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妄想レビュー返答

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こちらは、企画「妄想レビューから記事」の返答をまとめたマガジンになります。 企画概要はこちら。 https://note.com/mimuco/n/n94c8c354c9c4
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#ミムコさん

「かぎ当番の小さなネコ」 ミムコさん「妄想レビュー♯19」参加作品

ね(ねずみ) うし とら う(うさぎ)  たつ(りゅう) み(へび) うま ひつじ さる とり いぬ い(いのしし)。 そのむかし、12ひきの動物たちは、「十二支」として、一年ごとに交代しながら、その年の「大将」にしてもらうことを神さまと約束しました。 * 12月の終わりに近づくと、毎年、足音が聞こえてきます。 その年の干支の動物が、新しい年のとびらを開ける「かぎ」を持ってやって来るからです。 その「かぎ」でとびらを開けると、次の年の干支の動物が待っていて、 また次

芸術家の卵 【名探偵コスティーナ x ミムコさん妄想レビュー】

 立札には威厳があった。 「この下に私の最高傑作が埋まっている」 「事件の匂いがする。掘り出してはならない、だと」  ポアロに憧れる警部は、風に歪むつけ髭を気にしている。 「あの方の遺言でありますから」  町長は気が気でない。芸術家が亡くなって一週間。世界中から愛好家が訪れ悼んでいるというのに。 「一帯の土地を買い占めとは。埋まっているのは、利権がらみで死体、あるいは脱税の証拠」 「そんな」 「かばいだてするなんて、あんたもグルかね」  怒りで真っ赤になる町長。  はえとり

「サルトリア・セーニョ 星空の仕立て屋」/妄想レビュー返答

⬛︎ミムコさんの妄想レビュー 空を切り取って服を作るデザイナーさんの話なんです。ある日、ひとりの男性が恋人にクリスマスプレゼントとして1着のワンピースを依頼するんです。そのワンピースがねぇ......なんだかクリスマスが待ち遠しくなるような、誰かにプレゼントを贈りたくなるような、そんな心温まるお話でした! やあ、いらっしゃい!・・・そうそう、ここがお目当ての仕立て屋さ。マルコ親方?半年前に飲んだくれて死んじまったよ。いまじゃあ一番弟子だった俺が親方だ。デザインから縫製まで

【新】連載小説「天の川を探して」(1)冒険の始まり(ミムコさん企画「妄想レビューから記事」参加作品#妄想レビュー返答)

 私が小学五年生の時、父と母と私の三人家族でY県の山奥にある村に引越しした。  コンビニでお菓子を買うことも、休みの日に映画に行くこともできない、田んぼと山ばかりの村だったけれど、新しい小学校は小学二年生から六年生までの八人の生徒だけで、転入生の私を優しく受け入れてくれたから、私はすぐにそこでの暮らしもそんなに嫌ではなくなった。  特に、同い年のカズキくんとチハヤちゃんとは仲良しで、カズキくんのふたつ年下の妹・ミヤちゃんを加えた私たち四人は、学校が終わればいつも一緒に遊ん

連載小説「天の川を探して」(3)子どもたちの秘密(ミムコさん企画「妄想レビューから記事」参加作品)

「でも、狸(たぬき)川って大きいんでしょ? どうやって渡るの? どこかに橋でもあるの?」  チハヤやカズキがいくら楽観的とは言え、橋がなければ小学生だけで狸川を渡ることなど不可能に思えた。 「橋はあかんな。ずーーっと川下らなあかん。でも、大丈夫や。カズキがおるから」 「せや! 兄ちゃんの出番や!」 「お前らが威張んなや!」  私が「何のこと?」と不思議な顔をしていると、カズキがポンと肩をたたいた。 「アンちゃん、安心し。うちは『亀』の家やからな」  カズキはそう言うと、野

連載小説「天の川を探して」(4)亀宮神社(ミムコさん企画「妄想レビューから記事」参加作品)

 チハヤの口笛で鳥たちが光の道を作る。この光は、「彦星様人形」のいる「きのみや神社」に続いているらしい。  私はポケットにしまった人形を優しく触りながら、「きっと、あなたは『織姫様』なのよね。チハヤちゃんたちが言うんだもん、間違いない。もうすぐ、『彦星様』に会えるからね」と心の中で話しかけた。人形はうんともすんとも言わないけれど、喜んでいるような気がした。  暫く山の中を進むと、突然ぽっかりと空が開けた。もう夜になっているけれど、空は厚い雨雲に覆われたまま月さえ見えない。

連載小説「天の川を探して」(5)出逢いの橋(ミムコさん企画「妄想レビューから記事」参加作品)

