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カメラと、それに触れた昆虫の話。

常々…
私にとって、文字をつづることは、一瞬の刹那せつなを言語化してとどめておくことであり、カメラで、瞬間を焼き付けることに比喩ひゆできるであろう。

と、考えている。


下手の物好きで、永遠に趣味の範疇《はんちゅう》を超えることはないのだが…
文章を書くことに加えて、写真を撮ったりして、それ相当数のカメラも所持している。

トイカメラコレクション
トイデジ
KONICA C35
二眼レフカメラ

そして そんな私が好む被写体が、昆虫や食べ物。


特に、昆虫はいい。

目当てのものを見付けた私は、気配を殺し息を殺しながら、差し足で近付く。
だが、彼らは こちらの心情など知る由《よし》もなく、普段と変わらない様子みせる。
それが故《ゆえ》、思うような構図にならなかったり、呼吸を合わせたはずが、まるで嘲笑《あざわら》うかのよう飛び立たれたりを繰り返すしかない。
そして、ようやく撮影に応じてくれた時、なんとも言えない満足感が得られるのだ。

レンズ越しに触れた 彼らに、無駄のない美しさと逞《たくま》しさをみて、いつもハッとさせられる。

片側の羽が千切《ちぎ》れても 尚、優雅さを失わない 蝶《ちょう》。

ステンドグラス宛《さなが》らの美しい身体を持つ、トンボ。

一度の飛行で、自分の体重の 10 分の 1 程の花粉を集めると言われている 蜂《はち》。


なぜ私は、人や動物ではなく 昆虫なのか。
それは、彼らに躾《しつけ》も調教もなく、取り作りようのない 営《いとな》みがあり…
人間や動物とは全く異なる生態サイクルを持ち、短い一生を懸命に生きる存在を知ることで、命の尊さを知ることになるからだ。

こうして、静と動が 混在しているような一枚が撮れた時
至福の ひとり遊びが、また一つ完成する。


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