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ミナベシオリ
2023年3月31日 23:50
こんばんは。お体にお気をつけくださいね。うるせえよ。わたしゃたった今失ったんだ。もう、気をつける必要もない。夜道はプリズム上になって先へ。足跡をつけていく星たち。エスイストグート。いつかカントが唱えて絶えた語群を。今は唾の要門が通さない。こんなの、よくない。なんで最後に街の明かりを数えたのだろ。消えていくものたち。また、点きはじめるものたち。夜の、ほの
2023年3月30日 08:03
もうひとつの散歩道を夢想する恋人でもないあなたと同じ部屋で過ごした時間には 音があったきしんでいたそこかしこからそうっと 命あるものが生まれるようだった食事をする際には互いの上流の音が聞こえたスポンジに 水の音それは始めたときから片付けのようだった服を選ぶときにはもうずっと奥のほうが気になった心臓はやや 厚手のフランネルをまとって 歯茎を見せるようだった「そういう顔を見た
2023年3月29日 10:50
「手水鉢のところの」うん「手水鉢のところの水さ」うん「飲んじゃいけなかったんだ」そうなのか気がついた頃には風にまでなってるきみの言葉の一片に触れた「足水鉢って言葉があったら、きみはなんて読みたい?」ふっずばち、とか、付かない格好をつけてみる(特段格好良くはない)そこかしこのアルバムの紙片に吐息でテープ貼りを続けるだまり続ける手水鉢の中に身の程知らずの小豆としての右足先
2023年3月28日 07:00
水晶が割れた白色の花びらが舞ったその下でわたしは膝をややありえない方向へ曲げてそうっと呼吸の数を数えていくてのひらのちいさなあかぎれに市販薬をなかなかの量塗って顔に す と てをはわせてみる今は真昼なのにとても静かだとこめかみの汗筋を感じた昨日の記憶に滲みがあった金魚鉢に静脈血を一滴 二滴 三垂れ切る前に螺旋描く黒朱色瞳孔がすこし ひらき耐えられない柔らかさを
2023年3月26日 00:10
家庭用洗濯機は23時50分を越えると波の音揺られれているのが1100円(税抜)のウィスキーのせいなのかどうなのかわからなくても 嬉しいよ家庭用洗濯機は少しずつ古くなるのがわかるねアパートの外には無機質なランプが並ぶ日本製の 多分なんか和名の会社が責任者って以外はさわかんないけど無機質ださ自分の部屋の位置関係がばらばらになるよねこのときはこのっとこの時だけ波
2023年3月25日 07:06
木の海を眺めているはるか昔からあるのだろういつからその塊のような塊は液状 あるいは霧状だと判断よりも早く思われるようになったのだろうか昼行の急行列車に線形の煮詰めた感情を乗せなんだっていうんだろうこっちは 毎晩の騒ぎでまだ頭がいたいというのにここは多分 高畠のあたり転がせるほどに軽くはなくかと言って持ち運びできないほど重くなくもうひとつ重ねてかけられるあやふや
2023年3月24日 10:32
路傍の缶の六年目、桜を見ることができたのはあなたがあの夜酔いにまかせてわたしを思い切り蹴り 飛ばしたからです。視界のずっと外にあったそれに、吐露すれば憧れていたと言えるでしょう。と言って何ができるわけでもなく錆びていく身体を感じながら寝そべっていました。みなさん春は温かいですね。冷めやすいわたしですが、春は一番心地よい。水の音がする。車が、走っています。口がひとつしかなかったところに、今は
2023年3月23日 21:43
問い詰められる場面からはじまる。クリスタル・ブルーの道をゆく。と、教室でこの時間に書き綴る。月はくらくらと道をつくる。みちを歩いて欲しい人に、つくっている。小人がつくるらしい。遠くの物音が聞こえる。図書館の本のページひとつひとつを縫うように音が。キスだ。合わせる音が聞こえる。キスだ。小人では、ないだろう。わたしのシャープペンシルは相変わらず詰問に対応している。気圧。風圧。人圧。むずむずを見ないよう
2023年3月22日 23:10
立ち返る海はうちの玄関先砂浜色のサンシェードが揺れている春は日差しが強かっただろうか火星の土を思わせる水性のシャツを脱ぎ捨てたぼくは自転車を漕いでいたあの春ちょっと先の電信柱の先端の分かれ目にかかった夏を車輪で踏みつけるぼくは春を愛していたんだその切り傷に思えるパスタ上の髪の毛―――例えば美術館に一枚の、大きな絵が飾ってあったとする。ぼくは描く観客で、描いたものは直ちに
2023年3月21日 22:24
ぼくらは忘れられるひどい言葉も足の小指の痛みもぼくらは忘れられるから狭い家の中を心を持って闊歩し続ける だから助けてどうしてそれでも問い続けることができるのだろうぼくらはやっぱり忘れられる同じラーメンを晴れた顔で食べながら繰り返される夕焼けに波をとかす でも助けてどうして音楽はなり続けるのだろうどうしてそれでも問い続けることが スカートのはしっこは 冬の 日みた
2023年3月20日 10:57
こわばりのじごてきなにんしきのこわばりのじごてきなにんしききっさきがめのまえにあるということこわばりのじごてきなにんしきのこわばりのじごてきなにんしきのこわばりのじごてきなにんしきたとえばここでいまなきさけびたいということのこわばりのじごてきなにんしきのこわばりのじごてきなにんしきのこわばりのじごてきなにんしきのちょっとしたかなしみなどをこわばりのじごてきなにんしきのなかで
2023年3月19日 19:45
神はペンキをこぼすのが好きだそれにしても空間いっぱいの木棚に大量の缶缶缶缶一日が始まったもぐれ広範囲に悲しみのひだが展開されたぼくの表面積と世界が一致しただから もぐれ痩身の その人型の精神は きみを襲う これからぼくにはわかるよひほらだから もぐれ指は 右が下 左も下鉱脈を探し当てる旅だもちろん死ぬだから もぐれ当てたって 死ぬ
2023年3月18日 14:41
実のところ心に雨など降りはしない溶けてく夜を冷やす僕ふーってする、ふーって君を狙おう下腹部の上それほど冷えはしないいじわるでしかないでしょかたまるこりかたまるかたまりほぐしたり、かためたりが僕胃にからん とくるやつが夜噛まずに飲み込まされるものとしての、ふたりの、夜人工的電子的幽霊的存在としては現代もいる夢追い人君を狙おう下腹部の上ラブソングを歌いたいやつがェラ(ゥ
2023年3月17日 07:00
そうか、だから君はアーケードを走る(季節よ死んで行け)尺尺尺尺尺春尺尺尺!カフェでひといき、とかひとつの煙筋を眺め切ることもなくでも、お茶を飲もうか。アーケードを走る尺尺尺凍れ夏尺尺尺尺いくよ尺!でも未だ春風のせせら笑いは君には聞こえないだからかアーケードを走り続けられる!尺尺尺尺 尺尺尺尺!夢と胸と透明玉を、膨らませて。歩くことなく額に(も) 汗この