#イラスト
『✕○!i』第20話「普通じゃない」
今日もあたしはお父さんにせっつく。
お母さんのイラつき止まりの敵意を感じながら。
「お父さんご本……、新作はまだでしょうか?」
お父さんはぴっかりこん☆
「捧華、ナイスタイミング。実は今捧華の通う学校探しでね? 面白いご返事が返ってきたから、これ読んでみてくれないかな? 捧華の反応次第で入学を検討してみるからさ」
す
と、
お父さんはあたしに冊子を差し出します。
すぐに目に留まる
『✕○!i』第12話「仔猫の心臓」
今日は、捧華の理科。
中学修了のまた得難き日となりました。
物理。
化学。
生物。
地学。
どこで修了となしたかは、
とりあえず参考書にて、
捧華に問題のあるところは見当たりません。
僕に見当たるんですけどね……。
やはり聞いておきたいなぁ……。
“聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥”。
「……あのね、捧華? 捧華が美しいのは、幸い倖子君の涙の雫の力が在る。お父さんは納得いくんだ
『✕○!i』第10話「2+2=5」
因果律の固定化。
そのものをどうやって行い、コンちゃんとポップちゃんへ、どれほどの労苦がかかるものなのか。
人間でいて、かつ個を保つのが精一杯の僕には、全く判然としない事です。
今わかっている事、
とりかからねばならない事へと、思考をシフトさせなくちゃ。
一番不安を抱えているのは、
魂の双子でも、僕ら夫婦でもない。
末の娘、捧華です。
小中の義務教育をうけられないなら、代
『✕○!i』第9話「七夕の人」
捧華の誕生から、およそ4ヶ月程が経ちました。
彼女は現在……、
………………
…………
……
「おとぅさん。あてぃしおさんぽにいきたいので」
すでに身長130センチに届こうとし、少し舌足らずではありますが、言葉もそれなりに操れる様になるまででした。竹取物語が戯言ではすまなくなってしまいました……。
捧華生まれし3月3日午前4時頃、
魂の双子は、言の葉を重ねて、
「お父さんお母さん
『✕○!i』第8話「3-3」
僕の抱え方の所為か、
生命の根源の震えか、彼女はすぐに泣きはじめました。
音声は、わずかな身体から発声されているとおり、耳を傾けなければいけない程度ですが、時刻と市営住宅の立場を考えると、早急に対処する必要にはかられ、僕も一寸焦る。
……困った時の君頼み。
情けなさ、不甲斐なさを覚えても、君が、僕には必要。
泣く赤ん坊を、仕方なし羽毛布団の上にそぉっと寝かせ。君のもとへ。
倖子君は基
『✕○!i』第6話「わらべ唄」
我が君が帰って来てくれて、僕は、コンちゃんからもらった、人の、涙で咲くお花の鉢植えを、倖子君に見せる事ができました。
萌芽はまだありません。
君は言うね?
「よしわかった。心也君引き続き涙をよろしく」
ですよねー。
え、えぇっと、……ですね……。
そ、そう……何も隠す事はないのですが……。
彼女、倖子君は、涙を流す事が嫌い、あるいは大の苦手。
特に人前では、『鋼鉄の乙女』なのです。