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自分がウツ(未診断)になりまして

※ここから書く文章は、私の「しんどい、我慢できない」が結局なんだったのか分からなかった話です。ただ、治った後に職場のストレスチェックの値が高いからと設けられた某医大の精神科の先生との面談での質問事項において、「あの時だったら全部YESだ!そうか、あれは鬱だったのかもしれないなぁ」と思った体験談です。

〇2018.夏

始まりは、よく分からなかった。

月の残業時間が70時間を超えたけど、上司は何も言わずとにかく先に帰るし、でも自分がこれをやり遂げないと困る人がいるし。
1人残されて作った資料が翌日の夕方にやり直しになり、また日付が変わる頃まで作業する…ダメ出しだけして本人は帰るので、これでいいのかよくわからない。
から翌日またやり直しになる。

寝られない日が続いた。私の場合は、早朝覚醒。朝5時頃起きて、そこから全く寝付けない。しんどくて早く寝ると3時や4時に目が覚める。この頃何ヶ月も4-5時間以上寝た記憶はない。

さらに真夏に外にいる仕事が多く、頭が痛くなって社用車に寝かされ(今から思えば、皆さんは真似しないでくださいね)会社に連れ帰られ、帰る元気もなく少し作業して帰る…みたいな夏があった。二年前、もうすぐ三年前のことだ。

とにかく、その最中は乗り切ってたように思う。軽い体調不良はあっても、仕事を休むこともなかった。

〇2018.秋

自分でおかしい。と思ったのは、10月になってからだった。

緊急のドタバタの仕事が収まり、通常業務の繁忙期も収まり(つまり重なってたのか、あの地獄はもう一生無理だ)、落ち着きを取り戻したように見えた。

上司が何も言わないので、代わりに隣の席の先輩が「もう落ち着いたから、毎日早く帰りなよ」と言ってくれていた。

その頃は毎日だるくてだるくて、夜に熱を測ると37.2度という、今ならコロナを疑うが、当時は気にもとめない程度の微熱。朝になると下がってるから、何とか出社する。繰り返し。

この頃にはダメ出しだけして帰る上司と社用車で2人になると、息が苦しくなるため、秋も深まってきているのに窓を開けて運転していた。おかしい。

おかしすぎて、普段なら花粉症だと一蹴するような体調不良が重なった時「よし、病院に行こう」と思い立った。毎晩微熱が出るし、鼻水が出て喉がイガイガする。さすがに病院に行くために早退してもいいだろう。なんかもうどうでもよかった。職場から正当な理由で逃げたかった。

上司の答えは「ノー」だった。

明日までにこの資料がいる、君の担当だから君しか知らない(なんでやねん)、くどくど言われて私は出しかけた時間休をひっこめ、資料を探して会議用に整えた。

時間外に突入し、やはり上司は帰っていた。

この時、私の中のまともな部分というか、ゆとりの部分が残っていてよかった。そいつが言う。「有給休暇を拒否するなんて、やばいんじゃない。」

この日から、私は手帳に上司の発言をメモし始めた。メモすればするほど、異常だった。私より上司がまいっていたのかもしれないが、少なくとも私は上司の定時退社を妨げた覚えはない。

その時から、この人といるのは私にとってしんどいんではないか、と思うようになっていた。
寝られない日は続いていたし、社用車では息が苦しい。なんともないけど熱が高いのも心配。ご飯は、職場では食べられなかった。それに気づかず、お昼は食べられない体質なのだと思っていた。

彼氏とデートして、可愛いカフェで食べたワンプレートランチをひと皿食べられた時に自分でびっくりした。

体重は、今の身長になってからの最低値。平均的な女子の身長で、41キロほどになっていた。

泣きながら信頼している先輩二人に連絡した。1人は保健師さんで、仕事中にもかかわらずすぐに電話をくれた。
いきなり病院に行くのは怖いだろうから、会社が契約してるカウンセラーに会わないかという話だった。彼女にとっては仕事だが、電話は必ず私の携帯にかけてくれて、その心遣いがうれしかった。

カウンセラーさんと話したが、傾聴はどうやら私には必要なかった。先輩には悪くて今でも黙っている。

もう1人は、新人時代に育てていただいた先輩で、直ぐに居酒屋に連れていかれた。
人が食えない寝れない痩せたと言っているのに、居酒屋に連れていくこのおおざっぱな感じに、私は傾聴より心が開けた。

私がブチブチ毎日の話をして、料理が運ばれたところで、先輩は上司をサイボーグと切り捨て、彼女自身がしんどくなった時の話をしてくれた。
その時はその後はしょうもない話や恋バナをした。
帰る頃にはすこし楽になっていた。

先輩は私に何も言わなかったが、2人ともお世話になったかつての上司に相談してくれたようだ。後日、たまたまお会いした際に色々聞かれた。

私が本来いるはずの無いフロアでたまたまかつての上司にお会いしたため、何してるのか聞かれたから、しょうがなく、カウンセリングに行くと答えた。

元上司は、先輩が茶飲み話で相談してきた後輩の状況が思っているより悪いと判断し、また誰かに相談してくれたらしい。

かくして、本人の知らないところで伝言ゲームは進んでいたが、そうと知らない私は、カウンセリングが効かず、先輩に相談すると酒をじゃんじゃこおごってもらえるのを悪いと感じ、仕事をさぼるようになった。
仕事中や出勤中に突然涙が出るようになっており、さすがに自己防衛本能が働いた。また、職場の健康診断で引っかかり、検査を受けて貧血だと言われた。体調不良で休んでいいだろうと思った。(普通貧血では休みません)

