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トルクメニスタン”シルクロード悠久の歴史” | ミュージック・ジャーニーvol.72

皆さん、民音ミュージック・ジャーニーへようこそ。

今回は、中央アジア南西部に位置する共和制国家トルクメニスタンへ、駐日トルクメニスタン大使館の皆様とともにご案内いたします。

トルクメニスタンは、国土の約85%をカラクム砂漠が占める砂漠気候の国です。シルクロードに面し、古くからさまざまな文化が花開いたこの地は、現在でも豊かな天然資源を基盤に発展を続けています。

トルクメニスタンの旅のしおり
・“白亜の首都”アシガバットで大理石の美しい街並みを探索しよう
・世界遺産の3つの遺跡からシルクロードの歴史をたどろう
・トルクメン絨毯の美しいデザインと色合いを楽しもう

また、スイスやオーストリアに並び、世界に3カ国ある「永世中立国」の1つでもあります。

今回は、そんなトルクメニスタンを音楽とともに旅しましょう。

大理石の近代都市 首都アシガバット

首都のアシガバットは、約100万人の人々が暮らす近代都市です。美しく整備された街路に、真っ白な大理石でできた建物が700棟以上も並ぶ様子は圧巻であり、「世界でもっとも大理石の多い町」としてギネスブックでも紹介されています。

なかでも、真っ白な外観と金色の屋根が特徴の「キプチャク・モスク」は中央アジア最大のモスクであり、別名“魂のモスク”とも呼ばれるアシガバットのシンボルとなっています。また、「外装建築で囲まれた世界最大の観覧車」として認定されている観覧車「ALEM(宇宙)」や、世界最大の星形建造物「ウェディングパレス」など、ユニークなデザインとコンセプトを持ったスポットも有名です。

キプチャク・モスク

ここで、駐日トルクメニスタン大使館が推薦する音楽家による「アシガバット」の歌を、首都の美しい街並みとともに映像でご覧ください。

Ashgabat-Parahat Amandurdyyev

シルクロードの歴史を伝える貴重な遺跡

トルクメニスタンには、シルクロードを通じて栄えた悠久の歴史があります。国内にある3つの世界遺産は、いずれもシルクロードとの関連が深い貴重な遺跡ばかりです。

ニサ遺跡(世界遺産)

アシガバットから西へ15kmほど進むと、紀元前3世紀頃から3世紀前半まで栄えた「パルティア王国」発祥の都市遺跡、ニサ遺跡にたどり着きます。王宮のあった内城には、ゾロアスター寺院やワイン貯蔵所の跡が残されているほか、内部からはニサのヴィーナス像や象牙のリュトン(ワイングラス)などの貴重な出土品が発見されています。

クフナ・ウルゲンチ(世界遺産)

かつてシルクロードにおける最大の都市として栄えた遺跡です。高さ60mもある「クトゥルック・ティムールのミナレット」や、14世紀に建設された「トレベクハヌム廟」は、現在でも残る貴重な見どころとなっています。

メルヴ遺跡(世界遺産)

紀元前6世紀から18世紀までの長きにわたり、シルクロードのオアシス都市として栄えた遺跡です。中央アジア最大の遺跡であり、「国立歴史文化公園“古代メルヴ”」としてトルクメニスタンで最初に登録された世界遺産でもあります。

世界随一の伝統技術を誇るトルクメン絨毯

トルクメン絨毯は、トルクメン人が古くから発展させてきた重要な伝統産業です。絨毯織りの技術は、伝統的に母から娘へと受け継がれ、トルクメンの少女たちは幼い頃から技術を磨きます。

美しい幾何学模様のデザインは、家々に異なる特徴を持っており、自然の景観や生活環境に存在するものがモチーフとなっています。また、基本色には深い赤色が用いられるのが一般的です。

洗練された技術を結集させたトルクメン絨毯は、世界中の絨毯愛好家から高い評価を得ていますが、トルクメンにとっては物質的な価値だけでなく、伝統や氏族の誇りといった精神的な価値を持つ大切な文化でもあります。アシガバットにはおよそ10万枚もの絨毯が保管された絨毯博物館が建てられているほか、国旗のデザインにもなっているなど、絨毯は“トルクメン人の心”として大切に扱われています。

伝統音楽と文学

トルクメニスタンには、「バフシー」と呼ばれる旅行音楽家によって演奏されてきた伝統音楽に代表されるように、素朴で温かな音楽文化が残されています。主に使用される楽器には次のようなものがあり、いずれも素朴で味わい深い音色に特徴があります。

ドゥタール 中央アジアで広く使われる2弦の撥弦楽器

チゥイドゥク 慶事の際に奏でられるフルートに似た管楽器

今回は、1993年に行われた民音公演「シルクロード音楽の旅《8》遙かなる叙事詩(バラード)の道」より、チュイデゥクの音色を映像でお届けいたします。

チュイデゥク独奏「ゴルンメズ」

トルクメニスタンでは、多くのイスラム教国家でアラビア語が広まったのと対照的に、トルクメン語が用いられているのも特徴です。18世紀の民族的詩人「マクティムグルィ」が用いたのも口語に近いトルクメン語であり、人間性や道徳、祖国愛を説いた美しい詩はトルクメン文学に大きな影響を与えました。

現在でも民族的偉人として位置づけられ、国立大学や国立バレエ劇場などは、彼の名を冠したものとなっています。

ここで、再び、「シルクロード音楽の旅《8》遙かなる叙事詩(バラード)の道」公演より、ドゥタールをはじめとしたトルクメニスタンの伝統楽器の音色と歌をお聴きください。

「ニェ・バグドゥイディ・ニェ・バクバン」

最後に、駐日トルクメニスタン大使館が推薦する音楽家の演奏をお楽しみください。

1.Turkmenistan-Annaguly Myratdurdyyev

2.Ashgabat- My Love city-Gulshat Gurdova

3.Pray for me Mother-Züleýha Kakaýewa

皆さん、トルクメニスタンへの音楽の旅はいかがでしたでしょうか。音楽の旅はまだまだ続きます。次回もどうぞお楽しみに。

協力、写真提供:駐日トルクメニスタン大使館

Min-On Concert Association
-Music Binds Our Hearts-

ご案内

この記事は英文での提供もしています。
https://www.min-on.org/15025/min-on-music-journey-no-72-turkmenistan/

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