ミモザ

花と読書とカフェが好きなアラサー女子です。 個人的に読んでみて面白かった本、オススメし…

ミモザ

花と読書とカフェが好きなアラサー女子です。 個人的に読んでみて面白かった本、オススメしたいと思った本を紹介しています。 本以外にも日常のちょっとしたエッセイも挙げていきたいと思っています。 読んでくださった方の気持ちが少しでも明るくなれるような文章を目指して活動中です。

最近の記事

【読書】一緒に推理

先にお伝えいたします。 この本は、「犯人が誰か」明言せずに終わりを迎えるミステリー小説です。 東野圭吾『どちらかが彼女を殺した』(講談社文庫) 正直、先日読んだ『葉桜の季節に君を想うということ』とは 真逆と言ってよさそうな作品でした。 この本を紹介してくれた会社の人から、どういう小説であるかは 予め聞いた上で読み始めたので、 「犯人が誰なのか結局わからずモヤッとするだろうな・・・」 と思いながら読み進めました。 ですが、実際は、最後の主人公・和泉康正(いずみ やすまさ

    • 【読書】何歳になってもやりたいことをやる人生

      人に趣味や好みの話をする機会が得られたら、 ぜひ話してみるべきだと個人的に思います。 私はよく自分が読書好きであることを話のネタとして出すのですが、 たまに思いがけず同じく読書好きの同志を見つけることがあります。 勿論、毎回よい反応が返ってくるわけではないのですが、 その「たまに」に出くわすと、 日常が急に華やいだように感じられるのです。 そして、せっかく見つけた同志とは、 なるべくタイミングを見つけてオススメの本の情報交換をします。 今回読んだ小説は、そんな風にして

      • 【読書】爽快でスッキリ

        「世の中、そううまくはいかないものだ」 ニュース番組を見るたびに、そう思ってしまうのは何とも悲しいものです。 詐欺や裏金問題など、日々聞こえてくるのは暗い気持ちにさせる報道が 多いです。 そんな世の中で陰鬱な気持ちになっている大人の方々に、 ぜひ読んでいただきたい作品があります。 読めば、きっと心が少し軽くなるはずです。 森絵都『カザアナ』(朝日文庫) 舞台は、観光産業に力を注ぐ日本政府が日本古来の文化伝統を重んじ、 他国文化を感じるものを排除しようと動く近未来。 政府に

        • 【読書】多様性を重んじる難しさ

          朝井リョウ『正欲』(新潮文庫) 『とある男性グループ3名が児童ポルノ所持の疑いで逮捕された。  彼らは公園で、子供たちと一緒に水遊びに勤しんでいたが、  その傍らで男児のわいせつな画像を撮影・所持していたという。』 この小説に出てくる冒頭には、 このようなニュース記事の内容が書かれてあります。 これを読んで、あなたは彼らがどういう人物であると想像しましたか。 彼らが事件当日、何を目的として公園にいたのか――。 話はその事件の少し前に戻って彼らや、 彼らに関わる人物の様子

        【読書】一緒に推理

          【読書】小説型自己啓発本

          子供の頃、勉強で躓くと親や先生や塾の講師が、 適切な勉強法や解くためのヒントを教えてくれていました。 部活動でうまくいかないと、先輩や顧問の先生やコーチが、 コツやうまくいかない原因を指摘してくれていました。 社会人になると、定期的に人事面談等はあっても、 なかなか細かいアドバイスを受ける機会というのは少ないはずです。 初めの頃うまくいっていた業務が、ある日突然うまくいかなくなって、 残業が続くようになったり、ミスが増えたり――。 でも、その原因が何なのか、どうすれば改善され

          【読書】小説型自己啓発本

          【読書】その優しさを行動に

          今までに、こんな経験をしたことはありませんか。 電車で席に座っている時に、高齢の方が乗ってきて、 席を譲ってあげなくてはと思いつつ、断られたらどうしよう等と考えて 結局声をかけられなかったという経験を。 お恥ずかしい話ですが、私は経験したことがあります。 もし私のように、なぜか人に気遣いの声をかけることを躊躇してしまう人が いらっしゃったら、ぜひこの本を読んでいただきたいです。 きっと、前よりもためらわず人に優しく声をかけられるように なるでしょう。 瀬尾まいこ『掬えば手

          【読書】その優しさを行動に

          【読書】破天荒ママの訓示

          学校で、恋愛で、仕事で行き詰まった経験のある方にオススメの小説を 紹介します。 和田裕美『タカラモノ』(二葉文庫) 「ママ」は、浮気して時々男性について家を出ていってしまうような女性。 この物語は、娘のほのみの視点で、彼女の成長とともにママの生き様が 描かれています。 最初は小学生の頃から始まり、最終的に社会人になった頃のやりとりも 含まれているため、幅広い年齢層の方に共感していただける一冊だと 感じました。 今回は、そんなママの言葉の数々の中で、特に私がぐっと来た名言

          【読書】破天荒ママの訓示

          【読書】初心に返る仕事術本

          毎日同じ時間の電車に乗って会社に行き、同じ顔触れの中で 同じ作業をして、自宅に帰るーー。 その繰り返しの中で、こう思ったことはありませんか。 「仕事、つまらないな」と。 その仕事に就いたばかりの頃は、仕事を覚えることに必死だったり、 憧れの先輩を見つけて「こんな社員に私もなりたい!」と憧れたり、 毎日必死に働いていたというのに・・・ あのキラキラした気持ちはどうして長く続いてくれないのでしょうか。 そんな悶々とした気持ちを抱えながら働いている方に、 ぜひ読んでいただきたい

