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覚悟とは


2年前、付き合っていた当時の恋人に言われた言葉で今の自分の要素になっているものがある。

お互い感情的にぶつかることを嫌っていて、
喧嘩なんて殆どしたことがなかった。
そんな中で唯一別れる直前の出来事で
大きくぶつかった時に彼から言われた言葉

思い出したくないのか、薄れてしまったのかは分からないけれど
曖昧に、でもニュアンスや感覚はしっかり覚えている言葉。

「覚悟もって生きているのか、人と接するときに意識できているのか。
そんな覚悟を感じられない。そんな風じゃきっといつかみんなあなたから離れていく。」

そんな言葉。

彼は私より4つ歳上で、真面目で優しい人だった。
芯があって、人当たりも良く、周りからの人望もある。
そんな彼の言葉はいつも自分の核心をついてきた。
その時は尚鋭さを増して。

ただの痴話喧嘩ではなく、
その言葉に至る背景はきちんとあって、
自分の考えがとても浅はかで、彼をとても傷つけてしまったという自負があった。

だから、何も言えなかったし
とても刺さった。
ぐうの音も出ない、とはこういうことなのかと思った。

今でも、思い出しては考え込む瞬間がある。
でも、今になって、そこまでの経緯や環境の関係、出来事の理由がきちんとわかるようになった。

あれから、”覚悟”とはなにか
自分なりに考えて過ごしてきた。

誰かと接するとき
環境が変わるとき
仕事をするとき
大事な決断をするとき。

全てに於いてとは言えるか分からないけれど、
考えて行動してきて
やっと、最近になって
彼が言いたかったことはこういうことだったのかなと思えるようになってきた。

誰かと過ごす上で覚悟とはとても大切なこと。
絶対にこれは譲れない!というガッチリとしたものではないけれど、自分の中でのそれが確立してきた。

人はそう簡単には変われないのだろう。
けれど、意識は少しずつ変えていけるものなのかもしれない、そう思った。

別れは自身も悲しいし、とても苦しく傷つくもの。
場合によってはそれ以上に、相手を苦しめて、傷つけてしまうもの。


2年前のその出来事がなかったら。
そう思う日もあったけれど、そんなことを語れる立場ではない。

私がしたことは許されることではないけれど、
“覚悟”と言う大切なことを教えてくれた
元恋人や、その時関わってくれていた人の存在は私の人生の中で間違いなく影響を与えてくれたと思う。

元恋人は
最近結婚したらしい、と
風の噂で耳にした。
元気だろうか、と少し按じていたからか
耳にした時、少し安心した自分がいた。

あの時のことを心から謝罪したい。
そして,感謝したい。
末長くお幸せに。

そして、
2年前の同じ時期に出会えた人その間に関わった人や、新しく出会えて今過ごせているのは
その出来事があったからなのだと考えるたびに思う。

ここまで生きてきて、
もう会えないし連絡先もわからなくなってしまった人もいる。
その人のことを思い出すたびに、
後悔や懺悔、自責、諦め、期待
色んな感情が自分の中で押し寄せて、心が潰れそうになることがある。

当時、謝ることすらままならず、むしろ逆の行動をしてしまっていた私
その自覚を持つまでに時間をかけすぎてしまった。
この罪悪感は一生ついてくるものなんだろうとずっと考えている。
いつか、許してもらえるならば,
いつか、またご縁があるならば、
烏滸がましいのを承知で、
どこかでまた出会えたら良いなと思えるようになった今日この頃。


普通に生きていく上で
“覚悟”と言う言葉を用いるのは
重すぎるのかもしれない。

けれど、曖昧で不安定な言動や決断は
自分は勿論誰かを傷つけかねない
環境を崩す要因になりかねないのだと思う。

優しく、強く、覚悟のある人間でありたい。