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富山に行きテイー

4月5日はひじょーに早起きでした。まあ早起きといってもまともに眠れなかっただけです。偉くはない。

作戦通り23時半には布団に潜り込んだんですが、次に目を開くと夜中の1時すぎ。さすがに早すぎるのでなんとか寝れるようあれこれ試しましたが結局意味をなさず、4時くらいに諦めて顔を洗い本格的に目を覚ましました。

ついにお寺の友達が修行に出る日が来たのです。そんな彼に「5時15分に家に来て」と言われていたのです。寝坊してる場合じゃありません。



本人もそうでしょうがこちらもソワソワしていたので、車でのんびりと向かったのに5時前には着いてしまいました。早すぎても迷惑かと思い、寺の駐車場に車を停めて窓の外をぼけーっと見てました。まだ5時台だというのに凄い速さで空が明るくなっていったのが印象的です。

5時15分が近づいてきたので連絡を入れしばらく待っていると、見慣れない袈裟姿の見慣れた坊主が中から出てきました。あまりに綺麗なツルツル頭だったのでたくさん撫でておきました。

正直感動しましたね。出会った頃から「大学卒業と同時に修行に出る」とは聞いていたので分かっていたつもりでしたが、いざ当日になると寂しさが込み上げてきました。それから托鉢笠やわらじを見ていると、はるか昔からお坊さんたちはこうやって文化を受け継いできたのか〜とか感じちゃって、なぜか鳥肌が立ちました。

前日にも会っていたので特に改まって伝えたい話もありませんでしたが、来てくれてありがとうと何度も言われました。お坊さんが修行に出る瞬間に立ち会うなんて滅多にできない経験なので、こちらこそありがとうという感じでした。いやまじで寝坊しなくてよかった。


4月6日は『オッペンハイマー』を観ました。もちろんレイトショーです。元々は1人の予定だったんですが、なんやかんやあって3人で観ることになりました。

まだ公開されて間もないのでネタバレは控えます。ただ感想だけ言うとすれば、映画を観ていて初めてイライラしました。

原爆を作った人物が主人公である以上、話のメインが原爆の完成となるのは分かりきっていました。そんな事は分かっていたんですが、実験が成功しアメリカ人たちが歓喜の渦に包まれた瞬間、無性に腹がたちました。オッペンハイマー自身はこの原爆開発に葛藤していたので余計に周囲の能天気さ(そう見えるだけ)が悔しかったです。

が、そんな感情だけで終わるような映画ではありませんでした。音響の迫力も込みで凄まじかったので、サブスクなんて待たずに映画館での鑑賞をおすすめします。なんてったってアカデミー賞7部門受賞作品ですからね。にしてもこのオッペンハイマーという人物の事前知識が皆無だったので、後半からの話はまじでややこしかったです。簡単な予習くらいはしておけば良かった。

見終わった後は我が家で晩酌をしました。「あの場面がどう」だの「ラミ・マレックがどう」だの映画の感想を語り合いましたが、最終的に、原爆どうこうより戦争で死ぬのは嫌だよなあという結論で落ち着きました。普段から中身スカスカの会話ばかり楽しんでいる友達との間にたまに訪れるこういった真面目な時間が僕は大好きです。脳死会話万歳!


4月8日は学校が始まりました。まるで使っていなかったスペイン語は当然衰えていたし、色々あって1年振りに再会した友達とはたくさん話をしました。そしてなによりもゼミが楽しかった。僕はこのゼミの先生が大大大好きで、大大大変尊敬してるのです。

今年のうちのゼミは例年より若干多い約30人。新しく入ってきた新3回生、去年と同じく新4回生、休学から復帰した新5回生と新6回生が入り乱れ、ほとんどみんな初めまして状態です。
まずは一人ずつ簡単な自己紹介をしたんですが、僕は極度の緊張しいなので脳内で思い描いていた自己紹介の30%くらいしか自己を紹介できませんでした。悔しい。

全員の順番が回った後は今年度のLINEグループを作り(先生の呼びかけで)、そのまま懇親会の日程も決めました(先生の呼びかけで)。今年は司会役を買って出るタイプの人間がいないので、全てが先生主導で動きそうです。

