はじめて休日出社した今日のこと
広告制作会社に勤めている、編集者二年目です。
今日はじめて休日出社ということをしてきた。
19時に仕事が終わったところ。
いまの仕事や状況に、思うことを書いてみる。
◇
金曜日の昨日のこと。
昨日は締切日だった。
しかしあまりの物量に、まっっったく終わる気配が見えず、至上最悪の状況だった。
お客様への確認、営業とのやりとり、原稿のチェックや入稿、校了作業…
それだけでもいっぱいいっぱいなのに、わたしは新人さんも教えねばならず
それに加え夏休みをとっている上司の仕事も引き継いでいて、もうパンク状態。
対応に追われ、なんとか隙間を見つけて休憩にでたのは18:30だった。
19時前後の金曜日。
外は仕事終わりの人が楽しそうに歩いてる。
そんななか、わたしは遅すぎるランチ(もはや夕飯)を食べ、また会社に戻る。
美味しそうにビールを飲んでる人を見ると
こんな時間にお昼を食べている人生でいいのかと考えてしまった。
そして21時頃。
相変わらずまったく終わりが見えない。
「もう無理ですね。明日(土曜日)でた方がいいのかな…」
そう弱音を吐くわたしに、チームの先輩Aさんが
「そうだね、これはもう無理だね。
自分が一人で明日でるから、mimiさんは休みなよ。」
と言う。
Aさんはそういう人なのだ。とにかく優しい。
そんなAさんを一人だけ生け贄にすることなんてできない。
もちろんわたしも出社すると言い、二人で上司に報告へいく。
すると戻ってきたわたしたちを見て他の先輩が
「地獄へようこそ!」
と言って出迎えてくれた。
「いや〜、ついにAさんとmimiさんもこちら側の世界へ来てしまったか」
「こちら側へようこそ!」
「ついに魂を売ったな」
「順調に社畜だね」
先輩たちがいろんな言葉をかけながら喜んでいる。
その雰囲気にAさんとわたしももはや笑ってしまい
「明日でるなら今日は早めに切り上げようか」
と言って
いつもよりは少し早く、22:30頃に退社した。
ちなみに休日出社は何時に出社してもいいとのことなので、のんびりお昼の12時くらいに来ようか。ということになった。
◇
そして迎えた今日である。
朝9時頃に起きた。
いつもよりたくさん眠れてうれしかった。
わたしは朝ごはんをあんまり食べないので
夫とクッキーをつまみながら珈琲を飲む。
このクッキーに、かにの形があったので
「そういえば小さい頃、さるかに合戦を読んで
ひどいと思ったなあ。かにが可哀想で。」
と言うわたしに
「さるかに合戦ってどんな話だっけ?」
と言う夫。
本当にざっくり書くと、かにはさるに騙された挙句殺されてしまうのだ。
そしてかにの子どもたちがさるに敵討ちをする
というお話である。
それを聞いた夫は言う。
「なにそれ!さるひどい。残酷な話だなあ。
殺すとか子どもに伝えていいのか?
トラウマになったらどうするんだ」
おとぎ話に怒る夫に思わず笑ってしまう。
夫とさるかに合戦の話をしながら
珈琲を飲む朝はとても幸せな時間で
とりあえず今日も頑張ろうと思いながら家を出た。
たくさん寝たので気持ちに余裕がある。
お昼に会社へ行くと、何人か出社してる人がいた。
みんな社畜である。
それでもいつもに比べるともちろん人は少なく、電話も鳴らないし新人さんもいない。
周りの社畜先輩やAさんと適度に雑談を交えつつ
静かな環境で集中して原稿に取り組めたので
案外ストレスなく楽しい時間が過ごせた。
業務も終わりが見えたし、休日でてよかったな。という気持ちにすらなっている自分がいて
こうして社畜先輩のように社畜になっていくんだろうか。と思うとなんとも言えない気持ちになった。
わたしとAさんはもうすぐチームが離れてしまうので
「Aさんと夏の思い出が作れてよかったです」
と言うと、Aさんは笑っていた。
◇
朝、夫には
「今日は一人で日記書いたりしたいからファミレスに行くね。」
と伝えていた。
19時頃に仕事が終わり
朝、夫に伝えたとおり
一人でサイゼリヤに入りこれを書いてる。
とりあえず締切の終わりが見えて安心した。
正直、休日出社してかなり気が楽になった。
でもこれが常態化してしまったら
きっと夫はたくさん悲しむだろう。
今日だって、本当はのんびり一緒に過ごす予定だった。
それなら仕事が終わったら真っ直ぐ帰るべきなんだけど
わたしは一週間のうちどこかで一人の時間がないとだめな人間なので、このサイゼリヤでの時間は大切だ。
それに仕事もまだ頑張りたい。
でももちろん夫のことも大切にしたい。
夫を大切にしたい、と思いつつ
仕事を頑張るし、一人を楽しんでしまうので
なんだか夫に対して後ろめたい。
申し訳なく思う。
ごめんね。いつも家で一人にして。
わたしは、妻失格かもしれない。
休日出社して一番思ったのはこれだった。
わたしは多分、いい妻にはなれない。
仕事と
夫と
一人の時間。
これからどんな風に大事にしていこう。