今日のごはんと本 入院・出産前夜
朝ごはん
みそ焼きおにぎり、梅干し、キャベツの千切り塩昆布あえ、トマトスープ。
しっかり朝ごはん。
入院前にトマトを食べきっておく(夫と子どもは苦手なので)。
肌寒い朝、小雨のなかを、子どもを夫と保育園へ送っていく。
今日はずっと夫がだっこ。
保育士さんに預けて、じゃあね、と言うと、子ども、口をへの字にして、涙をこらえて小さくうなずいている。
目を合わせるのもつらい様子で、泣くのをがまんしている。
そんな顔はじめて見たよ。
ぎゅっとして頬にキスして、大好きよーと言う。
こんなに誰かに必要とされたことは人生でなかった。
何も言わずに動けずにいる子どもを、保育士さんがだっこして引き取ってくださる。
こっちも泣くのをぎりぎりこらえて、園をあとにする。
さみしいのをがまんすることを、いつの間に覚えたんだろう。
大きくなったなあ。
幼くても、人間の人生におしなべて訪れる苦しみが、もうはじまっているんだと思うと、たまらない。
帰宅して、少し休んだあと、お産を進めるため夫と散歩へ。
コンビニでアイスコーヒーを買って、手をつないでいく。
海沿いを歩いているうちに、空がぐんぐん晴れて、気温も上がる。
気持ちよくてどこまでも歩けそう。
気づいたら、えっていうほど遠くまで歩いていた。
のんびり引き返して、お昼ごはんを食べにいく。
昼ごはん
ステーキ丼定食。
お肉屋さんにてランチ。
お肉がとにかくうまかった!
お米もおいしくて、おかわりした。
おやつ
ミルクティーアイス。
帰宅してシャワーを浴びて、クリニックに向かう前に、夫が出産にそなえて買い置きしてくれていたハーゲンダッツのアイスを、入院前に食べる。
ひとりめの出産のときも、リクエストして買ってきてもらい、陣痛の合間に食べたのだった(夫はそれを「ハーゲンダッシュ」と呼んでいる)。
食べたいものを食べ尽くし、ついに病院へ。
車で送ってもらい、夫と一旦別れる。
お互いがんばろう。
エレベーターにひとり乗り込む。
緊張はあるけど、体の力は抜けている。
大丈夫。
さっそくNST、そして内診。
内診、なかなかに痛い。
意識して体の力を抜き、痛みをそらす。
子宮口は、前の健診と変わらずそんなに開いてなかったので、予定どおりバルーンを入れることに。
腰が重くなるような違和感、痛みの一歩手前の感覚。
バルーンにつながるひもが、またからひょろっと垂れており、それを太ももにテープで留めてもらうのだけど、ひもの先を覆うチューブが、カスッカスッと歩くたびこすれるのが地味に気になる。
そのあとまた内診し、ふたたびNST。
お腹のなかの人は、変わらず元気でいてくれている。
頑張ろうな。
担当してくれたのは、ほんわかした雰囲気の助産師さん。
やさしい声かけで、ありがたい。
健診が終わり、入院するゲストルームへ。
ホテルか? というきれいさ。
デカフェの飲み物を色々用意してくれていて、とてもうれしい。
個室のみのクリニックなので、とても静か。
自由に動いて大丈夫、と言われたけど、バルーンが入っているため腰が重いので、寝そべっておく。
おやつ
いちごのバターサンド、デカフェのコーヒー。
ひとりおやつタイム。
いつ陣痛がくるかわからないハラハラが常にある以外は、快適なホテルステイと変わらず。
(いや、そのハラハラこそが大きな違いでは? とあとから読み返して自分につっこんだ)
とりあえず、寝転びながら持ち込んだ本を読んで過ごす。
時々、陣痛っぽい痛みが起きる。
まだ不規則だし、そこまで痛くない。
夜ごはん
オムハヤシ、海鮮と野菜のマリネ、ポテトとりんごのサラダ、コンソメスープ。
入院中の楽しみ、ごはん!
産院なので量たっぷり。
いつもより早い時間の夕食だけど、ぺろっとたいらげる。
ひとりの食事だと、ものの10分。
それから今のうちに、さっとシャワーを浴びておく。
19時に、夫と子どもがやってくる。
サイゼリヤに寄ってきた子ども、テンションが高い。
部屋を探検し、ベッドの寝心地をためし、おやつをあれこれ物色。
備えつけのテレビでYouTubeが見られないとわかると、夫に「いつ帰る? いつ帰る?」と聞きはじめて、朝に別れたときとの別人っぷりに笑ってしまった。
でもさみしさが消えたならよかった!
笑顔をたくさん見て、ほっとする。
そばにいない間も、どうか楽しく過ごしてほしい。
たくさんハグして見送る。
20時、健診。
担当の助産師さんが、夜勤のかたに交替。
きびきびしてクールな、それでいて親切なかた。
心強い。
陣痛室に呼ばれて内診。
やっぱり痛い!
(しかし翌日、あの程度の痛みアリにかまれたくらいのもんだったなあ、という思いをすることになると、このときのわたしは知らない……)
昼間よりは子宮口が開いてきているとのこと。
よし!
モニターでまた心音を確認。
お腹のなかの人、しっかり元気。
心音がドキドキしすぎてて、NSTに1時間かかる。
10分間隔くらいで、軽い痛みがあるものの、本陣通かは微妙なところ。
助産師さんに、お母さん、と呼びかけられて、はっとする。
そうだ、お母さんになるんだなあ。
とりあえず眠れそうなら寝てください、と言われて、部屋に戻る。
おやつ
いちごバターサンド、クッキー、ルイボスティー。
持ち込んだおかしで夜おやつ。
近くの部屋から赤ちゃんの泣き声が聞こえてきて、きゅんとなる。
読んだ本
『住む、ということ』
鹿児島の里山に住む著者の暮らしをつづった本。
写真がすがすがしい!
『花四段といっしょ』4巻
なごむ将棋マンガ。
味わい深い。
朝顔さんがかっこいいしかわいい!
朝顔さんの母親も、愛の深い大人でとても好きだ。
『フォルトゥーナ』上下巻
ジャケ買いしたマンガ。
創作の初期衝動でラストまで駆け抜けていて、まぶしさを感じる。
『宝石の国』最終話
本じゃなく電子だけど。
日付がかわってすぐ、最終話を見届ける。
昨日あんまり寝てないのに、眠れない。
夜をひとりで過ごすのは何年ぶりだろう。
ひとりめの子どもを妊娠中、夫が長期出張で不在だったとき以来かも。
となると、4、5年ぶりのひとりの夜だ。
落ち着かない。
自由だとも感じる。
さみしさはうっすらとだけ。
お腹に子どもがいてくれるので、孤独じゃない。
足のむずむず、ここへきても治らず、やむなく起き出して、持ち込んだレモンスカッシュを飲む。
iPadでマンガを読んだり、本をパラパラめくったりして、やっと1時前に眠る。