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ゲーテのファウストを翻訳して分かったこと

 二年ちょいかけてドイツ語原著のゲーテのファウストを翻訳して分かったことをつらつらと。

ドイツ語初心者でも読める

 難解な文学作品と思われる節がありますが、深く読まなければドイツ語初心者でも読めます。初学書と中級ドイツ語の本、そして辞書でなんとかなります。

ドイツ語でなくても楽しめる

 全ての隠されたネタを発見して理解することはかなり難しいでしょう。私も全部理解していると到底思えません。ドイツ語でしか分からないという趣旨の主張も多々聞きます。確かにファウストは韻を踏んでいるので、日本語に訳して韻を踏むことはほぼ不可能です。でも、ある程度の面白さは確保できます。

ファウストはクソ野郎

 主人公であるファウストはハッキリ言って、男の風上にも置けないクソ野郎です。最初は学問を究めて絶望した学者でしたが、メフィストフェレスと逢ってどんどんクソ野郎に成り下がっていきます。

メフィストフェレスはとてもナイスガイ

 悪魔に性別があるか分かりませんが、おそらくメフィストフェレスは男でしょう。そして、悪魔のくせにとても良い奴です。契約通り、ファウストに地上の快楽の全てを体験させます。そして、ファウストが禁句を言って魂を奪おうとしますが……その後は読んでのお楽しみ。

ゲーテの思想

 ゲーテは生涯をかけてファウストを書き上げました。一部と二部では毛色が全く異なります。そりゃあ、書いた年齢があれだけ異なれば思想が変わるでしょう。

戯曲という形式について

 ファウストは小説といえばそうとも言えますが、戯曲という表現が最適です。台詞と地の文が主です。単なる小説とは一風変わった形式なので、読んだことが無い方は是非とも読むことをお勧めします。

最後に宣伝

 宣伝になりますが、私がドイツ語原著から現代の日本語に翻訳した「ゲーテファウスト現代語翻訳版: 合冊版 (現代語訳文庫) Kindle版」をAmazonのKDPで頒布しております。KindleUnlimitedにも対応しておりますので、読み放題対象です。興味がある方は是非。いきなり合冊版を買うことを躊躇う方は一部二部の分冊版があります。でも、合冊版の方が割安の800円です(分冊版は一冊500円なので全部読むと1000円です)。

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