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3億円あったら

この記事は【かおるこ@先生を応援したい】さんの「先生への応援&感謝を届けよう」という企画に賛同して書いています。

かおるこさんの記事はこちらです。

私も一応、結婚前に10年間中学校で働いていました。学校司書と国語と特別支援教育で合わせて10年間。その時に経験したことを踏まえ、私なりの先生への感謝の気持ちを書こうと思います。応援記事になるかどうかは・・・(自信がないです)

あれはもう15年ほど前になるでしょうか。夜の職員室でのお話です。

先生の一日(その当時のその地域の中学校のことなので全国共通ではありませんが)は担当している部活動の朝練から始まります。朝練を見て、その後ようやく「学校としての普通の一日」が始まり、放課後は会議と研修、その後にまた部活。生徒たちを全員帰し終わって教材研究をしに職員室に戻れるのが大体午後7時半頃でした。それから黙々と本来の「授業のため」の準備です。成績や個人情報が漏れるといけないとパソコンや答案も持ち帰ってはいけないと言われていた時代でしたので、みんな遅くまで残らないと仕事が終わらなかったのです。これが毎日。大体9時くらいからみんなグッタリ疲れてデスクに突っ伏し、世間話をはじめるのですが、その日は話のテーマを与えてくれた先生がいました。

「ねえ、今、宝くじ当たったらどうする?3億円」

その場に居た先生たち5人ほどで「3億円当たったらどうする?もう仕事やめちゃう?」談義が始まりました。

最初は「3億もあったらパーッとやめちゃおうぜ!」となったのですが、だんだん、

「まあ、今のクラスが終わるまではね、ちょっとこのまま働こうかな」という先生が現れました。

すると「そうだな、俺も今の子たちが卒業するまでは・・・」という先生も。

新しい情報も飛び込んできます。「〇〇の弟が来年入ってくるんだって」「へえ、来年かあ!楽しみねぇ。じゃあ、来年〇〇の弟を見るまで」

挙句の果てには「今の子たちが卒業して高校の制服姿を見せにきた時に俺たちがいなかったら可哀想じゃない?」という話にまでなり・・・

結局「3億当たっても結局誰も辞めないじゃん。それも3年先くらいまでずっと居残るつもり」だということになり、みんなでゲラゲラ笑ったのを覚えています。

最後には「まあ、3億円持ってるつもりで気楽に頑張っていこう!!」と、よくわからないまとめになり、またみんなで笑いました。

いくら忙しく大変な毎日でも、先生たちって、この仕事と子供たちのことが大好きなんですよね。クラスの子たちが可愛くて、卒業まで見届けたくて、そのうえ進学後の姿まで見たいなんて。

世間では学校は「ブラック企業」だと言われたり(たしかに勤務時間外も働いていますので過労です)

いろんな先生方の不祥事やモンスターペアレンツのことがニュースになったりしていますが、それは本当にごく一部の話で、私が出会ってきた先生方は皆さんやる気に満ちて「結局生徒が大好きだよね」という方ばかりでした。


今、うちの息子は小学四年生なのですが、自慢できることがあるそうです。それは、

先生運が良い!!」こと。

この教員不足と言われている時代に本当にありがたいことに素晴らしい先生にばかり担任をしていただいています。

学校から帰ってくると「先生がこう言ってたよ〜」「今日先生に褒められた〜」「今日先生に怒られたー」「今日先生お休みだった!大丈夫かな?」と、大好きな先生のことを話しています。

先日、息子の「将来の夢」の作文に先生がこう感想を書いてくださいました。

「○○くんが大人になってその夢を叶えている姿を見るのがとても楽しみです。大人になった○○くんに会うのが先生の夢です。頑張ってください」と。

「何十年も先の話になるのに、先生、本当かなー??」と照れる息子に、私はこう言いました。

「きっと先生本気だよ。卒業しても見守ってくれてるし会いたいものなんだよ」って。

3億円あってもすぐには辞められないと語り合った思い出があるから自信を持ってそう思えるのです。



先生いつもありがとうございます。


こんなところまで読んでいただけていることがまず嬉しいです。そのうえサポート!!ひいいっ!!嬉しくて舞い上がって大変なことになりそうです。