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3年の時を経て、ベルリンのデザイナー恩師に会いに行った話

文系学部だった僕は、大学時代はとにかく自分の夢を見つけるために必死だった。営業やプログラミング、スタートアップで働くなど、とにかくいろいろやったのだけれど、しっくりこなかった。

その時「世界を変えるデザイン」という本に出会い、今まで自分と無関係な存在だったデザイン、人の本質的課題に寄り添うデザイナーというキャリアに憧れた。

だけど、どうすればそんなデザイナーとしてのキャリアを歩めるのだろう?と悩んでいた時、連絡を取ったのがベルリンでフリーランスのデザイナーとして働くしょーこさんだった。僕がnoteで海外で活躍するデザイナーになるにはどうすればいいか?を質問したところ、ブログにしてくれた。

この記事がその後バズって、たくさんの人から質問がくるようになったらしい。

しょーこさんはたまに「あなたが質問してくれたから、いまたくさんの人があのブログから集まってくれる」というようなことを言ってくれるけれど、自分が聞かなければ他の誰かが聞いただろうし、人生は出会いとタイミング、つまり運の巡り合わせなのだと思う。

そんなポエムはおいといて、その後は運良く受け入れてくれたベトナムのIT企業で半年、京都で1年半デザイナーのインターンとして働き、2年のデザイン修行を終えて大学に復学し就職活動し始めたのが、去年のこと。

その時、たまたましょーこさんがデザインコンサル的なことをしているけど、どう?と連絡が来て、就職活動の立ち回りやポートフォリオのFB、キャリア/人生相談など約半年間相談に乗ってもらった。

就職活動をする前までの僕はなぜか自信がなかった。何かといろいろ行動してきてある程度のアウトプットはあるのだけれど、いざ社会に出るとなると通用するのか不安だったからである。そんな自分に同じキャリアの先輩からもらう具体的なアドバイスや、背中を押してくれる言葉はとても価値あるものだった。

就職活動も無事終えると、卒業と就職までに半年間自由な時間ができ暇になってしまった。英語のスキルアップをしたかったから語学学校にでもいこうかなぁーとしょーこさんに相談していたところ、

「東京で働くんでしょ?英語は使わなかったら絶対忘れるよ。そんなもんインドの砂漠でラクダに乗ってた方が何倍も有意義だよ!」

と言われ、

 「せっかくコーディングできるんだから物価の安い国でも行って、ノマドワーク的なことしてみたら?」

とアドバイスをもらったことから、Macを詰めた7kgのバックパックを背負って、結果的に4ヶ月の世界旅行の旅へと出ることにした。

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東南アジアから、中央アジアを巡り、そうだせっかくならとヨーロッパのベルリンへたどり着いた。この旅で唯一自分の知り合い、デザイナーの恩師に会いに行った。

オンラインの画面越しで喋ることはあったけど、実際に対面するのは初めて。連絡をとって3年を経ての対面だった。日本食の手料理を御馳走してもらった。

ヨーロッパ付近にくると、とても日本食が恋しくなる。さらに冬は寒く、とにかく日照時間が短く気が滅入る。旅の疲れもあり心身疲弊していたところ、愛情こもった母国の料理は溜まっていた疲れがスッと抜け、涙が出てしまうほど落ち着く味だった。食というものはなんと偉大なことかと身に染みて感じた。

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(やっとの対面で話に夢中になり、一緒に写真を撮ってもらうのを忘れた)

恩師から学んだことはいろいろあるけれど、結局は寄り添って背中を押してくれる言葉が一番自分には価値あるものだったと思う。デザインについてもいろいろFBしてくれたけど、それよりもいろんなキャリアを歩んできた人からの後押しというのは、行動する推進力になり、なにより勇気が出てくる。

しょーこさんは真面目にアドバイスをくれるけれど、たまにふわっとしたことを言うから、最初ブログのタイトルは映画「西の魔女が死んだ」に掛けて、「3年の時を経て、西の魔女に会いに行った話」としようとしたけれど、死んでもないし魔女と言うのは失礼な気もしたので止めることにした。

タイトルの写真もベルリンの西っぽいのを探したけれど、見つからなかったからベルリンの壁(East Side Gallery)の写真にしておいた。ベルリンっぽい感じはするからたぶん良いことにした。

・・・

3年前に書いてもらったブログの言葉が、今でも自分の中に残っている。

 目指すべきレベルは人によって違うので、自分がめっちゃ目指したい!っていう好きな人をおいたらいいと思います。

けど、「目指すべき人をおく=その人以上にはなれない」です。自分がなりたいようになれば一番いいと思います。みんな適した道がありますからね。人と同じじゃなくていいですからね。

大学を休学してベトナムへデザイン修行に行った時も、メンターにこう言われたのだ。

君がデザイナーになりたいならなればいい。なることに悩むより、なってしまって悩むことの方がたくさんある

この3年で学んだこと。その一つは興味あること、やりたいこと、憧れることがあるなら、やってしまった方が早いということ。立ち止まって悩むより、行動して立ち塞がる目の前の課題を乗り越える方が、結果的になりたい自分に近くからだ。

課題や壁がぶつかることは悪いことじゃない。それはなりたい理想や目標があるからであり、悩んで止まっていては巡り合えないものである。そして、大きく見える壁も実は意外と乗り越えられるものかもしれない。

デザイン修行、就職活動、世界旅行を含めたこの3年間と言う時間は、遠回りだったろうか?いやきっとそうじゃないだろう。たくさんの人と出来事から学んだことがある。

世間はコロナのパンデミックで騒がれているけれど、それでもぼくは明日から東京で働くデザイナーになる。


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