ひと段落して先生が話し始めました。今期最初のゼミという事もあってか、いつもより真面目かつ長めでしたね。4~6回生が就活や卒論の時期なのでそれ関連の内容が多かったです。悩みは1人で抱え込まないでください、私じゃなくていいからこのゼミの人達とかキャリサポとか誰かしらに相談してください、卒論は何も書けてなくていいからゼミに顔だけは出してください、などなど。どれも特段珍しい言葉ではありませんが、この人が言うと僕は感動してしまいます。

話の途中、このゼミで過去に亡くなった方が1人だけいると言われました。コロナ禍の事だったらしく、死後数ヶ月経ってようやく先生のもとにポンと情報が回ってきたそうです。すごく残念だったし、何か出来なかったのかなあと未だに考えていると言ってました。ゼミ在籍3年目ですが初耳でしたね。だから先生は常日頃から「とにかくゼミには顔を出してね〜」と言っているんやと思います。


ひとまずゼミが終わり解散となりましたが、特に予定の無かった6人で研究室までついて行きました。机の上には卒業生たちが卒論で使ったと思わしき本が大量に積まれており、数か月前に訪れた時よりもさらにごちゃごちゃしていました。

普段は人が多すぎて個人的な話なんてほとんどできませんが、これくらい少人数の場だとみんな自分の悩みを好き勝手に話す事ができます。あっという間に2時間ほど過ぎましたが不完全燃焼感が全体に漂ったので、来週のゼミ終わりは先生とこの6人で飲みに行く事になりました。楽しみです。


この日の夜、能登半島地震のボランティア帰りで終電を逃した友達が泊まりに来ました。時刻は0時を回っていましたが翌日は特に予定も無かったので酒を飲みながらだらだらと話をしました。

地震から3カ月が経った被災地は想像以上に復旧していなかったそうです。話を聞いていく中で「自分もGWにボランティア行こうかな」とか思ったんですが、ボランティア用の食料や宿泊施設等の余裕が現地にはあまり無い事、彼は所属している団体の縁があってたまたまボランティアに行けただけという事を知って諦めました。本気で探せば方法なんてあるんでしょうが、まあ諦めました。ただ、その場で軽はずみに「おれも行こうかな」と言わなかった事と「ボランティアに行く」選択肢が一瞬でも真剣に浮かんだ事は自分としては意外でした。今までずっとボランティアなんて他人事だと思って生きてきましたが、身近な人間がするとやはり感じるものはあります。


もし今、バーソ〇ミュー・くまに「旅行するならどこに行きたい?」と聞かれたら、富山県朝日町と答えます。タイとフィンランドも同率1位です。

去年くらいですかね、この町の名物「春の四重奏」の写真をTwitterで見かけて以来、いつか行きたいと思っていました。それと、この町でなつめという方が夫婦で営んでいる「民泊たなごころ」にも行きたいです。今年の3月にオープンしたばかりで、家の中には「ねねちゃん」というとても愛くるしい看板猫がいます。ここもTwitterで知りました。


もともとこの春休みに北陸旅行を予定していたんですが、やめました。

政府が「北陸応援割」というキャンペーンを打ち出したくらいなので旅行でお金をたくさん使って復興を支援するという考えが間違っていたとは思いません。ただ、行くとしても少し時間を空けようかなという気分になりました。その代わりタイ旅行でしこたま金を使えたので結果オーライです。

今回の話を聞いてやはり北陸に行きたいと思いました。おそらく今後も募金もしなけりゃボランティアにも行かない僕に出来る貢献なんぞ、旅行してお金を少しでも多く落とす事くらいです。今年の夏に行くか来年の春に行くか、現在財布と相談中です。


その友達がボランティアの振り返りをブログに書いていたので読みました。どうも参加する前は「ボランティアに行く動機」について自分で色々と葛藤していたようです。やはりこういう慈善活動となると「純粋に助けたいと思っているのか」という自問自答や「やらない善よりやる偽善」理論を始めとする様々な考えが脳をよぎるんでしょうか。程度は違えど誰だってそうだと思います。

諦めた僕からすれば、当然行った人間と行かなかった人間とでは歴然とした差があるのでただただすごいです。本人もボランティアをしていく中で素直に頑張ろうと取り組めたらしいので、やはり何事もやってみると見える世界があるんですね。

基本的には自分大好き人間の僕もたまに自分で自分が気持ち悪くなります。偽善と感じようが他人からどう言われようが自分がそうしたいならそうするべきなんです。ジョジョ5部に出てくるアバッキオの同僚も「大切なのは真実に向かおうとする意志だ」という言葉を遺しています。

とりあえず貯金します。

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