楽は何ですかと聞かれても、状況に寄ったりして違う場合もありますよね。
家でゆっくりしたいときにはスローテンポなジャズかもしれないしクラシックかもしれない。
なんとなく気分上げたい時には、アップテンポなハウスミュージックとかロックとかを聴くことも多いかもしれません。
もちろん、スローなロックやアップなジャズだってあります。

好きな食べ物なんですか?と聞かれても同じですよね。
お肉の気分の時もあるし、麺類の気分の時もある。寒かったらラーメンだし、暑かったら冷やし中華。というように。だから一概に言うのは難しいし、その日の気分でも変わってくるんですよね。

なので、いろいろと聞いて、相手のツボの交差点みたいなのを探りながら自分でその人が大事にしていること、「本質」の部分を見つけたりしていきます。


コンセプトというコンパス

「これ」って言うものに1つフォーカスを当てる。
それがデザインのポイントかなと思います。
例えばログマークの場合、言いたいことを1つのカタチにしてグラフィックで表現します。
たくさんの特徴や他との違い、売りたいものや伝えたいこと。あれも言いたい、これも言いたい、こっちも大事、あっちも大事と言うのはもちろんあるのですが、その中でも「これ」と言うものを見つけ出してそれ以外のものは引いていきます。
そうすることによって本当に一番大事なことが見えてくるんですよね。
ポスターやチラシもそうなんですが、あれもこれも盛り込んでしまうと結局なんなのかわからない、「伝わらない」ものになってしまうんですよね。

なので、「これ」を見せたいから、「これ」を伝えたいから、こんな表現にするというのをその次に考えます。それが表現アイデアの部分ですね。
ロゴやポスターではフォーカスした部分を誇張したり何かをそれに例えたり、冊子や動画の場合はストーリーを考え、その構成順序や流れ、サイズを考えて「伝えたいこと」を作っていきます。(先に書いていた写真のフォーカスや技術と同じですね)
それらがデザインする上で1番大事なことかなと思います。

その「伝えたい」デザインの考え方をプレさせないようにするのに必要なのがコンセプトを考えるということです。
デザインを考えていく上で、いろんな表現やアイディアが出てきます。でも、どこかでふとコンセプトと言うものに立ち返って見直してみると、これは違ったなとか、ズレてきたなと、立ち返ることができます。

コンパスを見ずに間違った方向に進んでしまうと取り返しがつかなかったり大きなロスになってしまいますよね。
コンセプトはそんなふうに指針として使っていけばいいと思っています。
(逆に言うと、コンパスを無視してでも行きたい道があればそれをいけばいい。コンセプトを無視して伝えるべきことが発見できたらそれで突破してもいいと思います)


とけた! という感覚

そんなふうに、「何を伝えるか」のコンセプトを考えたり、そのコンセプトを更新したりするときにはやっぱり「!」な発見のタイミングがあります。
「!」で、伝えたいことが明確になると「よし!」これだ!という感覚があるのですが、みなさまどうでしょうか?

ふと、その感覚を過去にもあったと思い出したのが、数学の問題を解いた時です。
知っている知識や覚えた公式を組み合わせて、突破口を見つけ、つじつまを合わせて解いていく、そして、とけた時はおもわず、「よし!」と言いたくなる感覚がありました。

僕はデザイナーを目指したのは26才で、それまでは理系だったので、やっぱりそんな感覚で思考しているんだなと思いました。
ヒアリングで、聞いたことや調べたこと、時代背景や歴史、これからの想いや未来。そんな複雑に絡み合った情報を組み合わせて、解いて、整理して、何かを足したり引いたりしてデザインしていっているのかもしれないなーと思いました。

そんなわけで、ふと振り返ってみると、僕にとってデザインと数学はとても近いところにありました。
(他のデザイナーの方の思考方法も気になるところですし、アートはどの学問と近いんだろうとか考えてしまいます。。笑)

自分自身のコンセプトとコンパスを見つけるのに、そんなふうに自分にフォーカスして、自分の本質を発見したりなど、こういったデザイン&数学思考で考えてみてもいいかもしれませんね。

自分を知ること(&敵を知ること)はやっぱり大事ですから。



「あなたは何をいちばん大事にしていますか?」

僕はまだ明確な答えを持っていませんが、
たくさんの経験をして、それらを組み合わせて解いて。
そんなところから自分というものが見えてくるかもしれませんね。

それではまた!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?