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【 コートの星達に説く人生の授業① 】
大粒の涙が頬を伝い、
拭っても拭っても、
とめどなく溢れだす。
その訳を私は知っているから、
無理にもなを励ますことはできない。
ただ、信じがたい現実を受け入れ、
涙が止まるのを待つしかない。
この春に、
私たち母子は、
初めて別れの季節を実感した。
*****
この4月にもなは中学2年生になる。
バレーボール部に所属し今年は先輩になる
気持ち新たにと思っていた矢先、
顧問の先生の離任を
【 コートの星達に説く人生の授業② 】
ダンスは大好きだけど、
運動とは無縁の生活であったもなが、
小学6年生の冬に中学校の部活動見学で、
バレーボール部に惹かれた。
バレーボール部に入りたい!
ショートヘアーの少女達は、
明るめのユニフォームと鉢巻で、
頰の赤みが可愛らしくて、
みんながみんな
どことなく発するオーラがあった。
明朗活発で笑顔が良い。
何よりもバレーボールを楽しむ姿がはじけている。生き生きとしていて輝いている。
【 コートの星達に説く人生の授業③ 】
「ママ、先生はね、美術の時間に美術室にある花に水をあげて、金魚に餌をあげるんだよ。そして音楽をかけてくれる。それがすごく好きなんだ。」
もながそう話していた。
部活で先生の指導を仰ぎ、
美術でお世話になり、
いつしかもなは、先生に人間としての敬意と好意、信頼を持つようになった。
もなのその話を聞き、
先生のその姿は容易に想像できた。
先生は練習となると、
その厳しさは学校内では有名だ。
「
【 コートの星達に説く人生の授業④ 】
ある日の先生と保護者との決起集会では
先生のお誕生日が近いということで、私達保護者は先生にケーキをプレゼントした。
バレーボールの形の特注のケーキだ。
洋菓子店を営む部員の保護者がつくってくれた。
子ども達から信頼される先生は、
保護者からも熱い信頼を受けている。
私達からのお祝いに先生は屈託のない少年のような笑顔で心から喜んでくれた。
そんな喜怒哀楽を惜しみなく表現する姿もまたみんなの好感
【 コートの星達に説く人生の授業⑤ 】
私は己の精神のせいで
生きづらさを常に感じている。
SSRIを飲んで脳の働きを戻しながら、
生活の質を保っている。
そうしないとせっかくの人生が
無駄になってしまう。
クリス・コーネルの歌詞のように、
私の日々は、
worried morning turn into day
and into worried night
であった。
しかし、コートに輝く星達に説く先生からの人生の授業に、私は
【 コートに輝く星達に説く人生の授業⑥ 】
先生とバレーボール部員の最後の練習は
14時から17時まで続いた。
私達保護者はいつもは2階席から見学するが、この日はコートのすぐそばに椅子を並べてもらいそこで見学した。
1年前の部活動見学を思い出した。
まさか1年後に最後の練習を見るなんて…。
バレーボール部のコート内とは賑やかだった。コートの星達に加え、保護者、あらゆる年代のOG、その保護者。
みんな先生を慕って会いに来たのだ。
厳し
【 コートの星達に説く人生の授業⑦ 】
今日横に並んで
手を取り笑いあっていた人が
翌日にいなくなる。
リンゴの唄を一緒に歌い、
また歌おうね、と言ったのに、
数分後に突然息を引き取ってしまう。
「ずっと続く」と何の疑いもなく思ってしまう。終わりはくるけれど、今ではない。まだまだ先のこと。人間はそういう生き物だ。
終わりが来るのを切に理解している人間にとって、終わりの時期をあやふやに感じながら日々過ごすことは自分の精神を守ること
【 コートの星達に説く人生の授業 ⑧】
こんにちは!
お久しぶりです、覚えてますか?
明朗快活な女性から声をかけられた。
娘が保育園のときにお世話になった先生だ。ベビーカーに乗せた赤ちゃんを連れた懐かしい笑顔が眩しい。
もちろんです!
お久しぶりです!
娘が4歳の時、
保育園に入園し、始めての師だ。
抱っこをして先生に娘を託し、去り際には腕を大きく伸ばして泣きながら私の腕の中に戻ろうとした娘。
心を強く持ち、笑顔で見送り振り返らずに