とはいえ、2週間に一回くらい。自分が少し真面目すぎた気がする。2週に1回発熱(37.2度)して当日休む私をどう思ったかあとからこっそり先輩に聞いてみたら「え、休んでた?」といわれた。めちゃくちゃ優しいか、向こうも参ってるかどちらかだと思った。

職場の飲み会も全部サボった。貧血を治すため、と称して、間食もするようにした。ちびっと体重が戻った。ここまでできるようになって、ちょっと自分を取り戻せてきた。少なくとも、泣きたい時にしか涙は出なかった。

これは余談だけど、実はこの時思いつきで料理教室に通い始めた。料理を時間内に、同時並行で、軽量もきちんとやりながら進めると、他のことを考える余裕が無い。そうやって仕事のことを頭から追い出すことにも成功した。

〇2018.冬

そのまま冬になった。
仕事中、手がしびれて、スマホで調べると怖いことが沢山書いてあった。最近、食べれるものを食べているから栄養が偏ってるのかと思った。
調べたら原因がわからない時はまず整形、とのことで、祖母行きつけの整形外科に行った。

この頃は何かを察したのか、誰かに言われたのか、病院に行くと17時に立ち上がっても、上司は何も言わなかった。

ざっくばらんな整形外科の先生は私の痺れる手を調べ、わからんけど大抵の原因は神経だから、と飲み薬を出してくれた。

2-3日で治った。

しびれと。

だるさも。
貧血のせいだと思っていただるさまでキレイに治った。夜も寝られる日が増えた。

私は薬のことはよく分からない。効果がありすぎたので調べると、先生が言うようにビタミンの薬だった。よくよく調べると、貧血や睡眠障害、肩こりなどにも応用されるようだった。

詳しくはわからないけど、多分私がしんどいと感じている部分にうまく効いてくれたようだ。

まさか整形外科で治るとは、とびっくりしているうちに、年末年始の休暇が来た。10日ほどだろうか、ぐうたら過ごすと、年明けにはびっくりするほど元気になっていた。

時を遅くして、保健師先輩の部署が開催している精神科医と面談の機会を得た。
手足のしびれ、食欲不振、睡眠障害、突然の涙の有無について聞かれた。「どれも今はない」と答えた。

私より医者の方が「なんで来たの?」とびっくりしていた。が、私には得られたものがあった。あれはうつかどうかの判断に使える症状だった、ということ。

面談の結果、「通常勤務可能」との太鼓判を頂き(ちなみにそう書入れる前に「こう書いていい?」と聞いてくださった。ダメです週休3日にしてくださいと言わなかった私はやはり真面目だ笑)、私は仕事に戻った。

〇2019.春

春、私が勝手に一人相撲していた相手の上司は異動した。伝言ゲームは人事権を握るえらい人まで届いていたらしく、後日「きみ、元気か?」と突然話しかけられてびっくりして恐縮したが、どうやらそういうことらしい。

なんとなく申し訳なく思ったが、いつも暗かった先輩が突然明るいキャラに豹変し、彼の残業時間も3分の1くらいになったので、いいことをしたと思い込んでいる。

〇2020.春

もちろん私はこの解決策?が正解とは思えない。とても感謝はしている。

かつて一緒に働いた先輩が、たまたまいつまでも私を可愛がってくれていて、無断で元上司にまで話してくれ、元上司がたまたま私と会い、もっと上に話をあげることにし(これは想像ですが)、彼の人脈は当時たまたまとても偉い人に繋がっていた。そしてその人は昨今の休職や退職が増えてきた20-30代をたまたま気にしていたらしいのだ。

たまたまの運がよすぎる。

普通はせいぜい色んな人が相談に乗ってくれ、たまたま、現上司に苦言を呈する立場の人の耳に入り、行動を改めて貰うとかなんとかだろう。

それに、動かされても、また違うところで悩む人が増えるだけだ。

それでも私は元気になった。私と周りにとってはそれが全てだ。私は頑張って食べる姿勢だけが残り、その後ぷくぷくと太り見事に標準体重だ。

世の中には色んな解決法がある。
もっと早く病院に行って鬱の診断を貰えば、私はしばらく休めただろう。でも、そういう診断をされると、将来ローンが組めなくなる、とどこかで聞いた。

もちろんそれどころじゃない、ほんとに調子が悪いなら未来の家や車のことよりもまず休むべきだ。

でもそこまで行っちゃう前の、ちょっとした不調を無視しないであげて欲しい。相談したり、病院に行ったり、カウンセリング受けたり。習い事をしたり、友達と遊んだり。何かで良くなることもあるのだから。

気持ちがしんどくなることは多分誰にでもあると思う。そして、本人は意外とわからずそのまま進んでしまう。そして涙が止まらなくて夜寝れなくてやっと気づいたりする。

どうか周りの大切な人が、少しおかしいな、と思った時も、この話を思い出してもらえたら嬉しいです。そして、周りの人が少し気分転換させてあげられたら。大した解決策は書いてないけど。こんなことでこんなになるんだ、ということだけでも、頭の片隅に覚えておいてもらって、自分と周りの人を助けてください。

世間は五月病の季節。今年はちょっと違うけど、違うからこそ長い春休み明けが私は心配です。
在宅勤務や、自宅学習って、例えばいじめられてる人なんかにとってはありがたい1面もあったと思うんです。
長い長い休み (休んでないけど)明け、絶対しんどいよなぁ…私も溜まってる仕事想像すると行きたくない。

でも、せめてこの長い長いnote読んだ人だけは、行ってみて、ちょっとヤバいと思ったらなにか気分変えることを試したり、ホンマにやばい時は休んでみたり、してのりこえてくれたらなぁと思います。

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