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癖の強い社員とどう接していきますか?【障害者雇用をすすめる理由】

以前、障害者雇用の相談で企業訪問したときのことです。
身近に、発達障害や精神障害の方がいなかったので、接し方がわからない・・・怖いから雇わない・・・
と、正直に話された方がいました。

かくいう私も、福祉職に就く前は、
発達障害という言葉も知りませんでしたし、
身近に身体障害の方もいなければ、精神疾患にかかった方もいなかったので、
その気持ち、よーくわかるのでした。
ですから、雇用をすすめる側として、
いまいち障害者雇用のメリットを感じきれていない時期がありました。

でも、仕事だから、
法定雇用率(国で定められた人数を雇わないと納付金を払わなければならない)がありますし~
雇った方がいいですよ~
とよわよわしく言う私。

でも、あるとき、障害者が職場にいることはメリットしかありません!
と堂々と言いきる、ある精神保健福祉士の方と出会ったことが、
自分の価値観を大きく動かします。

それは一言でいえば、人材の育成に力を注げること。

障害があるというのは、
何かしら普通にできないことがあって、
何かしら手助けをしなければならないことがあって、
一緒に働く人、教える側の人に、心の余裕がなければ決してうまくいかないことなのです。

そのどうしようもないいら立ちをもちながら、面倒くささをもちながら、
手間をかけながら、
なおかつ自分の仕事も全うしながら関わり、育てるということに、
これは、社員一人一人の人格形成、精神的成長につながらないわけがない!
ということ。

障害者の方が仕事ができるようになり、社会人として育っていくのはもちろんのこと、
それ以上に、関わる人たちが変わっていくのが醍醐味だと言えるかもしれません。
新人に教えるのとも違う、子どもに教えるのとも違う、
何ができて何ができないのか、また何を考えているのか、
自分がいままで使ってこなかった感性をフルに使い、頭を働かせて関わっていくのです。
それは鍛えられます。

たとえば、
発達障害のふつうとはかけ離れたこだわり、
コミュニケションの困難さ、
休まないで仕事に来ることのむずかしさ、
ちょっとしたストレスへの弱さ等々。
その方たちの言動に、いろんな感情がわきながらも、
どう言葉をかけ、どう捉えて、どう接していけばいいのか・・・
究極の人間関係の構築です。

また、それが次第に、
もしも自分の兄妹だったら、親だったら、子どもだったら、夫(妻)だったら、
と想像をはたらかせます。

今、自分が企業から、
障害者雇用ってよくわからない、
大変なことばっかりだよね、等々言われたとしても、
共感することはあっても、だから勧めないということはほぼありません。

もちろん、するしないは企業のかかえる状況にもよりますが、
迷っている担当者の方がいれば、
どんな癖の強い社員が入社してきても大丈夫だ、と思えるような、
人間関係の築き方を学べる絶好のチャンスです!
とお伝えしています。

この世界には、
自分が思いもしない考え方、感じ方、言動を取る人たちがいて、
それは、その方たちから見れば、自分も別世界の人間。
もしかしたら、
癖の強い社員、苦手な社員こそが、
あなたを育ててくれるかけがいのない存在になっていくかもしれません。


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