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未経験から編集者になって一年が経った①


31歳未経験で憧れの編集者に転職して一年が経った。


一年前はなにもわからなかったわたしも
晴れて編集者二年目となり、毎日忙しくも充実した日々を過ごしている。

この一年つらいことや苦しいこともたくさんあったけど、ひとつひとつ乗り越え、そしてやっぱり楽しさも感じながら
編集者としても社会人としても成長したように思う。


なのでこの一年間のことと最近起きたことについて、思うことを綴ってみたい。




いまわたしはAさんという先輩と二人でチームを組んで、仕事を任されている。


入社当初はAさん、そしてBさんという大ベテランの先輩とわたしの三人体制だったが
入社してすぐに大ベテランのBさんが退職することになり、それからはAさんと二人体制になった。

大ベテランのBさんが退職し、新人の右も左もわからないようなわたしと二人で仕事を捌くAさんは、さぞキツかったと思う。

しかもBさんがいた頃よりも業務量が2倍に増え、常にパンクしそうな、というかパンクしているような状態だった。
いつも二人で終電まで残り、泣きそうになったのは一度や二度ではない。

そんな状態ではあったけどAさんとの相性はとてもよく、とんでもない業務量を抱えながらもチーム内(といってもAさんとわたしの二人だけど)はいつも和やかだった。
それはAさんのやさしくて穏やかな人柄のおかげだとも思うし、Aさんとわたしの相性が良かったのもあると思う。

入社当初は必死すぎて相性の良し悪しなんてわからなかった。
とくに考えてなかった、というのが正しいかもしれない。
Aさんと二人でやってください、と言われたから必死にやってる、というだけ。

しかし周りから「二人の相性がすごくいいね。」と言われ、そこで初めて『そうなんだ。わたしとAさんって相性いいんだ。』と気づいた。
AさんとBさんのときよりも、Aさんとわたしの方が業務がうまく回るようになったと言われ、上司からも評価された。


大変なことばかりだったけど約一年、二人でどうにかこうにかやってきて
いまとなっては二人のリズムもでき、残業時間も減ってきた。
右も左もわからなかったようなわたしが少しは成長したこともあり、ようやく円滑にまわるようになってきた。


そしてAさんと仕事をしていくうちに、
たしかに周りが言うようにAさんとの相性の良さも感じ始めていた。
Aさんの人柄、仕事の進め方がわたしは好きだし尊敬もしている。
仕事でなにかあったら真っ先にAさんに相談するし、すごく信頼している先輩なのだ。

だからAさんを全力でサポートしようと動いてきたけど、それはAさんにとっても助かることが多いようで役割分担がしっかりできていた。


しばらくはこんな風にAさんとやっていくんだろうな。
やっていきたいな。
そう思っていた。



なのに。


6月に入ってすぐくらいだろうか、
編集部でチーム替えをするという話が浮上した。

どのような体制になるか上司から何パターンか提案があり、編集部ミーティングで一人一人の考えや意見を聞いて決定するから、それぞれ考えておいてください。とのこと。


そしてどうやら、Aさんとわたしが離れる線が濃厚のようだった。



もちろんAさんとわたしの相性が悪いとか、うまく回っていないから、という理由ではない。
他のチームとの兼ね合いや、仕事量の分散のため体制を整えるというのが大きな理由である。


とはいえ突然そう言われても、Aさんと一年やってきたので離れることに実感が湧かない。
ただ『本当にそうなったらやだな。』とだけ
ぼんやり思った。


このことをAさんはどう思っているんだろう…

あるとき一緒に帰るタイミングがあったので
二人の今後のためにも、思い切って聞いてみることにした。
「Aさんはどう思いますか?どうしたいと思ってますか?」と。


すると
「mimiさんと今後も二人でやっていきたい。
このチームは崩したくない。」
そう言ってくれた。


Aさんは自分の気持ちをなかなか口に出さないし、こんなことを言われたのは初めてだった。


そんな風に思っていてくれたんだ…

正直、泣いてしまいそうなくらいうれしかった。

周りは合ってると言うけど、Aさんの口から直接「自分たちは相性いいよね。」なんて言われたことはなかった。


いつも穏やかで感情を表に出さないAさんが
わたしのことをどう思っているかなんて聞いたこともないし、
実はわたしが自惚れているだけで
わたしが勝手にやりやすいと思っているだけで、
本当はAさんはわたしなんかと同じチームで嫌なんじゃないか…
周りが合ってると思っているだけで、当のAさんはこんな新人を抱えて、本当はこれを機にチーム替えしたいと思ってるんじゃないか…
なんて考えたりもしていた。

なのに、そんな風に思っていてくれたんだ…

右も左もわからないような新人を抱えて
これまで以上の業務をこなすのは想像するよりずっと大変だったはずなのに、見捨てずにいつだって親身になって教えてくれたAさん。

そんなAさんからの
「これからも二人でやっていきたい」という言葉は、上司からの評価や周りの言葉よりも編集者になったこの一年間で何よりもうれしい、一番のギフトだった。



ああ頑張ってきてよかったなあ。
Aさんがそんな風に思っていてくれたなんて。
そしてわたしも同じ気持ちでいる。

それなら編集部ミーティングでチームを崩したくない旨や、そうすることによるメリットを話そう。
そう考えがまとまった。


そうして後日、編集部ミーティングを迎えることになる。


長くなったので②につづきます。



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