椿

10代の頃、将来は風俗嬢になって30歳までに死ぬと思ってた。 なのに30歳になっても生…

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10代の頃、将来は風俗嬢になって30歳までに死ぬと思ってた。 なのに30歳になっても生きてたし、風俗嬢にもならなかった。

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擬態して生きてる

わたしは自分の人生を持て余している。 10代の頃、将来は風俗嬢になって30歳までに死ぬと思ってた。 なのに30歳になっても生きてたし、風俗嬢にもならなかった。 普通じゃないことを隠して必死で生きるうちに、誰もが知ってる有名大学を卒業して、気づけば「一流企業」で働いてる。頭だって見た目だって悪くない。 たぶん、傍から見たら順風満帆のどこにでもいるバリキャリOL。 ずるいわたしは都合のいい時だけ普通のフリをして生きている。 だけどいつも思ってる。「順風満帆のあんたたちとわたし

    • 中学時代-わたしが制服を脱いだ理由9

      何も聞かれなかった。 今思えばそれが彼らなりの愛だったのかもしれないけど、家族はわたしを腫れ物に触れるかのように扱った。 何も聞かれないことがわたしへの愛情と関心の薄さを表しているような気がして、より一層固く心を閉ざしたことを覚えている。 もしあの時ちゃんと話していたら、わたしの欠乏感は少しは埋まったのだろうか。 いや、きっとわたしは両親に何も話さなかったと思う。 両親がわたしを受け入れてくれるとは到底思えなかったからだ。 それ程自分は「愛される価値がない」と思っていたし、

      • 中学時代-わたしが制服を脱いだ理由8

        中学3年生の春休み、AVのエキストラをした。 学園モノという設定だったから、池袋の廃校に集合して 与えられた制服を着て、教室や廊下で歩いたり座ったりするだけの役割。 通常シーンだけの撮影だったから、AVに出ているという意識は全くなかったけど 腕にある大きなタトゥーを、メイクで隠している AV女優を見て わたしも必死でこうやって自分の過去を隠しながら生きていくんだろうと思った。 そして実際その予感通り、自分と過去を隠して生きている。 「学年で10番?そういうのは1番になって

        • 中学時代-わたしが制服を脱いだ理由7

          援助交際、万引き、飲み会。 自分の不完全さから目をそらしたくて、 長期の休みは毎日の予定をそれらで埋めた。 親に気づかれないように、親に不信感を抱かせない為に わたしは学校外の友達を片っ端から両親に紹介し、家に泊めては 「この前家に泊まりに来た○○ちゃんの家に泊まる」と言って外泊を繰り返した。 若さに、お金に、時間。 それらを持て余したわたしは、それらを刹那的に使う方法しか知らなかった。 沢山の「 モノ 」や「 人生経験 」を言い訳に 見たいように世界を切り取ろうとしたけ

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        • 中学時代-わたしが制服を脱いだ理由9

        • 中学時代-わたしが制服を脱いだ理由8

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          中学時代-わたしが制服を脱いだ理由6

          初めての彼も含めて、 中学時代は誰に抱かれてもセックスを気持ちいいと思ったことは一度もなかった。 数分前に出会ったばかりの大人の前で初めて服を脱いだあの日から 一体何人の前で服を脱いだのか。 わたしが一線を越えるのと同じように、アッサリとそれを越えてくる大人は何人も居た。

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          中学時代-わたしが制服を脱いだ理由5

          わたしは病んでいた。 それを自分の殻に閉じこもって自己陶酔に浸っていたという言い方もできるだろうし、 そんなに簡単なものではなかったとも言える。 自分の存在を容認してくれる人を誰より求めていた。 あの時のわたしは生きづらくて 14歳のわたしには処理しきれない感情と現実が日を追う毎に膨らんでいった。 それに向き合うことも、誰かに「 助けて 」と言う強さもなかった。 腕を切って血を見て、必死で自分の存在を確かめる。 息を吸っても息苦しさは止まらなかった。 酸素を求めて息を吸え

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          中学時代-わたしが制服を脱いだ理由4

          初めて腕を切ったのも14歳。 彼に出会う前だった。 逃げ場所をなくしたわたしが唯一生きてる実感を感じられる瞬間。 初めてカッターで腕を切ったとき、傷口から滲む血を見て 自分に赤い血が流れていることに酷く安心したのを覚えている。 そうして始まった悪趣味な一人遊びは段々エスカレートしていって カッターだったものが使い捨てのメスになり、 一本だった腕の傷は次第に増えて、右腕一杯に広がった。 それでも長袖やガーゼに隠れた傷にしばらくは誰も気づかなかった。 ーー親でさえも。 少し

          中学時代-わたしが制服を脱いだ理由4

          中学時代-わたしが制服を脱いだ理由3

          中学2年生、14歳の春休み、わたしは処女ではなくなった。 「 学校にだって家にだって‘’居場所‘’がない 」 当時は本気でそう思っていた。 だから他に居場所がほしくて、外の世界に逃げ出して、大人に囲まれることで自分の存在価値を見出だしていた。 彼らと会える土日や長期間の学期休みこそが大事な時間だった。 中学2年生、13歳の冬休みに初恋相手の大学生とファーストキスをしたけど 彼が選んだのはわたしの‘’親友‘’だった。 彼のことを相談していた彼女からそれを聞かされたときに 泣

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          中学時代-わたしが制服を脱いだ理由2

          小さい頃から姉といつも比較された。 年子だから余計に。 「お姉ちゃんはーー」 ずっとそのフレーズが大嫌いだった。 「 年子だから 」という理由で教育も与えられたものも全て平等だったように思う。 ただ、愛情を除いてはーー。 中学校受験では、姉より偏差値の高い学校に受かった。 制服がかわいいことで有名な姉の学校に進学したいと言ったら 「特待生枠で受かったらね」と言われた。 もちろん合格したけれど、特待生ではなかったから結局辞退することになった。 たった1校しか合格できなかっ

          中学時代-わたしが制服を脱いだ理由2

          中学時代-わたしが制服を脱いだ理由1

          「これ以上、お宅のお嬢さんを我が校で面倒みることはできません」 処分が決まるまでの約1週間、わたしは他の生徒と同じ教室で授業を受けることすら禁じられた。 登校すると別室へ通され、非番の教師達の監視下で1日中「課題」という無意味な時間を過ごした。 「……ですが、お嬢さんの将来を考えてここは『自主退学』ということにして差し上げます」 最後まで馴染めなかった大嫌いな学校は 「わたしのため」という表現を使ったけど 自分達のブランドを守るための、恩着せがましい 『自主退学』で 大

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