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【恋愛小説】㉝最初の恋人 最後の恋人 〜告白する勇気~

達也が顔を上げ、やっと3人が落ち着いて話せるようになった。

そして、美々は話し始めた。
「確かに、今でも許せない気持ちはあるよ。
でもね、昌くん。一度ついたウソを告白するのって、すごく勇気のいることだと思うんよ。
それに、達也くんがウソをついたのも、昌くんっていう親友を失いたくない一心でのことでしょ?
達也くんはこんなにも昌くんを親友として大切に思っているんだ、って思ったら、なんか、もういいかなって。
それに、たぶんだけど、達也くんは昌くんの親友だから、友達から達也くんが別れさせろってプレッシャーかけられてたんでしょ?
辛かったんじゃないかなって思って」

すると突然昌人は真顔で
「美々、一歩下がって」
と言い始めた。

???はぁ???

美々は少し下がった
「もっと下がって」
今度は手で後ろに下がれ合図まで出してきた。

「もぉ、何よ!!下がったやん!!」

「たっちゃんの肩に当ててるその手、離して」
美々は達也の顔を上げた時、達也の肩に手を置いて、そのまま喋っていた。
その「手」が気に入らなかったらしい。
いわゆる、やきもちである。

「この手離したら、また、達也くん、土下座しちゃうよ。そんな事させちゃダメでしょ!!」

すると達也が遠慮ぎみに
「あっ、もう、離して・・・。これ以上、昌人の恨み買いたくないから・・・」
自ら美々のそばを離れた。

美々は大きなため息をついた。

「達也くん、聞きたいことがあるんだけど、いい?」
美々がまた、話し始めた。

「今でも、私と昌くんは別れた方が良いと思う?正直なところ、教えて。」
昌人も、オレも聞きたいと言った。

「美々ちゃんが昌人のことを本気で好きなのはわかった。
でも、スナックのママさんに嫌がる昌人を取り立てに行かせたことはどうしても許せないんだ」

昌人はすかさず返事した。

「たっちゃん、それはちがう。オレ、納得してママさんの所に行ったんだ。」

達也は驚いていた。

「でも、ホントは行きたくなかったって・・・」

「行かなくて済むならその方が良かった。
でも行く必要があると思ったから、自分の意思で行ったんだ」

「どういうことだよ・・・」

昌人は美々と話し合った内容を話すことを躊躇していた。

美々はそんな昌人を見て、
「話しちゃダメ?昌くんとの約束は守るから」

昌人はため息と共にうなずいた。

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