青春の後押し
中学校の文化祭のラスト。全校生徒で文化祭のテーマソングを歌う。隣のクラスメイトと肩を組んで。
音程なんて関係ない。ただただ叫ぶ。
普段は話すこともないようなクラスメイトと、笑い泣きをしながら歌う。
私はこの時、生徒会役員として ステージ上のスクリーンに歌詞を表示させる役割だった。歌って、次のスライドへ移るためのワンクリックをして、歌って.....の繰り返し。ステージ左横のパソコンの前に、立っていた。
そんな時、飛び出してきたのだ。
私のクラスの生徒から、卒業する3年生が順番に。泣いて、笑って、歌って、ステージ上に上がっていった。
あの瞬間が忘れられない。私もステージに一緒に上がりたかった、なんていう気持ち以上に、1人、また1人とステージに駆け上がっていく様子を見て、
「あぁこの瞬間を迎えられて良かった」、と心の底から感じた。
文化祭のために毎日学校に行ったし、前日までリハーサルに追われていたし、優勝にこだわっていた合唱コンクールの練習も決してゆるいものではなかった。
だからこそ、全部頑張って良かった、と思っていた。みんなの気持ちが1つになれるような瞬間を、あの高揚感をつくることに携われて、本当に良かったと思った。
あの時の感動と喜びと高揚感と幸せは、一生忘れられないだろう。
文化祭のテーマソングは、FUNKY MONKEY BABYS の『悲しみなんて笑い飛ばせ』だった。
超えられない高い壁は ぶつかってぶっ壊して 前に進んでいけばいいさ
oh oh oh oh
強靭な向かい風は 背中で受け止めて 追い風にすればいいさ
oh oh oh oh
不可能なんてないよ 可能だらけさ 絶望なんてないよ 希望だらけさ
拳を突き上げるたびに1つになった空気は、もう2度と味わえないのではないかと思わされる、まさに青春と呼べるものだった。
*
私を"後押し"してくれた曲を2曲紹介する。
1曲めはポルノグラフィティで、『キング&クイーン』
誰よりも高く飛ぶんだ 精一杯その手伸ばして
憧れたその未来に もうすぐ届くはずだから
強さとは己自身を 何度でも信じられること
予備校の帰り道、該当もなく真っ暗な田んぼ道を歩きながらこの曲を良く聴いていた。1人で右手を空にあげたりなんかしちゃって、手を伸ばせば空に広がる星を掴めそうな気がしたのだ。
勉強に疲れていたのかもしれない。頑張ってもダメだという現実を受け止めきれなかったのかもしれない。
でも最後には自分を自分で信じてあげないと、絶対に合格できない、と何度も噛み締める大切な時間だった。
(こうやって空を見ていたら 偶然"火球"を見ることができたというラッキーな話は、また別の時に....。)
2曲めは阿部真央の『Believe in yourself』。
浪人した時に書いていたブログ。センター試験の1週間前。このタイミングでこの歌のことをブログに書いている。
やれるだけやり切ったかなんて自分しかわからない
だから自分に嘘つくな 自分にはズルするな
君にしか分からなくたって 楽な道は選ぶな
最後に報われるのは 逃げずに居た君自身だから
思い通りにならない日も 無駄にだけはしないで
大事なのは君が君を最後に認めてやれるかだ
最後まで頑張ってきた自分のことを ここぞという瞬間で信じることができるか、それを何度も問われている気がした。
自分の中の何かが揺らいでしまった時、全て壊れてしまわないように支えてくれていたのが歌であり歌詞だったのだろうな。
いつだって「もうできることはない、やりきった」という状態で本番を迎えたい。失敗するのが怖いからって、努力できなかったことを言い訳にしたくない。
以上が私にとって特別な3曲。