「三途の川」と聞いて、私はどきりとした。  子どもの私は「三途の川」が何か詳しくは知からなかったけれど、亡くなった人たちが渡る川だということをどこかで聞いていた。三人と一緒にいると不思議なことが起きてわくわくしていたけれど、そんなところへ連れて行かれるのだとしたら話は別だ。急に背筋に冷たいものが流れていく。  カズキが足を止めたのは、祠(ほこら)のすぐ近くにある山から流れる湧き水でできたような細く小さな川だった。狸川がゴーという音だとしたら、こちらはチョロチョロだ。ただの

連載小説「天の川を探して」(6)天の川(ミムコさん企画「妄想レビューから記事」参加作品)

 すると突然、小川の「あっち側」の山の中から、冷たい突風が私たちを強く吹き付けた。 「わあ!」「きゃあ!」「うわあ!」  あまりの強い風に、私たちは全員、声を上げて一斉に尻もちをついてしまう。  突風は私たちを倒した後、木の葉や土埃を巻き込んで、勢いよく空に昇って行った。 「何や、今のは! 皆、大丈夫か?」  カズキは一番にミヤの手を取ってから、私たちの安全を確認した。ミヤは、尻もちをついたまま、ぽかーんと口を大きく開けている。私とチハヤは、地面に倒れたものの怪我はなく、「

連載小説「天の川を探して」(7・最終話)天を見上げて(ミムコさん企画「妄想レビューから記事」参加作品)

 その時、ミヤが空に向かって大きく口を開けていることに、カズキが気が付いた。 「ミヤ、何やっとねんや。わけわからんもん、口に入れたらあかんで」  カズキが声を掛けると、ミヤは「らって、おいひいんよ。兄やんも食へてもえーよ」と、口を開けたままもごもご話した。 「──おいしい?」  不思議に思った私とカズキとチハヤは、降り続ける小さな「何か」をてのひらで受け止めようと、両手でコップの形を作る。  こつん、こつん、こつん。降り続ける小さな「何か」は、やがて五粒ほど私のてのひら

「月の缶詰1」作:望月みや/朗読してみたよ

念願かなって、望月みやさんの「月の缶詰」朗読をスタートします。スタート、というのは1~3に分かれているからです。 「月の缶詰1」から順に公開させていただきます。2と3は絶賛編集作業中ですので、少々お待ちください。 望月さんの原作はこちら! 実はこのお話、生まれるきっかけとなったのがミムコさんのコチラの企画でした。 で、私が投稿した【妄想レビュー】がこちら。 望月さんの手で描かれる、ユーモラスながらもちょっと泣けちゃうハートフルストーリーは「新しいお月見」企画で「三日

「月の缶詰2」作:望月みや/朗読してみたよ

望月みやさん作の「月の缶詰2」です。 缶詰から出てきて幼かった「月」が、次第に成長を遂げ、見守る「美晴」の心境にも変化が・・・。物語が動く、中編です! 望月さんの原作はこちらから! 「月の缶詰1」と「月の缶詰3」の朗読はこちらからです!「妄想レビュー」企画についても少し説明しています。 朗読お好きな方は、こちらもお試し&チャンネル登録していただけると嬉しいです。

「音缶」【痴話喧嘩】/妄想レビューからの合作(ミムコさん・ジユンペイさん・いぬい)

はい、やっちまいました! きっと私に対するアンチが発生することでしょう。ミムコさんとジユンペイさんの作品に何してくれたんや!と。 でもね、一応私も朗読する権利は主張できると思うんですよ。ここに至るまでの経緯はぜひ、ミムコさん・ジユンペイさんの原作記事でご確認いただくとして・・・。 これはね、私的には「挑戦」だと受け止めたわけですよ。「お前、自分で振っといて、読まんのかい!」と。 まあ、負け戦なんですよ。それはわかってるんです。でも「不戦敗は恥である」という春風高校光画

妄想レビューに妄想でBGMをつけた(意味不明)

ミムコさんの企画「妄想レビューから記事」にて。記事じゃなく音楽でもありなのでは?とアドバイスをいただき。 ちょっとやってみました。 ※企画の詳細はこちらからご確認ください。 今回はさわきゆりさんのこちらの妄想レビューに。 ポイントは ・うさきがとにかく可愛いっぽかったので、可愛らしさを意識 ・そんなことが起こるなら、見てみたい⇒既存のアレンジ?? というわけで今回は動揺「うさぎ うさぎ」をポップでジャジィなシャレオツナンバーにしてみました。 シャレオツかどうかは

妄想レビュー返答|ミムコさん

ウチには、鉢に植えたサボテンがある。 どこでどうやって買ってきたのかは覚えていない。 どうせ、酔っ払って意味もなく、、、そんなところだと思う。 要するに、特に思い入れとかはない。 ウチのサボテンには、サボテンなのにトゲがない。 全くないわけではないのだけれど、いや、むしろパッと見はきちんとサボテンなのだけど よく見ると、てっぺんにはトゲがない。 だから、斉藤さんとか呼んでいる。 斉藤さんは、放っておいてもピンピンしている。 一度も水をやった記憶はないのに、何の問題もないみ