          【読書】初心に返る仕事術本

          【読書】欲しがりさんにオススメなミステリ

          もともと私は単純な人間なので、ミステリ作品は それほど捻った内容のものでなくともドキドキしながら読める人間です。 ただ、最近本屋を徘徊していると、 どうもコアなミステリファンの”飢え”を察知してか、 一つの真相だけでなく、複数の真相を秘めているような作品が 増えてきたように感じます。 今回は、そんな何度も驚いてひっくり返ってしまうような ミステリ短編集を紹介します。 結城真一郎『#真相をお話しします』新潮社 惨者面談 家庭教師の営業担当スタッフのアルバイトに勤しむ大学生

          【読書】欲しがりさんにオススメなミステリ

          【読書】オトナにもちょうど良いキュン

          最近、恋愛系のテレビドラマや小説を見てもいまいち ピンとこなくなってきたな・・・と、 自分の心の擦れ具合に、ちょっぴり悲しさを感じます。 昔は、あんなに少女漫画を読み漁って、主人公やその友人たちに 感情移入し、胸躍らせたり、心を締め付けられたりしていた というのに・・・。 大人になると、様々な現実を知ってしまって、 子供の頃に抱いていた、そういうキラキラした感情を 失ってしまうんでしょうか。 今となっては少女漫画チックな甘~い恋愛モノの話に触れると、 むしろ少しの胸焼けを

          【読書】オトナにもちょうど良いキュン

          【読書】これぞ人生の元気サプリ

          仕事で嫌なことが続くと、つい「何のために働いているんだっけ?」と 立ち返りたくなることがありませんか? 特に日照時間が短い冬の時期は、ちょっとしたことでも 気分が沈んでしまって、なかなか浮上することが難しいと感じます。 今回は、そんな躓いた時にぜひ読みたい、元気サプリメント的な小説を ご紹介します。 青山美智子『ただいま神様当番』(宝島社文庫) 可愛らしい神様が、とあるバス停利用者の人々の前に現れ、 彼ら彼女らに神様当番をさせるというお話です。 神様の風貌が可愛く描写

          【読書】これぞ人生の元気サプリ

          【読書】美味しい人生

          読書を趣味に小説を日々読み漁っていると、 たまに「わかるなぁ、この気持ち」と思わず頷いてしまう時があります。 私の場合、特に一穂ミチさんの作品を読んでいる時に共感することが 多いです。 時折、その顎を縦に振るに至った個所にそっと付箋を貼ってみたりも します。 今回は、その中でもわりと最近に発売された短編集をご紹介します。 一穂ミチ『うたかたモザイク』(講談社) 本作は、各話の内容を味覚の種類になぞらえて分けています。 各種類から、特にお気に入りの1話について、それぞれ書い

          【読書】美味しい人生

          【読書】せめてもの願い

          これまでにいくつかの会社を転々としてきました。 時々ふと思うのは、「私がやっていたあの仕事を引き継いでくれた人は、 どんな気持ちで対応してくれていたんだろう・・・」ということ。 殆どの会社が人手不足に喘いでいるようなところばかりだったので、 恐らく私に対して恨めしい気持ちを抱いていてもおかしくありません。 私自身も、各会社で働いていた当時は、自分よりも早期に退職したり 部署異動をしていったりする社員を、どこか羨ましい気持ちで 見ていました。 今回ご紹介する本は、そんな現

          【読書】せめてもの願い

          【読書】凸凹親子の同居生活

          皆さんの家族は、どんな家族ですか。 私の家族は皆結構寂しがりやで、定期的に実家に集まっては ご飯を食べたり、どこかへ遊びに行ったりします。 ただ、友人の話を聞くと、それほど家族とは会わず、 それぞれがそれぞれで日常を過ごしているという人も多いです。 当たり前ですが、家族によってその形は違うんだなと感じる日々です。 今回は、一味も二味も違う、 ちょっと風変わりな家族の形をテーマにした作品をご紹介します。 瀬尾まいこ『傑作はまだ』(文春文庫) 加賀野は、そこそこ売れている小

          【読書】凸凹親子の同居生活

          【読書】心に響くスピーチの極意、ここにあり

          今回ご紹介したい本は、私が婚活に悩んでいた時期に見つけた一冊です。 タイトルから真っ先に「結婚に関する話だ!」と思い込んで ぱっと手にとったのですが(とびつきやすいタイプなのです)、 残念ながら結婚に関するお話ではありませんでした(笑)。 ただ、この作品に出てくる”職業”について興味を持ったので、 婚活のことは一旦置いておいて、そのまま購入して読んでみたのです。 原田マハ『本日は、お日柄もよく』(徳間文庫) 心にすとんを入り込んでくる言葉を紡ぐお仕事、スピーチライター。

          【読書】心に響くスピーチの極意、ここにあり

          【読書】スッキリする物語

          脳科学者・茂木健一郎先生の「アハ体験」をご存じでしょうか。 脳は何かに気づいた時に活性化するということで、テレビ番組『世界一受けたい授業』でこの「アハ体験」がよく取り上げられていました。 今回は、そんな「アハ体験」のような、気づくととてもスッキリする一冊を ご紹介します。 杉井光『世界でいちばん透きとおった物語』(新潮文庫) 「透きとおる」ってそういう意味だったのか!と思わず声を上げたくなりました。 主人公の燈真(とうま)は、文学賞を獲るほど有名なミステリ作家・ 宮内

          【読書】スッキリする物語