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スペイン巡礼 おばちゃん一人旅 2022年6月 ㉔ カミーノを外れる

2022年6月21日 18日目
エル・ブルゴ・ラネロ  (El  Burgo Ranero) → マンシージャ・デ・ラス・ムーラス  (Manshilla de las mulas) 19km


全宿を事前予約⁇

昨日はランチが重かったので、夕食は近所の食料品店で買ったリンゴとネクタリンを食べて寝た。そのせいか、朝はお腹がペコペコ。宿のバルでしっかりと朝食を食べる。宿の女主人が食べたい物を何でも作ってくれる。

パトリック夫妻と一緒に朝食。
私は食べたい放題注文したので、ちょっと料金が心配になり、パトリックにこそっと聞いてみた。
「ねえパトリック、ここの朝食って宿代に含まれていたっけ?」
「そうだよ。僕は全行程の宿を予約して、朝食込みで全部払ってきたからね」

そうでしたね。
以前その話を聞いた時、3ヶ月近くの宿を全部事前に予約して、よく予定通りに歩けるなぁ。途中で具合が悪くなって計画変更を余儀なくされることなどないのだろうか、と思ったことを思い出した。

でも全ての宿を前もって予約してくる、というのはパトリックだけではない。リサとヘンリーもそうだし、アメリカの大学生のガールズ達もそうだった。きっとカミーノを熟知した旅行会社やトラベルプランナーがいるのだろう。全行程を予約した人から、予定通りに歩けずに困った、という声を聞いたことはなかった。

ともあれ、私の場合、この宿の朝食代は宿代には含まれておらず、食べた分を支払った。

10℃を切る

Apple天気のデータ

熱波が去ったのはよいが、いつの間にか、最低気温が10℃を切っている。お天気が良ければ、日中は陽射しが強くて暑いが、朝晩はちょっと寒い。

可愛い毛糸巻きの並木に見送られる
朝8時過ぎ。雲が低い。


大型農作業車

今日の道中はやたらと大きな作業車が目についた。
カミーノをこれまで毎日長い時間、一面の畑を眺めながら歩いてきたが、その広い畑で農作業をしている人を見ることがほとんどないのだ。記憶にあるのは、葡萄畑で蔓を手入れする人の姿を2回のみ。農地の区画も広く、どうやって農作業をするのかなぁと思っていた。

道脇の大きな倉庫の中にチラッと大型農作業車が見たことがあったし、大きなゴツいタイヤの作業車が時折車道を通る姿を見かけた。こういう車で、ガーっと刈り取ったり、農作業を進めているのだろうか、と一人想像した。

タイヤの大きさにびっくり
これは農作業というか、土木専門ですかね。
青々とした畑は久しぶり
ここにも働く車


マンシージャ・デ・ラス・ムーラスに到着

今日の歩き止めの町に到着。

城壁に囲まれた町
城壁の入口にある広場で おつかれさん
城壁内への入口 振り返った景色
城壁内の広場 マーケットが立っている
初ミルクティーで一休み。おまけが付いていて嬉しい。  


今日の宿

Astura rural hostal
個室 朝食付き 55ユーロ
夕食 14ユーロ

今日の宿はカミーノが通るこの町ではなく、カミーノから外れて2キロ先の村にある宿にした。送迎をしてくれるという。体調がまだ万全ではないので、よく眠れるように出来るだけ個室を予約するようにしている。ここはBuen Caminoのアプリに載っていて、地元の家庭料理を夕食に出してくれるという文言に惹かれた。宿代は少々高いが、とてもゆっくりできる宿だった。

マンシージャの町で一息ついてから宿に電話をすると、すぐに女主人が迎えに来てくれた。しかも日本車で。宿に着くまで、途中の村や景色の説明をしてくれた。気さくでとても感じの良い人だ。

考えてみれば、多くの巡礼者と話しをしてきたが、地元の人と話すことはほとんどなかった。それなので、見聞きする村の様子は新鮮だ。

例えば、どの村にも高い塔がある。それは毎日川から汲み上げた水を浄化して、1日蓄えるための塔なのだそうだ。村で共同でその浄化した水を使う。もしも1日の水の需要が多くて、汲み上げた量を使ってしまうと、その日に使える水が無くなってしまう。次の日まで待たないと水が無いのだそうだ。

また、宿のある村は夏と冬の人口が大きく違う。夏は200人くらいいるが、冬は30人くらいになってしまう。冬は家一軒の暖房費用が高くつくので、多くの家族は20キロ先のレオンという都市の集合住宅に移動してしまうからだそうだ。

カミーノを毎日歩いて景色を眺め、その土地の風や空気を肌で感じるが、その土地に根ざす人々の生活は簡単にはわからない。巡礼者も通り過ぎる風のようだ。むしろ、毎日歩き続けるカミーノが、日常から切り離された異次元なのだ。非日常の別世界。

そんなことを考えていると、宿に着いた。私は初の日本人客なのだそうだ。

宿の名前、Astura
迎えに来てくれた三菱車。右手が宿。
小さいが良く手入れされた庭
居心地が良い
アリ?
内装もいい感じ

部屋はシンプルだが使いやすい。早速シャワーを浴びて、洗濯をしてもらって、庭で寛いだ。カミーノから少し外れて、ちょっと別の世界にいる感じ。

寛ぎと共に美味しい一杯


夕食

お待ちかねの夕食。他の泊まり客と食堂で顔を合わせてみれば、なんと、皆巡礼者。そしてパトリック夫妻も。2泊連続で同じ宿だ。他はイギリス出身のスティーブと、元気の良いアメリカ人姉妹。皆私と同年代前後。テーブルは別々だが、皆で話しながら食べる、絶妙なな距離だ。

宿の食堂。夕食と朝食もこちら。明るくて居心地が良い。
まずワイン
カボチャピューレ たっぷりとした量
郷土料理 チョリソと同じ味でスパイシーで美味。
デザートは大好きなスイカを選んだ


村を歩く

夕食後もまだまだ明るい。気持ちの良い夕方、と言っても既に9時。ぶらぶら村を散歩してみる。いつも見ているのは広い農地で一種類の農作物だが、ここで初めて家庭菜園を見た気がする。

何種類もの野菜を育てている様子。用水路から十分水が取れているのだろう。


ふと見ると、前から歩いてくるのは宿の主人夫婦とおばあちゃん。採れたてのさくらんぼを分けてもらったと、私にもお裾分け。

瑞々しい! 
宿の前の公園と教会 静かな時間

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